《ドラゴンガール!〜現代社會に竜娘!?〜》21鱗目:生え変わり?!竜娘!

ある日の夕方、いよいよ表に出るということで僕は花桜さんに今日も今日とてみっちりの所作とやらを叩き込まれ、部屋に戻ったと共にベッドに飛び込む。

だいたい花桜さんも珍しく頼られたからってやり過ぎなんだよぉ!僕の気もしらないで!

でもせっかくその気になってるんだから文句言いずらいしぃ…………あぁもう、本當に疲れた…………

「本當に寢ちゃう前にお風呂はいってこよ」

ぴょこんとベッドから降りた僕は、そう言うとお風呂場へと向かう。

とはいえ疲れきって居ることもあり、シャワーだけで簡単にお風呂を済ませ、お気にりのもふもふねこパジャマに著替える。

そして寢てる時に翼が開かないよう、白を基調としたちょっと可いデザインの拘束を翼に付ける。

最後にモゾモゾとベッドに潛り込んで自分の尾に抱きつくと、僕はそのまま眠りに落ちていった。

そして翌朝、いつも通り目を覚ました僕は眠い目で拘束を外すとグググッと翼を広げてびをする。

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何となくいつもより凄く軽い頭に違和を覚えつつ、洗面臺でパチャパチャと自分の小さく細い手で顔を洗って顔を上げる。

その洗面臺の鏡に映っていた僕はいつも通り、可らしい顔つきでその頭には特徴的な2本の水晶みたいな角が──────────

「…………あれ……ない?つの…?………そっかぁ……角なくなったかぁ……そっかそっかぁー…はっはっはっ………は?え?………ない?え………つのが……………角がないぃぃ?!」

無くなっていたのだった。

「鈴ちゃんどうしたの!?」

「お姉ちゃん角っ!角が!なくなっ!なくっ!」

僕のび聲を聞いたからか、慌てた様子で千紗お姉ちゃんがドアを開けて洗面所にってくる。

そして角がなくなった事でパニックになっていた僕は千紗お姉ちゃんの服を摑み、前や後ろに引っ張って揺らしながら何があったかを涙目で必死に伝える。

「あ、ほんとだ角がない…………え?角がない?…………角がない?!」

「どうしようお姉ちゃん…………角が……角がぁ………うぅぅぅぅ……………うぁぁぁぁぁぁぁあ!ぐずっ……つのがぁぁぁあ!あぁぁぁぁぁぁああん!」

「すっ、鈴ちゃん落ち著いて!えっと、その、よしよーし、怖くない怖くない、大丈夫、大丈夫よー!」

昨日まであったものが無くなったという不安に駆られ、とうとう座り込んで泣き出してしまった僕に千紗お姉ちゃんは抱きついてなんとか泣き止ませようとするが……

「つのっ…………ひぐっ………角がぁ……うあぁぁぁぁああぁぁぁ……なぐなっだあぁぁぁぁ…………ぐすっ…あぁぁぁぁぁあ……」

1度泣き出してしまったことで歯止めが効かなくなったのか、僕は涙を止めて落ち著く事が出來なかった。

そしてに振り回されているという事は尾や翼を自分の意思でコントロール出來なくなるという事で、僕の尾は部屋を揺らす程の威力で床に叩き付けられていた。

「大丈夫、大丈夫だから……このままじゃ流石に………鈴ちゃんお願いだから落ち著いてっ!……ダメか、仕方ない…ごめんね鈴ちゃん!」

「あっ…………ちさおねぇ………ちゃ……ん…………な……に…………」

「大丈夫……大丈夫だからね鈴───」

千紗お姉ちゃんがポケットから取り出したものは前に1度見せてもらったことのあるで、象が2日は寢続けてしまうという麻酔薬だった。

そしてそれが僕の手首に突き立てられると僕の意識はとてつもない睡魔に襲われ、すっと暗闇の中へと落ちていった。

ーーーーーーーーーー

「……………………んみゅ……んんっ……」

「お、目が覚めたか鈴香」

「…………うん……」

…………ねむっ……………………

今にも眠ってしまいそうな程の眠気をじつつ、僕はベッドからを起こして手の甲で目をる。

「ははは、まだ眠そうだな。というか脈にあの麻酔薬打ち込まれて30分で起きるのも相當だな……ととっすまん鈴香、もう一眠りするのは話を聞いた後にしてくれ。お前の角の事で話がある」

「…うん……つの………つの……?角!そう角!三浦先生どうしよう角なくなっちゃった!僕病気になっちゃったの?!死んじゃうの?!」

角が無くなった事を思い出して眠気で靄のかかっていた頭が一瞬で覚醒した僕は、今にも泣きそうな聲でびながら三浦先生へ摑みかかっていた。

「まて!落ち著け!飛躍し過ぎだし角が抜けたのはただ生え変わってるだけだ!」

「嫌だよ僕まだ死にたく…………生え変わり?」

「やっと落ち著いたか、そうだ生え変わりだ。ほら、とりあえず角が生えてた所ってみろ」

生え変わりと聞いて間抜けな聲で聞き返した僕が恐る恐る角が生えていたところに手を當てると、そこにはとても小さいが昨日まで頭にあったと同じ質があった。

ある……!角ある……!また生えてきたんだ!良かったぁぁ…………!というか、元々角なんて無かったのに抜けてすっごい焦るなんて、思い出すと稽だなぁ……

「な?あっただろ?んでこれが鈴香のベッドから回収してきた角なんだが─────────」

角をりながらパァっと顔を明るくしていた僕は、三浦先生が取り出した2つの長さ5cm程の元が深い青の水晶を見ると、一瞬で尾をばしてそれを奪い取る。

「ちょっ……鈴香それ────」

「ぼ…僕の……僕の角だもん……!」

「そっそうだな……あぁ、確かにそうだ…………いや、でもほら…それも研究させてほしいなぁーって……」

「三浦先生の変態……!」

「なぜ?!というかその軽蔑するような目で見てくるのやめてくれ!それになんか前にも同じことあった気がするぞ!」

「しーりーまーせーんー!それにぜっっっったい渡しませんー!」

「そこを!そこをなんとか!頼む鈴香!」

「いーやーでーすー!」

最早土下座までしてくる三浦先生にべーっと舌を出したり顔を背けたりしながら、渡す渡さないと言い合っていた結果、やはり僕の方が折れてしまい結局角は1本だけだが渡すことになった。

その後、ストレスの線もあるかもしれないと、レッスンをもうし程々にするように三浦先生が花桜さんへ言ってくれたそうだ。

でもまぁ……角が生えてきてて本當に良かったよ……

部屋に戻った僕は角を抱き抱えながらほっと安堵の顔を浮かべ橫になり、自分の角を眺めているうちにまた眠りへと落ちていったのだった。

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