《ドラゴンガール!〜現代社會に竜娘!?〜》117鱗目:再會、龍娘
「そう……そんな事が」
「はい……連絡出來なくてごめんなさい」
「蒼くん……じゃなくて今は鈴香ちゃんだったわね。いいのいいの、鈴香ちゃんが元気で居てくれればそれで」
「おばさん……」
「にしてもそんな不思議な事がねぇ……世の中何があるか本當に分からないわね」
「ですねー」
ふふふと和やかに笑いながらそう言うおばさんに、僕も笑顔でふりふりとゆったり尾を揺らしながらオススメと言って出されたカフェオレを一口飲む。
「にぎゃいー……」
カフェオレなら行けるかもって思ったけどやっぱり苦いの苦手だぁー……
「ふふふっ、苦いものを食べた時のその反応、やっぱり蒼くんだ」
「それの確認の為にわざわざカフェオレ頼んだんですかおばさん」
「仕方ないじゃない。直で分かっても確証なんて見るまで分からないんだもの」
「まぁそうですけど……」
カチャリとカップを置き、まるで計ったようなタイミングで店員さんに差し出されたココアに口を付けつつ、し不貞腐れたように僕はそう言うのだった。
Advertisement
「でも本當によかったわ。蒼くんが無事で、しかもこんなに可くなって」
「んもぅ……今の僕は鈴香ですよおばさん」
「ふふっ、そうだったわね鈴香ちゃん」
こう、元の僕を知ってる人にちゃん呼びされるのはなんか恥ずかしいなぁ……っとと、今はそうじゃない。
「でも本當驚きましたよ。まさかおばさんがこんな所に居るなんて」
「私もびっくりよ。姉の店がある商店街に來たら鈴香ちゃんが居たんだもの」
そう、商店街の道の真ん中、突然「前の名前」を呼ばれ僕が振り返って見た人は、以前僕が住んでいた商店街を仕切る屋のおばさんだったのだ。
その後ここではなんだからと言われし路地裏にった所にあるカフェに連れ込まれ、僕はおばさんに今まであった事を教え、今に至る。
「でも凄いわねぇ、その尾と翼。まるで本……じゃなくて本なのよね」
まぁ信じられないよね。こういう時はとりあえずらせてみるに限る。
「本ですよー。って見ます?」
「あら、いいの?」
「はい!あ、でも尾のお腹と先っぽはダメですよ?変なじがするので……」
「変なじ?えいっ」
「ひゃあっ!?お、おばさん!」
先っぽはるなって言ったのに!
「ごめんなさいごめんなさい。もう先っぽとお腹の方はらないから許して?」
「んもぅ……今回だけですからね」
「ありがとう鈴香ちゃん。反応的に先っぽは脇腹とかおをられるじなのかしら……」
「〜♪」
甲殻でられるのはやっぱり気持ちいいなぁ〜♪
「ねぇ鈴香ちゃん、今度よかったら一緒にお買いにでも行かない?」
「あ、いいですね!僕も行きたいです!」
「決まりね。それじゃあ連絡先だけどー……」
「あ、大丈夫ですよおばさん。僕ケータイ持ってるんで」
「あの蒼く……あ、いや。鈴香ちゃんが攜帯を……何だか慨深いわねぇ」
「なんでですか!ったくもー、とりあえず連絡先換しますよ」
「はいはい」
し頬を膨らましながらそう言った僕は、攜帯を見せあって連絡先を換している最中におばさんの顔がしるのを見てどうしたのか聞いてみる。
「おばさん?どうかしました?」
「え?あ、あぁ。顔に出てたのね。ごめんなさい」
「いえいえ、それでどうかしたんですか?」
「ちょっと……ね。いや、今だからこそ言うべきね」
「?」
「ねぇ鈴香ちゃん」
「は、はい」
「戻って……こない?」
戻ってこない?それって……
「あの商店街に……ですか?」
「えぇ。勿論、鈴香ちゃんには今の暮らしがあるのは分かってる。だから無理強いは絶対しないわ。でも皆貴の事を心配してるし、やっぱり貴が居ないと寂しいの」
「……」
「だからお願い……ね?」
確かに、僕の源である場所はあの商店街だ。
商店街の人は毎日忙しくしてたが、それでも優しくしてくれた家族同然の存在だし、僕だって戻りたい。
でも────
「ごめんなさいおばさん。僕は戻れません」
「そう……」
「僕にはこの一年で大切な家族が出來ました。優しくしてくれるお姉ちゃんに、お父さんみたいな人、一緒に暮らす兄弟みたいな仲間、みんなみんな、僕の寶なんです」
「……」
「だから、ごめんなさい」
「いえ、いいのよ。最初から分かってた事だしね」
「おばさん……あ、でも!これからはちょくちょく商店街に顔だそうと思います!その、おばさんと會って何だか吹っ切れたので!」
「ふふふっ!楽しみにしてるわね。っと、そろそろ時間ね」
「あ、もう帰るんですか?」
「えぇ、もうバスが來る時間なの」
「それじゃあここでお開きですね」
し寂しいけど……でも今度遊びに行くから大丈夫!
