《ドラゴンガール!〜現代社會に竜娘!?〜》13鱗目:自分の、竜娘

「それではワシは帰るとする、今後とも…………日本の為、そして國民の為に頑張ってくれたまえ」

「……もちろんでございます。本日はありがとうございました」

その後は特にどこを詳しく見て回るでもなく施設を軽く回った田上は帰ると言い、2人は待機していた黒塗りの車の運転席へ乗りそのまま去っていった。

そしてその車が見えなくなるまで見送った俺は、すぐさまを翻し中央報室へと全速力で走り出す。

どういう事だ?何故中央報室に誰もいなかった。鈴香はどこに行ったんだ!?

そんな考えを何度も頭の中で繰り返しつつ、鈴香を隠すように指示しておいた中央報室へと俺は再び辿り著く。

そして急かすように俺はパスワードを手早く打ち込み認証を済ませると、扉が上下へゆっくりと開きだす。

その間扉が閉まらないようしっかりロックをかけつつも、いつもならなんとも思わないその時間を今の三浦はとてもまだるっこしくじていた。

そして最後の扉が開くとそこには……

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「良かったよぉぉぉ!鈴香ちゃんが無事で本當に良かったよぉーー!」

「んーんー!んぐっ!んぐぐぅぅぅ!」

大きい翼のあるの子をに埋め抱きついている天霧と、苦しそうにの中でもがいているその翼の主であるの子、鈴香がいた。

ーーーーーーーーーー

「た、助かったぁ………ありがとう三浦さん…首締められて痛かった……」

「ったく、人が急いで戻って來たら違う要因で鈴香が死にかけてるなんて思って無かったぞ…………それに天霧、ちゃんとる前にロックかけとけ、出られなくなるぞ」

「はい、三浦さん……それにごめんなさい鈴香ちゃん。でも鈴香ちゃんが無事だったのがすっごく嬉しくて……」

「うん…………お姉ちゃんに三浦さん、心配かけてごめんなさい……」

僕は三浦さんにお姉ちゃんのホールドから助けてもらったお禮を言いつつ、心底心配してたからであろう今も泣いている千紗お姉ちゃんと迷をかけた三浦さんに謝る。

「いや、謝るのはこっちだ。危うく鈴香が連れ去られる所だったのになんの対策も……それどころか窮地に追い込んでしまった。本當に申し訳ない」

「みっ、三浦さん?!頭を下げないでください!仕方がなかったんでしょうし!僕はほら、ちゃんとここに居るんですから!」

深々と頭を下げてきた三浦さんに僕はアワアワと手を振りつつ顔を上げるように言う、すると三浦さんは割とあっさり顔を上げてくれた。

そしてその上げられた顔には笑顔が浮かんでおり、それを見て僕もほっとして笑顔になる。

「ははは、俺らが守るなんて意気込んでたのになぁ…………そういや、どこに隠れてたんだ?どう見てもここには隠れる場所なんてないだろうに……」

あ、やっぱり気になるよね。

うーん、多分怒られたくなかったから言いたくなかったんだけど……

ーーーーーーーーーー

「おぉー!近未來っぽい!かっこいい!この黒いのにやっぱり報とかってるのかな?データベース的な?かっこいいなぁ……」

僕は天霧さんが去った後、暗い部屋であちこちキうろうろとしながらキョロキョロと部屋を見回していた。

そんな事をしているにふと天井の隅が気になりじっと見てみる。

しかしそこに何があるのかよく分からず、僕は尾で立ち上がり、天井近くまで良く見ようと立ち上がった尾でを押し上げてその隅に近づく。

おっとと……!えーっと…何かあるようで……ないような?あー……ここがしズレてて変に見えてただけー…………なのかな?

そんな風に僕がつんつんと天井の鉄板がズレていると思われる場所をつついていると、扉の方から小さく重い音が繰り返し聞こえてきた。

その連続して聞こえて來ている音には聞き覚えがあり……

もしかして誰かってくる?

