《闇墮ち聖の語~病んだ聖はどんな手を使ってでも黒騎士を己のモノにすると決めました~》第二百十四話『無謀な北歐神』
「_____フレイ、どう言う事!」
怒聲をあげるフレイア。しかしフレイは冷靜にその怒りへと返答を返す。
「永遠の人は未知數と協定を結んだと言ったんだよ。」
ただの事実を伝える。フレイアは鬼のような形相でフレイの首元を摑み上げた。しかしフレイは彼の手首を摑み鋭い眼で睨みつける。
「生と死、と戦い、饒とセイズを司る君だが、正は薄汚い娼婦だ。何故、僕が距離を置かず共に行を続けて來たのか分かるかい?」
「フレイはいつだって優しいから........」
「良き兄として接しているだけだと本當に信じているのかい?もし本當だとしたら君はとんだおバカさんだ。昔から君は容姿だけで生 雌き延びて來たただの“役立たず”。ヴァルハラの乙の様に尊くしい存在ではない。確かに僕も昔は実妹とは言え他の神々や巨人族同様にうつつを抜かしはした。だけど、この世界に來てから本を理解したんだ。君だけがしい訳ではない。真に輝きを見せるのは『裁定者』の様な存在なんだってね。」
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フレイアは涙目となり下を俯く。
「なら私を捨てれば良かったじゃない......」
「出來る事ならしているよ。だけど僕と君の命は繋がっているんだ。離れたくとも離れられない関係と言う訳だよ。」
「ねぇ........私はフレイのことをしているわ。貴方は私をしていないの?」
「族としてはしている。けれども、いつまでもフレイアの我儘を許せる程、僕は出來た兄でないって事だよ。無能は無能なりに僕の意向に従ってくれればいいんだ。」
摑んでいた手を離すとフレイアはその場へと崩れる様に倒れる。
「うぅ....酷いよ....フレイ......」
「ごめんね、テュポーン。君の前でみっともない姿を見せてしまったよ。」
目の前に聳え立つは怪の王テュポーン。その傍らにはエキドナが立つ。
「託はいい。」
ベトナムの山林、ファンシーパン山の最奧地の窟が崩壊を始める。そして遙か高き空を突き抜け、巨大な軀を外界へと広げる。
「【裁定者】を呼び寄せるのであろう。其方の策とやら、存分に行してみよ。」
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「あぁ、そうだね。其れとエキドナも獣達の解放準備もよろしくね。」
フレイアは訳が分からないと言った表でフレイやテュポーンが行おうとしている黙視する。
「我がラグナロク、世界を焼き払う剣_____________レーヴァテインッ!」
業火を撒き散らし緑かであったファンシーパン山が一気に炎へと包まれていく。そして豪炎が世界へと広がっていく。このまま行けばベトナムを中心として世界は炎で覆われるだろう。
『愚かな創作よ』
圧倒的な圧力、そして言霊が脳を震わせる。
「出て來てくれたね。フレイア、あれが裁定者だよ。」
神々しい覇気と同時に虛無をじる。アレは理に近しい質の化だ。理がが何もかもがぐしゃぐしゃに混ざる様な覚。神ですらも足元に及ばぬ神外領域の存在。
「天晴よな。奇跡や運などではない。仇敵を屠った力は、まさに本だ。」
デュポーンは畏怖をじ震えをじる。エキドナも同様に尋常ではない冷や汗を流していた。
「やぁ、君と話がしたくてこの様な行に出たんだ。先程のご無禮は許してはくれないかな。」
裁定者はフレイへと顔を向ける。
「どうやら話を聞くくらいはしてくれるらしいね。」
(裝置の様にが無いって訳じゃあないのか。)
裁定者はその場をかずじっとフレイを見つめる。
「本題にるけど、王冠戦爭から抜け出す方法はあるのかい?」
『否、戦い勝利せよ。敗者は世を去れ。』
「隨分と酷な事をさせるんだね。其れとも君は誰かに言われて行を起こしているのかい。」
『無駄な問答は終い。警告。次は無いと知れ。』
