《三分間で世界を救え!「えっ!ヒーローライセンスD級の僕がですか!」 就職したくないからヒーローになった男は世界で唯一のタイムリープ持ち。負け知らずと言われた、世界一のヒーローは世界で一番負け続けていた》事務所襲撃

「新屋、お前書類終わったら、コーヒーれて」

眉間にシワを寄せながら訴える。

「大鐘さんまた寢てないんですか?」

「あぁ、ちょっと忙しくてな」

「忙しいってモジャモジャ、アンタのは自業自得でしょ」

大鐘響、男は忙しい日々を送っていた。

ヒーロー事務所「BBB」の代表を務めつつ、朝まで眠れない戦いが続いていた。

推しのバーチャルアイドルが、ゲームクリアまで耐久配信をしている為だった

そして、今も事務所には來ているが、配信から目が離せない狀況が続いていた。

「大鐘さん、俺の推しも今度ライブやるんで、休みしいんですけど?」

コーヒーをれる為に、席を立って近くに置いてある「全自コーヒーメーカー」

稅込み、4萬2千円

「休み?おいおい、社會人が簡単に仕事休めると思っているの?1か月前に言わないと無理だよ、常識だろ?」

すぐ近くに置いてあるリクライニングチェアに腰を掛け、赤波新屋に社會常識を教える。

リクライニングチェア稅込み、7萬8千9百円

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「職場で仕事もしないで、配信見てるアンタが言うなよ」

コーヒーを渡して、自分の席に戻った。本部から送られて來たメールに目を通す。

パソコン大手「オレンジ」の最新モデル稅込み、29萬9千円

「なにを言ってるのかね、これも立派な推し事だろ?」

「って待ちなさいよ!アンタ達二人の會話に、ちょくちょく出て來るこの金額なによ!」

「え?先日春木さんが強盜を捕まえた時に出た「報酬」ですよ?」

當たり前のように平然と答える赤波新屋

「いや~久しぶりに纏まったお金がったから発しちゃったよ」

笑顔で嬉しそうな大鐘響

部屋の空気が変わった。明らかに変わった。決して良くない方向に変わった。

後に赤波新屋の「負けないヒーロー」という自伝の中で「あの時は死を覚悟しました。人を怒らせたらダメって誰も教えてくれないんだもん」

「誰が勝手に使っていいって言った」

般若もビックリな表を見せる春木奈々

「春ちゃん落ち著こう!ここは事務所だ、皆の憩いの場所だよ」

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椅子の上で必死に休戦を申し込む

「その呼び方は止めろって言ってるでしょ」

両の手の平に小さな竜巻を作り、ゆっくりと歩んでくる。

「春木さん、それはマズいって」

そう言いながらも、扉の方に徐々に逃げていた。

「ドンドンドン」

赤波新屋の背後の扉を強く誰かが叩いている。

「うわぁ」

思わず聲がれた。

「新屋、アンタはなに逃げようとしてんのよ」

般若がターゲットを変えて向かって來る。

天國へのカウントダウン。なんて言うお灑落な言い回しが頭の中を高速で過り、辺りを見渡して、危機的狀況を打開できる「何か」を求めた。

「ドンドンドン」

後ろからは更に強く叩かれる。

「うっ」

「ドンドンドン」

更に強く叩いて來る

「うっせいよ!こっちは命に関わる狀況なんだよ、空気読め馬鹿が!」

後ろに向かって言ったつもりだった。

「新屋~アンタ私に向かって馬鹿ってよく言えたね?」

黒く染まった瞳は深淵を覗いて來たかのように、全てを理解した。そう言いたげだ。

「春木さん?違うよね、君はそんな勘違いをするタイプじゃ無いよね」

手を前に出して、近づいて來る事を拒もうとするが・・・・

「ドンドンドン」

「だからうっせいって言ってんだろ」

扉を開けて文句を言おうと、を反転させドアノブに手を掛けようとした瞬間、扉が凍らされた。

一瞬の出來事だった。

後ろにジャンプをしていた赤波新屋。それが良かったのか、事務所の中が氷で覆われてしまったが、無事だった。

