《旋風のルスト 〜逆境の傭兵ライフと、無頼英傑たちの西方國境戦記〜》戦闘 ―殲滅作戦―
それぞれが配置につく。
右手側にゴアズとダルム、左手側にカークとパック、離れた位置の高所にバロンさんが、私はそれぞれの中間地點にて待機している。
敵兵の様子を伺えば、こちらに気づいてる様子は今のところない。狀況としては申し分ない。
し離れた位置に高さのある大きな巖がある。そこでバロンさんが狙撃の準備をしている。ひどく長くてじる時間を待てば、プロアさんが足音を潛ませて駆け寄ってくる。
無音歩行――、隠行する際の特殊技能の一つ。なるべく足音を立てずに素早く速やかに移する。これができるということは、やはり彼は斥候や暗殺において優れた技を持つ人なのだろう。
プロアさんが私に告げる。
「配置完了、いつでも行けるぜ」
「了解」
そして私は手にしていた〝戦杖〟をハンマー部分を下にして握りの部分を掲げて構えた。
「駆 大地響」
それはを発させるためのトリガーとなる聖句、ミスリル素材が使われた武がとなり、者の頭と認識の中にの作手順が存在し、聖句を詠唱することでが発する。
Advertisement
私は敵に悟られないように、の発ポイントを3ヶ所に制限した。こちらの部隊員を分散配置しているポイントだ。右手側、左手側、背後し斜め上、そこに私の仲間たちが控えている。その場所のみを意識して地面を震わせる。
――ズンッ――
微弱な地震でもあったような振をたてる。トルネデアス兵は気づいた素振りもない。そして、皆が一斉に襲いかかった。
――ヒュッ――
風を切って一本の矢が飛んでいく。狙撃兵であるバロンさんが放ったものだ。敵がそれに気づく前に、敵部隊の一人を討ち果たす。頭に巻いたターバンの額にある徽章(きしょう)のがひとり異なるのでおそらくそれが隊長のはず。
そして、私から見て左側、カークさんがその籠手型の武を用いて雷撃を発する。右拳を振り上げ、それを地面へと突き立てれば、地表を複數の雷がほとばしり敵兵へと襲いかかる。そして、數人をまとめて吹き飛ばした。
彼の武は雷系で雷撃や稲を自在にることが可能だ。
さらに反対に、右側では、ゴアズさんがその両手に構えた2本の大型牙剣をの前方で軽く打ち鳴らした。それはまるで拍子木(ひょうしぎ)か音叉(おんさ)でも打ち鳴らすかのようで、ここからでもその心地よい殘響がかすかに聞こえる。おそらくは効果範囲を限定してを発させているのだろう。彼が狙った方角のトルネデアス兵が糸が切れたように倒れていった。
その武は歌系と呼ばれるもので、極めて希な音による攻撃を可能にするものだ。
これで10人中1人が死亡7人が行不能になった。あとは一斉に仕留めるのみだ。
「突撃(ストゥルーミ!)」
カークさんの雷撃と、ゴアズさんの音撃で、敵は立っているのがやっとの狀態だ。その殘り9人に対して、3方向から襲いかかる。
攻撃の口火を切ったのは武家のパックさんだ。
素早く駆け寄り懐に飛び込むと右脇下から繰り出した掌底で骨を強打する。敵兵は口からを吐いて絶命した。
次いでダルムさん。見かけに似合わず巨大な戦鎚を武とする彼は、戦鎚を肩に擔いで飛び出すと近接して戦鎚を振るいを強打する。骨が砕ける音が響いてその場に崩れ落ちた。
さらにカークさんが両拳の拳打の連撃で2人を屠り、ゴアズさんが3人を一気に斬り伏せる。
ここで殘りは2人。
プロアさんが蹴り技で敵1人の頸部をへし折り、殘る1人は私が始末する。
敵兵が腰に下げたサーベルを抜き放ち上段に構えるのを見據える。
それを前にして一気に踏み込みつつ、振り下ろされたサーベルを、右手に保持していた戦杖を掲げてけ止めつつ、左足で足払いをかける。そして、バランスを崩した敵兵を左手で突き飛ばして仰向けに倒しつつ、振り上げた戦杖でその顔面を叩き割る。
これで最期の1人が絶命。
周囲を見回せば、討ちらしは無い。敵兵10名を完全に仕留めた。
「現狀確認し報告を」
その問いかけにカークさんが答えた。
「敵、全數撃破完了」
報告をけて自分自らの目で最終確認をする。息をしている敵兵はおらず確かに全てを討ち取っている。
「確認、了解しました」
そして私は改めて指示した。
「敵、所持品等を確かめてください。フェンデリオル領の調査資料などがあれば回収し、軍本部に提出します」
「了解」
敵がなにか目的を持ってこの地にたどり著いたのであれば、その目的を証明する〝何か〟を持っているはずだ。これもまた戦爭の最前線の現実だ。死者の亡骸を探りながらも、私たちの気持ちは奇妙に落ち著いていたのだった。
お願い:☆☆☆☆☆を★★★★★にして、ルストたちの戦いを応援してください!