それもなんか嫌なじというか…………

そうだ、ここに──────────

ーーーーーーーーーー

「───みたいなじで天井のズレてた所し引っ張って指突っ込んで、後は足とか翼とか尾を突っ張って天井にべったり張り付いてました」

どう隠れていたかを三浦さんに説明し終えた僕はあははと申し訳なく苦笑いしつつ、歪んでしまった鉄板がズレてた場所を指刺した。

それを見た2人はギョッとしたような顔になったが暫くして顔を見合わせて笑い出し、僕はそれを見て怒られなくて良かったとホッとするのだった。

その後僕は2人に部屋へと送られ、今日はゆっくり休むようにと指示を出された。

そして今は畳コーナーのヘリに座り、手に持っている僕の目と同じのヘアピンを見ていた。

このヘアピンはついさっきお姉ちゃんが守りと言って僕に渡してくれたで、若葉のカラーリングに四葉のクローバーが著いているというシンプルなだ。

守りかぁ…………大切にしなきゃね」

僕はふっと笑いを倒すと、畳コーナーで橫になる。

すると張が解けた後の安心からか、意識がぼーっとなっていくのをじる。

そしてその意識の中で僕は自分の事について考えていた。

…………あんまり深く考えてなかったけどあの馬鹿力といい翼と尾といい…………完全にもう人じゃ無いもんなぁ……………

それに、今日々あったからかどうかわかんないけど、翼も尾も強く意識しなくても思った通りにかせるようになってるし。

なんというか………普通に腕をかすみたいな?神経が繋がったっていうか、こういてるっていうのがわかるようにもなったじ?

そこまで考え僕はしだけ意識をし、だらんと垂らしていた尾をの前に持ってきてそれに抱きつく。

尾……すっごい長いなぁ…………なんなら僕の長よりも。

腹側は皮みたいでぷにぷにだけど背中側は甲殻みたいなじになってるのか…………甲殻はいなぁ………………あ、冷たい。夏とか涼しそう。

自分の尾に抱きつつそんなくだらない事を考えていると、ふと自分の腕が目にる。

寢巻き用の青い病院服からびている白くてぷにぷにとしたまだ見慣れないの子らしい細い腕には、手の甲から腕にかけて篭手のように鱗が生えている。

この手には昨日の朝から苦戦させられてるんだよねぇ…………ちょっと力を加えただけでお箸をポキッて折っちゃうくらいの力ってどんな力だよ本當に…………

それに鉄板の天井を引っ張って歪めれるなんて、今更ながらどれだけ馬鹿力なんだよ。

こんなぷにぷにしてる腕のどこにそんな筋力があるんだか………

それにしても細いなぁ…の子って皆こんな風に細いのかなぁ……普通のの子がどれくらいなのかわかんないけど。

でもお姉ちゃんは細かったなぁ……あと大きかった。

というか僕もせっかくの子になったんだからこんなほんのり気持ちちょっとだけ膨らんでるっていうのよりももうちょっと大きく…………

……ってそういや僕の子になってるんだよね。

翼とか尾がインパクト強すぎて隠れてたけど、それだけで充分とんでもないというかなんというか……………

の子の……………ねぇ………………

僕は病院服の襟をし持ち上げ、その中をじーっと暫く見つめた後、はっと正気に戻り首を勢いよくぶんぶんと橫に降る。

いやいやいやいや、自分のだぞ自分の!

例え自分のでもこれがまだメリハリのあるわがままボディならともかく、つるぺただぞ!

デコもボコもない本當にすとーんってじの!キュッキュッキュッてじの!

そんなのに興味持つんじゃないよ僕!

……………………でもまぁ…………うん……やっぱり男としてはね?の子のがどんな風なのかっていうのは…………そのー……ね?

興味があるというか気になるし……ね?

そうやって謎の言い訳をしながら無意識に左の翼をパタパタさせながら、右向きに寢そべっていた僕は葛藤してるに何だかどんどん眠くなってきて────

………………………………ふぁっ……あ、一瞬寢てた……あー……これ………………ダメなやつ……………

時期的には小春日和のお晝過ぎ、畳の上で尾に抱きつきながら貓のように丸まって僕は寢てしまった。

幸せそうに顔を緩ませ小さくスースーと寢息をたてながら。

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