春木奈々と大鐘響は床と接地していた事で、全が凍らされてしまった。

「赤波新屋ってお前のことか、テレビで見たぜ?凄い活躍だったな」

凍ってしまった扉が高い音を立てながら開いた。

背丈が赤波新屋と変わらない男がって來た。

「誰だ、お前」

白い息を吐きながら問う。

「俺のことなんてどうでも良いだろ」

戦う気なのか、構えを取る男

この瞬間、赤波新屋の個が発した。

構えを取り男が何かを投げて來た。それは氷で出來た投げナイフの様なものだった。

連続で投げられ、距離をめることができない。

だが、躊躇をしている余裕も無い為、無理やり突っ込んで行った。

そのきは見かされていた。

安易に突っ込んだ所を、いとも簡単に攻撃された。

そして、赤波新屋が倒れ込んでいると頭の中で聲がした。

——完全(パーフェクト)勝利(クリア)——失敗。

「だからうっせいって言ってんだろ」

驚いた。訳では無い。

赤波新屋の個「タイムリープ」言葉だけでは羨ましいこの上ないが、事本人からすると迷な個であった。

を発するには限定條件が存在する。

例えるなら、個中は聲を出せない等である。

だが、赤波新屋の條件はユニークだが、運が悪い事に気が付いてしまった。

・個は「自(オート)」

・個解除條件「完全勝利」」

解除容、三分以に敵を傷1つ負わずに倒す、殘り時間を殘して負傷した場合でも、三分終了まで戦闘は継続される

・未達時は戦闘十秒前に戻される

・條件クリアの「敵を倒す」は赤波新屋が最後の攻撃を加えれば「完全勝利」となる

神の悪戯が存在するならば、この男は見事に選ばれた「世界一不幸」な男。

神が福笑いでもしていたのか?そう言いたくなる程のトリプル役満ぷりだからだ。

「大鐘さん!今から敵が來る、これは2回目だ」

赤波新屋、春木奈々ともに急いで大鐘の背後にを隠した。

その瞬間、扉が凍らされた。大鐘は手に持っていたメガホンで大聲を出した。

音圧によって、凍らされた扉が壊れた。

背後で音に耐えていた二人だが、余りにも大き過ぎる音量に加え、背後とはいえ近くでけた音圧のダメージが大きく意識を失った。

ポツン、ポツンとが赤波新屋の頬に垂れて來た。生ぬるいに目を覚めさせられ、思い出した。自分達が襲撃をけていた事を、そして目にって來た。

「——大鐘さん?」

氷の槍に貫かれ息絶えている姿、が自分の頬に垂れて來ていた。

「ああああああ」

普段、個を発させないようにする為に平常心でいる事を心掛けていたが、トリガーが外された。怒りが込み上げる。

——完全勝利——失敗

「あああああ」

「うわぁ!急にばないでよ」

戻って來ていた、目にる2人を見て安心に浸る余裕はなかった。

「大鐘さん3回目」

その言葉を聞いた大鐘がメガホンで個を使おうとした。

「それじゃダメです。それでさっき大鐘さんは死にました」

「えっ!僕死んでんの!」

「えぇ、奈々!」

「ちょっと急に呼び捨てしないでよ」

「ごめん、でも今は俺と大鐘さんを空中に浮かして」

春木奈々の個で三人とも風の力で浮いて待った。

そして、その時が來た。

一瞬で室は凍り、寒さがに突き刺す様な痛みで襲って來る。

なんの反応もない事に、敵は油斷したのか、自ら扉を開けて來た。

「なんだ?ここはヒーロー事務所じゃないのか?」

男がゆっくりとって來た。

「君は!」

大鐘は驚いた様子だった。寒さで汗は出ないが、その様子からただ事ではない

何かを知っている様な口調の大鐘に赤波が問う。

「誰ですか」

「冬堂凍(とうどうれい)都(と)。A級ヒーローで最強の氷雪使いだ」

遅くなりました!

    人が読んでいる<三分間で世界を救え!「えっ!ヒーローライセンスD級の僕がですか!」 就職したくないからヒーローになった男は世界で唯一のタイムリープ持ち。負け知らずと言われた、世界一のヒーローは世界で一番負け続けていた>
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