《闇墮ち聖語~病んだ聖はどんな手を使ってでも黒騎士を己のモノにすると決めました~》第二百十一話『ディアーナの変化』

「生命には支障はないが.........神の一部が帰化しているな。」

濁す様に言うブランチェに疑問をじる。そしてディアーナへと視線を向けると、下向きに顔を伏せた。

「ディアーナ、お前..........」

何かしらの障害がある事は明らかだ。

「ウォフ・マナフさんの聖浄の力をけたのです。悪の高き貴方がければタダでは済みませんことよ。」

ウォフ・マナフという善神の特を知っている故にディアーナへとそう指摘をするエルミア。

「ジョン、この方は?」

「エルフの片割れ、エルミアだ。」

ディアーナの瞳のが変わる。

「落ち著け、此奴は敵じゃない。」

「ジョン、警告したばかりですよ。私の側に來なさい。」

ディアーナは尋常ではないプレッシャーを青年へと向けると、そう『命令』をした。

(_______っ、なんて殺気)

冷や汗と共にが無意識下にディアーナの元へと移する。瘴気による強制支配。

(が言う事を聞かっ、)

に流れる瘴気を強制的に支配下に置き、ろうとしているのだ。

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「うぐっ、やめ、ろ!!」

拘束に抗う。心配するのは分かる。だが、ディアーナは此処まで自己的な奴ではなかった。

「_________いい加減にしろ、ディアーナ!!」

オドを活化させ、瘴気の拘束を振り解く。そしてディアーナの元へと近寄り腕を振り上げた。

バチンッ!

平手打ちをディアーナへと喰らわし、息を大きく吐く。ディアーナは狀況が把握できないと言った表で此方を見る。

「私に......手を上げた.........何故、訳が分かりません..........ジョン.......」ギリ

バチンっ!

ディアーナは自分の前へと立ち、平手打ちをやり返す。

「痛っ、」

からが流れ出る。

「貴方を心配した私が何故叩かなければならないのですか!貴方は無防備にも程があります!仮に陵辱、拷問、最悪殺されていたら...........私はっ」

拳を握り締め悔しそうな表を見せるディアーナ。

(この旅に無理やりと連れて行った張本人の一人の発言とは思えないが.........)

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心そうじつつも彼の表を見てか、毒を吐く事を抑える。何故なら、涙が頬を伝っていたからだ。

(ディアーナ、本當にお前は________)

「さっきは叩いてごめん。」

しばかり悲しげな表でディアーナへと返すと、ディアーナは大粒の涙を流し、謝罪の言葉を口にする。

「ご、ごべんなさぁい、私、うぅ、の制が、うぅ、ままならなくて、ジョン、副団長を無理やりと、私の瘴気下に置いて、うっ、ろうとしましたぁ!」

涙を流しながらその場へと座り込む。緒不安定にも見えるが、これは聖としての側面であり、単純に心配をしていたのだ。

「いや、俺も無防備だったのが悪いんだ。相手がエレンミアで幸運だった。そうだよな.....相手が降霊師みたいな奴だったら殺されていたかも知れないんだもんな。」

ディアーナの手を握り、立ち上がらせる。ディアーナは首を橫に振り青年の頰へと手を置く。

「守るべき立場にある私達の失態です。これから先はこの様な事が起こらない様に徹底した警護を行うと誓います。」

深淵の様に濁っていだ瞳はを帯びている。

「青年よ、分ったであろう?」

クスクスと笑うブランチェ。

「あぁ、理解したよ。」

ディアーナの格が完全に反転している。遊び人から聖職者に戻ったと言う覚が正しいのだろう。

(だけど妙だ......記憶は失ってないし、なんで格だけ矯正されているんだ。)

ウォフ・マナフは善なる心を現化した神。その神の聖気を浴びた故に悪の心はかなり削られたと言う事になる。

“膨大な瘴気は消える事はない。されど悪心は浄化する事が出來る。”

この事実はウォフ・マナフ以外に知っているものはいない。

「ジョン副団長が其処まで言うのです。貴方は信に値すると言う訳ですね。」

エルミアへとを向け直し、問う。

「ジョンさんを裏切る事はありません。ですが、貴方は別ですわ。邪魔であらば消させて頂きますわ。」

レイピアを抜刀し元へと構える。

「ほぉ.....吠えるではないか、小娘。」

ブランチェは牙を見せ、古の剣を鞘から抜く。

「おいおい、おふざけの時間は終わりにしたまえ。今すぐに熾天使の元へと向かった方がいい。」

既に蚩尤はブランチェにより治療され、両腕両足を回復させている。に開いた幾つかのも塞がっていることから完治が終了したのだろう。。

「______そうだな、急ごう。」

空を見上げれば遠く離れた場所にて戦闘を行うルキフェルとエレンミアの姿を目視できる。雲が割れ、巨人や神話に登場する様な兵などが縦橫無盡に暴れていることから戦闘が続いているのだ。

「ディアーナ?」

ディアーナの瞳は虛としている。戦闘を凝視するその姿も何処か抜け殻の様にもじた。

「..........ジョン」

(何もじない。興も高揚も。ただ、戦闘が起きている現実だけ。あぁ、何故でしょう。何故、私はこうも失い続けるのでしょうか。)

じられるのはジョンへの深き、そして仲間達との親のみ。他のはおおよそ平等となってしまった。

「______ジョン、し良いか。」

先へと進む中、ブランチェが呼び止める。

「ディアーナのことについてだろう。」

「あぁ。」

ディアーナについて何か思い當たる話があるのだろうか。

「単刀直に言う。彼奴はいずれ、何処かで発するぞ。」

発?」

「あぁ、言葉の通り、であるディアーナが壊れ、瘴気が世界を覆いかねんと言っているのだ。」

衝撃的な告白に理解が追いつかない。

「どうかしたのですか、ジョンさん?」

エルミアが心配した様子で此方を振り向く。

「ディアーナと蚩尤と先に行ってくれ!俺は足が遅いから、ブランチェに乗ってそっちに向かうよ!」

「あぁ、その方が良いだろう。急ごう。」

蚩尤が頷き、先に駆け出した。其れを追う様にエルミアも追走する。

「ブランチェさん、ジョンに萬が一があれば、分かっていますね?」

「あぁ勿論だ。我輩に任せよ。」

ディアーナはブランチェをひと睨みするとルキフェルがいるであろう方向へと向け走り出す。

「_______格の変化が一番の起因となるだろう。瘴気との結び付きが拒絶に変わればディアーナ本人が呑み込まれ、深淵を無限に増させるだけの存在となる。だからこそ、ディアーナを以前の格へと戻さねばならぬ。」

以前の格へと戻す。其れは瘴気と調和している狀態。

善の心をなからず取り戻したディアーナには酷な話だとは思う。だけど命に関わるのなら別だ。

(何が何でも助ける。この一點に曇りはない。)

ディアーナに嫌われようとも命を助けられるならやってやる。

「_________方法はあるのか?」

格を回帰させる方法。

「ある。先程の會話から推測できたが、負のを渦巻かせた時、瘴気の質が異常に上がるのを観測出來た。其れを定期的に行えば瘴気がよりへと馴染む筈だ。」

「其れは........」

要約するに不のを與え続けストレスを與えろと言っているのだ。

「.........ディアーナの件は後でもう一度話し合おう。」

(ディアーナ......先ずはルキフェルとエレンミアの戦闘を止めないと。その後で明確な解決法を考えよう。)

ブランチェにがり、大地を神速の速度で駆ける。

作者の新作

ニーベルンゲンの災い

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