空気へと同化をしていく裁定者。しかしフレイは即座にき、鎖による拘束式を発させた。
「フェンリルを縛り付ける為にドワーフの智慧を集結させたものだ。テュールも馬鹿な男だよ。世話を焼いていた獣に腕を食い千切られるんだからね。まぁ、グレイプニルからは誰も抜け出せはしないよ。例え、超常のである君だとしてもね。」
鎖が裁定者へと絡みつく。しかし裁定者は一寸足りともじはしなかった。
『何の真似だ、創作よ。』
寒気がフレイを襲う。
「エキドナ、君の魔獣、ネメアの獅子を數貸してくれないかい。」
油斷はだ。徹底的に封じさせて貰う。
「..........テュポーン様。」
「構わぬ、與えよ。」
テュポーンからの許可を頂きネメアの獅子を數程、門から此方へと呼び寄せる。エキドナの固有能力である魔獣生の権能だ。しかしオリジナルのと比較すると多ではあるが、質は落ちる。しかし其れらは數により補えるばいいだけの話。
「如何なる武をもその皮を通さないと言われている。ギリシャ神話に置いて最強と名高いヘラクレスがした試練の一つ。此処で使わせて貰うよ。」
ネメアの獅子たちがスレイプニルにて拘束をされている裁定者の周りへと近づいていく。
『____』
ネメアの獅子らは小さいき聲を上げ裁定者から距離を取る。本能、恐怖をじたのだ。
「我らとてこの有様だ。獣如きでは荷が重すぎよう。」
テュポーンがの一部である巨大蛇の軍勢を使い、結界を裁定者へと施そうとするが、
『下らぬ。』
蛇は一重に消滅した。そしてテュポーンの本をも消し去ろうと蛇の先端からへと向け消滅が始まる。
「エキドナよ、我の腕を叩き切れ。」
「.........分かりました。ケルベロス、接合部を喰らいなさい。」
異界から三頭の頭を持つ巨大な番犬が姿を現す。そして即座に命じられたままにテュポーンの腕を鋭い牙で噛み千切り、消滅の危機を間逃れた。
「ねぇフレイ、裁定者をどうするつもりなの?」
フレイアはフレイに問う。
「簡単だよ。殺せるに越した事はないけど、出來ないならフェンリルの様に封じればいいんだ。」
フレイアは懸念する、確実に其れは失敗すると。
(フレイはスレイプニルによる拘束を確実なであると盲信している........だけどアレはヴァン神族やアース神族とは異なる質を持つ異界の超越者。私たちの常識は通じない。)
「ねぇ、フレイ。今ならまだ間に合うわ。あの拘束を解いて上げて。」
妹としてではなく神としての側面からの忠告。これ以上危険を犯せば確実に死が訪れる。
「フレイア、君の意見は聞けないとさっき言ったばかりだろう。どうしてボクを困らせる事を言うんだ。」
「違うのフレイ、これ以上すれば裁定者はっ.........?」サァ
フレイアはに違和をじた。
「フレイアッ!!」
フレイがぶが既に聲はフレイアには屆いていなかった。何故なら元には巨大な空が出來き、絶命していたからである。
「うぐっ、こんなところで........死ねないよ、勝ち進まなければ.........ボクはただ平穏な日々を.........」
フレイアが死んだ事でフレイのにも影響が出始めている。同時権限による枷だ。どちらかが死ねば片方も道連れの様に死ぬ。數分と経たずにフレイも死ぬ事になるだろう。
「テュポーン、拘束は失敗だよ。ごめんね、期待させちゃったかな..........だけど、僕も男だ。最後くらいは一矢報いるとするよ。君は其の間にエキドナと逃げればいい。ふふ、狙い目は永遠の人エルミアだよ。その事だけは忘れないで。」
正攻法で攻略するにはエルミアを殺せば言いと助言を殘すフレイ。目の前にはスレイプニルを取り込みネメアの獅子を殺戮した悪魔がいる。けれどもを抑えながら勝利の剣を掲げる。
「散々逃げ回って來たツケだ。一人きりの【神々の黃昏】を楽しむとするよ、ふふ。」
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