《三分間で世界を救え!「えっ!ヒーローライセンスD級の僕がですか!」 就職したくないからヒーローになった男は世界で唯一のタイムリープ持ち。負け知らずと言われた、世界一のヒーローは世界で一番負け続けていた》蝶迷宮

「新屋!そっち行ったよ!」

「おう!」

赤波と春木はあるを追い掛けていた。

「この先に回り込むから、挾み撃ちにするぞ!」

春木は追い掛けていたソレを捕まえた。

「待ちなさいよ!田中さんがアナタを待っているんだから、大人しくしなさいよ!」

犬のペット。それが今回の仕事の依頼だった。

依頼報酬は春木がターゲット捕まえた事である程度貰える。

フッと肩の力を抜いて、落ち著いた犬をでる。

「新屋何やっているのよ?先回りで私の方が先に捕まえるって、もしかして休憩しているの?」

サボっている。そう思った春木は犬を抱き抱え、赤波が來るはずの道を進む。

角を曲がれば自分と別れた道に出る、そうなれば休憩をしている赤波が居るはず。

「新屋、アンタ仕事サボってないで働きなさいよ」

疲れた表の赤波が膝をついて座っている。

「新屋?」

「ここは?あれ?さっきまで追いかけていた住宅街じゃない?」

赤波は見慣れない風景の街並みに驚いた。自分が何故?

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「おーい!春木どこ行った!出て來い~」

ここはどこだ?歩いていると、開けた空き地が目に留まった。

そこには蝶が飛んでいる。

不思議と足が進む、自分の意思とは関係なく、引き寄せられる。

朧気になる。だが、報だけは確実に脳に刻まれる。

「なんだこのじ・・・」

———完全勝利——失敗

戻って來た。それは即ち、あの場所で敵に攻撃され時間が経過していた。その事実。

「ここは!ってことは敵が現れた?でも居なかったぞ!」

赤波はまた道を進んでいく。そしてまた空き地に著いたが、意識が薄れた時に頭の中に直接言われる。

———完全勝利——失敗

「またか!でも何処に?目視はしていない。不可視化?そんな個が存在するのか?」

敵の存在が分からない。だが進むしか道が無い。

違う道を歩いてみた。何処までも続く道を歩いていると、最後に辿り著くのはあの空き地。

そして、宣言される。

———完全勝利——失敗

幾度も繰り返す、だが空き地に著くと、宣言され戻される。

分からなくなっている、自分が何処でどんな敵に遭遇しているのか。

「クソ!敵が見えないんじゃ攻略の方法も分からない!」

赤波の個は特別強い能力と言えるではない。そこに常人並みの運能力しか無いのは、赤波がC級に上がれない要因となっている。

が開花した人は通常、筋力のトレーニングなどをすると、筋の繊維が発的に増え、

常人には到達する事の出來ない、超人的なを手にれられる。

そこで、自分には個があると気が付く者も多いが、個がなんなのか?外見の変化が見られないと個を見つけ出す事は難しい。

そして赤波新屋という男は、自分の弱點を全て把握した上で、戦いに挑み、完全勝利を摑み取るまで挑み続ける。

だが、今の狀況は非常に厳しい。

相手を認識しなければ、対応が出來ず、ただ無意味にタイムリープを繰り返すだけなのだから。

———完全勝利——失敗

明らかに空き地が怪しいのは分かるが、ヒントに繋がるモノがない。

だが、帰るには敵を倒すそれしかない。

今度は最短ルートで走って空き地まで來た。

空き地の隅々まで、敵の手がかりを探すが見つからない。

手を土で汚しながら這いつくばってでも探したが、何も無かった。

———完全勝利——失敗

また走って向かう。

探すが何もない、殘り時間が僅かになった時、不意に蝶を摑んだ。

すると、景が戻った。

前からは歩いて來る、春木。

「新屋、アンタ仕事サボってないで働いてよ」

帰って來た?って事はこの蝶が突然変異であんな事をしていたのか?

「新屋?」

不思議そうな顔を見せる。

「コイツが?」

手にした蝶は見た事も無い様な綺麗なをしている。

レオナルド・ダ・ヴィンチの<サルバトール・ムンディ>

の様に目を離す事が出來ず、時の流れというを拒絶したくなる。

赤波が見つめていると、その蝶は灰となって消えた。

その日、事務所に戻った赤波は大鐘に、その蝶の事を話すが。

「あぁ、でもそれって本部も確認できていないんだよね?」

「たぶん」

「じゃあ報酬は難しいと思うよ?仮に報酬が支払われても、君に支払う金額が安いからだよね」

「ですよねぇ。」

「まぁ良いじゃん!もしかしたら、その蝶が市民に危害を加えたかもしれないんでしょ?

なら先に倒したのには意味があるでしょ?」

「とほほ」

肩を落とす赤波だが、窓の外を蝶が飛んでいるのが見えた。

「あっ大鐘さん蝶々だよ!私に捕まえて來てよ!」

「離せよ!俺は蟲に興味なんだよ!今は競馬で忙しいんだ!」

赤波は二人が騒いでいるのを、橫目にし黃昏た。

あの蝶は何を伝えたかったのか?そんな事を考えていた。

「やったぁぁぁ!當たったぞ!」

「じゃあ今日のご飯は大鐘さんの奢りで、回らないお壽司に行こうよ!」

「おう!遠慮せず頼めよ!」

「わーい!新屋!お壽司行くよ!」

「おう!今行く!」

自由に空を舞う蝶

その姿はいつもしい

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