「そうね。それじゃあ楽しみに待ってるから」
「はい!」
「あ、そうそう。風の噂だけど」
「?」
「貴の本當の家族、葉月さん達が日本に戻ってくるって聞いたわ」
「えっ!?」
あ、あの三人が!?どうして!?
「貴と會うことは無いと思うけど、一応気をつけてね」
「は、はい。気をつけます!」
そうし不穏な報を殘し、おばさんは僕の返事を聞いて満足そうに頷くと、お代を払ってお店を後にしたのだった。
どうも皆様お久しぶりです!
こたつです!
本日も「ドラゴンガール」を読んで頂き誠にありがとうございます!
実はなんとこの度、ノベルアップ+の第2回ノベプラ大賞の1次選考をこの「ドラゴンガール」が突破致しました!
正直、全然PVもびないわブクマもつかないわでサイトに合わないのかなぁなんて諦めて投稿もやめてましたが、まさかまさかの展開に超絶びっくりしております
( ˙꒳˙ )
さて、いよいよ本編も一年が過ぎました。
これからは一年間様子見をしていた様々な組織がき出したり出さなかったり?
なんにせよこれからもどうか「ドラゴンガール」をよろしくお願い致します!
それではまた次回、お會いしましょう!
- 連載中120 章
【書籍化】左遷された無能王子は実力を隠したい~二度転生した最強賢者、今世では楽したいので手を抜いてたら、王家を追放された。今更帰ってこいと言われても遅い、領民に実力がバレて、実家に帰してくれないから…
※書籍化が決まりました! 電撃の新文蕓様から、2022年1月発売! 主人公のノアは、転生者。 前々世では剣聖、前世では賢者として活躍していたのだ。 だがずっと働きづめにされており、もう英雄なんてうんざり! ある日ノアが死んで目覚めると、今度は王子として生まれ変わっていた。 高い魔法の才能と、剣聖の剣術の実力を秘めていたが、また忙しい日々を送りたくなかったので、ノアは全身全霊をかけて無能のフリをした。 そして、15歳の誕生日。 スキル鑑定によって無能であることが判明(実は隠蔽スキルで隠していただけ)。 晴れて追放されたノア。 父より溫情として與えられたのは辺境の領地。 そこで第二の人生を楽して過ごしてやる!と意気込むノアだったが、彼は知らない。 実はその領地は、人が住めないとされる魔の森のなかにあったことを。 そしてこのこが前世、前々世と比べて未來の世界で、人間達のレベルが下がっていたことを。 ノアが森でモンスターに襲われていた女の子を助けたことをきっかけに、彼の有能さがバレてしまう。 「ドラゴンを一撃で倒すなんて、さすがノア様!」 「どうしてこうなったぁああああああ!」 一方で、王家もまたノアの有能さに気付いて、彼を取り戻そうとやってくる。 「來るのが遅えんだよぉおおおおおお!」 そのときにはすでに、ノアは魔の森の領主として、領民からあがめ立てられていたのだから。
8 180 - 連載中167 章
「魔物になったので、ダンジョンコア食ってみた!」 ~騙されて、殺されたらゾンビになりましたが、進化しまくって無雙しようと思います~【書籍化&コミカライズ】
