《三分間で世界を救え!「えっ!ヒーローライセンスD級の僕がですか!」 就職したくないからヒーローになった男は世界で唯一のタイムリープ持ち。負け知らずと言われた、世界一のヒーローは世界で一番負け続けていた》正
遅くなりました。
ごめんなさい。
「テレポート」
S級ヒーローのの子が唱えると、二人はひらけた草原に移して來た。
「ここは!」
男と揺していた。それもそのはず、個は一人に一つしか出現しない。
それは、どんなに才能に溢れた人間でも抗う事が出來ない理。
「どうしたの?ここなら誰の邪魔もらないわ」
揺している男とは対照的に、の子は至って冷靜。いや、冷靜と言うには違和をじる。心にしこりの様な、異を男はじていた。
「さっき、俺と同じ個を使っていたが、どういう事だ・・・」
冷たい風が、そっとの子の髪をでる。不敵な笑みを男に向けてきた。
雲に隠れていた月が現れ、の子を照らした。
「なっ!」
「あら驚かせちゃったかしら?」
「お前はいったい誰なんだ!」
「私はS級ヒーロー、ファルサ・フェーミナ」
「そんなはずがない!彼は既に亡くなっている筈、それに生きていたとしても、子供な訳が無い!」
「じゃあ良いわ、名前を教えてあげたついでに、私の正も教えてあげる」
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すると、フェーミナのが徐々に変わっていく「フゥ」そう息を吐き、男を見つめた。
違和はこれであった。
まだく、あどけなささえじていたが、それは、見た目からって來る報だけだった。容姿も話し方もく、まだ高飛車な何処にでも居る子供。そんな風にじられるのに、時折似つかわしくない口調が見え隠れしていた。
「やっぱりお前何者だよ」
し余裕を見せるように、笑いながら言うが余裕などは無かった。
の子だと思っていたが、いま目の前に立っているのはだった。
若返りの個。不老不死とも呼ばれ、世界的に希な個。
だが、それは研究によって謎が解かれていた。
人にはテロメアというが存在する。
テロメアは細胞分裂の為、DNAが複製される度に、DNAは短くなる。
何年か前に、ある大國の大學病院に「昔の寫真と見た目が変わらない」
聞いただけなら羨ましく、嫌味にも聞こえる。そんな癥狀を訴える患者が來た。
その患者は確かに若かった。
90を越える年齢には思えない程に若い。
醫師たちは様々な検査をした。生活習慣による若さなのか、質的なものなのか。
そして、原因を見つけた。
テロメアが減っていない。本來短くなるべきテロメアの長さが20代の狀態を維持していたのだ。
世間への発表を醫師たちは躊躇った。
その患者が初めて來た時、その若い見た目から活発な行力も衰えない。
そう思い込んでいた。
だが、違っていた。
患者の心は、蟲に食われた葉っぱの様にボロボロだった。
若い時は見た目が変わらない。その特別さが嬉しかったが、周囲の友達が歳を重ねていく中で、自分だけが置いて行かれていく疎外。
友達と買いに行けば、友達の孫だと勘違いされる。
自分の子供よりも見た目が若くなり、この先、自分は一人殘されてしまうのではないか。
その恐怖心が心を蝕んで行った。患者に生きる希というは無くなっていた。
そして、その患者は自ら命を絶った。
「私はね、見た目を自由に変える事が出來るの!」
「さっき俺と同じ個使っていたけど、あれはどういう事なんだ!」
「あれも私の個よ?」
「噓を言うな!1人がそんな複數個の個を持っていて、使えるなんて聞いた事が無いぞ」
「もういつまでもしつこいね!個を幾つ持っていようが、人の勝手でしょ!」
そう言うと、フェーミナは足下からムチの様なをばして、男に攻撃を仕掛けた。
空気を切り裂く音を立てながら、向かって來る。
男は間一髪の所で避けたが、地面を叩いた音は凄まじく、乾いた高い破裂音が鳴り響いた。
「その影の個も、影井家の人間にしか現れない個だ!どうやったんだ!」
強い口調でフェーミナに問うが、頭を傾けて、知らない?そんな素振りをしていた。
「わかったよ!答える気が無いなら、無理やり聞くまでだ!影(シャド)の(―ウ)狼(ルフ)、影(シャドー)の(スネ)蛇(―ク)」
男の聲に反応する様に、黒い狼が地面から飛び出し、蛇はかなりの數が現れた。
「そのの四肢をもぎ取っても良い、やって來い!」
狼と蛇がフェーミナに向かっていく、何の邪魔も無く、餌に向かって行く様に。
だが、フェーミナは薄ら笑いを見せていた。
その瞬間、男は背中に生暖かさじ、そして冷たい指を自分の顔と首でじた。
「ねぇ?いつまで私の影と遊ぶつもりなの?」
フェーミナは男の背後に居た。男は驚いた。じゃあ自分が見ている、目の前のアレはなんだ!そう思った。
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