- 連載中15 章
【電子書籍化決定】生まれ変わった女騎士は、せっかくなので前世の國に滯在してみた~縁のある人たちとの再會を懐かしんでいたら、最後に元ご主人様に捕まりました
セリーヌは主である第三王子殿下を守るために魔物と戦い、同僚たちと共に命を落とす。 他國でスーザンとして生まれ変わった彼女は、十八年後、任務で前世の國を訪れる機會を得る。 健在だった兄や成長した元同僚の息子との再會を懐かしんでいたスーザンは、その後が気になっていた主と、自分の正體を隠して対面することになるが… 生まれ変わった女騎士が休暇を利用して前世の國に滯在し、家族や知人のその後の様子をこっそり窺っていたら、成長し大人の男性になっていた元ご主人様にいつの間にか捕獲されていたという話。 プロローグのみシリアスです。戀愛パートは後半に。 ※感想・誤字報告、ありがとうございます! ※3/7番外編を追加しました。 ※電子書籍化が決まりました。皆様の応援のおかげです。ありがとうございました。
8 54 - 連載中14 章
りんご
とある先輩と後輩と林檎の話
8 85 - 連載中14 章
デスゲーム
普通に學校生活を送り、同じ日々を繰り返していた桐宮裕介。 いつもの日常が始まると思っていた。実際、學校に來るまではいつもの日常だった。急に飛ばされた空間で行われるゲームは、いつも死と隣り合わせのゲームばかり。 他の學校からも集められた120人と共に生き殘ることはできるのか!?
8 182 - 連載中165 章
グンマー2100~群像の精器(マギウス)
2100年のグンマーは、半知成體ビーストとの戦いの最前線。 群馬で最高の権力と知能、精神力を持つ少年少女達の生徒會。 名は、群馬最高司令部、通稱GHQ(Gunma・Head・Quarters)。 此れは、グンマー人によるグンマー物語であるかもしれない。 ★は挿絵等有り 人類の敵、ビースト。 OTONA(國連)や首都圏首席との政治的対立。 首都圏、栃木・茨城・千葉連合との武力衝突。 色んな事が起こる予定。 アルファポリス様にも投稿
8 77 - 連載中21 章
創造の力で異世界無雙~言霊使いの異世界冒険譚
目を開けてみるとそこには見知らぬ場所が。そこで創造神やら何やらに世界を調整して欲しいと言われた。そして何かを戴けるそうなので俺は━━━━━━━━ 神様達からの加護で『創造』やら何やらの力(チート)を貰った俺は異世界を堪能しながら調整とやらを行っていった。現実世界でも最強の幸は異世界でも最強のようです。 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━処女作です。可愛がってください。 誤字脫字等あったら教えてください。逐次更新していきます。 週に1、2回にします。ちょっとキツくなりましたので。 もし、面白いと思ってくれたなら、高評価お願いします!
8 88 - 連載中21 章
男子高校生5人が本気で彼女を作ろうと努力してみる!
殘念系イケメン、アフロ筋肉、メガネ(金持ち)、男の娘、片想いボーイ(俺)の5人を中心に巻き起こるスクールギャグエロラブコメディ。 可愛い女の子も登場します! 実際、何でもアリの作品です。
8 162