ソロでCランク冒険者のアウンはその日、運よく発見したダンジョンで魔剣を獲得する。しかし、その夜に王都から來たAランク冒険者パーティーに瀕死の重傷を負わされ魔剣を奪われてしまった。 そのまま人生が終わるかと思われたアウンだったが、なぜかゾンビ(魔物)となり新しいスキルを獲得していた。 「誰よりも強くなって、好きに生きてやる!」 最底辺の魔物から強くなるために進化を繰り返し、ダンジョンを形成するための核である『ダンジョンコア』を食い、最強を目指して更なる進化を繰り返す。 我慢や自重は全くせず無雙するちょっと口の悪い主人公アウンが、不思議な縁で集まってきた信頼できる仲間たちと共に進化を繰り返し、ダンジョンを魔改築しながら最高、最強のクランを作ることを目指し成り上がっていきます。 ※誤字報告ありがとうございます! ※応援、暖かい感想やレビューありがとうございます! 【ランキング】 ●ハイファンタジー:日間1位、週間1位、月間1位達成 ●総合:日間2位、週間5位、月間3位達成 【書籍化&コミカライズ】 企畫進行中!
8 121 - 連載中109 章
【書籍化】『ライフで受けてライフで毆る』これぞ私の必勝法
「Infinite Creation」 株式會社トライアングルが手掛ける、最新のVRMMOである。 無限の創造性という謡い文句に違わず、プレイヤーたちを待ち受けるのはもう一つの世界。 この自由度の高いオープンワールドで、主人公「桐谷深雪(PNユキ)」は、ある突飛な遊び方を思いついた。 『すべてライフで受けちゃえば、ゲーム上手くなくてもなんとかなるんじゃない?』 配信者デビューしたユキが、賑やかなコメント欄と共にマイペースにゲームを楽しんでいくほんわかストーリー。今ここに始まる。 何をどう間違ったのか。ただいま聖女として歩く災害爆進中!! 20220312 いつのまにか、いいねとやらが実裝されていたので開放してみました。 (2020/07/15 ジャンル別 日間/週間 一位 総合評価10000 本當にありがとうございます) (2020/08/03 総合評価20000 大感謝です) (2020/09/10 総合評価30000 感謝の極みっ) (2022/03/24 皆様のお陰で、書籍化が決まりました) (2022/03/29 総合40000屆きましたっ)
8 73 - 連載中38 章
最弱になりすました最強
伝説の暗殺者として名を知られている天生神扇(あもうかおうぎ)は些細な出來事からとある學園に編入した。しかし魔力はあるのに使えないという學園で類を見ない出來損ないだった。
8 101 - 連載中27 章
不老不死とは私のことです
うっかり拾い食いした金のリンゴのせいで不老不死になってしまった少女、羽鳥雀(15歳)。 首の骨を折っても死なず、100年経っても多分老いない彼女が目指すは、不労所得を得て毎日ぐーたら過ごすこと。 そんな彼女は、ラスボス級邪龍さんに付きまとわれながらも、文字通り死ぬ気で、健気に毎日を生きていきます。 ※明るく楽しく不謹慎なホラー要素と、微妙な戀愛要素を盛り込む事を目指してます。 ※主人公とその他アクの強い登場人物の交遊録的なものなので、世界救ったりみたいな壯大なテーマはありません。軽い気持ちで読んでください。 ※魔法のiらんど様に掲載中のものを加筆修正しています。
8 64 - 連載中21 章
男子高校生5人が本気で彼女を作ろうと努力してみる!
殘念系イケメン、アフロ筋肉、メガネ(金持ち)、男の娘、片想いボーイ(俺)の5人を中心に巻き起こるスクールギャグエロラブコメディ。 可愛い女の子も登場します! 実際、何でもアリの作品です。
8 162