小學校の卒業式。そこには自分を手一つで育てた。大好きな母も來ていた。

卒業式というものに出て、何かが大きく変化する。そんな事は無かった。

來月からは中學校に行くが、地元から出て、私立に行く。そんな子はいなかった。

だから、友達とはまた會える。「おめでとう」の意味が分からなかった。

「お母さん！」

「○○、卒業おめでとう」

「ありがとう。でも僕からも、ありがとうねお母さん」

二人は歩いて帰って行った。何処にでも居る。

それは、周りから見ても「普通」そのもの。

だが、そんな二人にも辛く、悲しい事もある。

年が小學校５年生の時だった。

あとしで夏休み、夏休みになったら家族旅行に行こう。そんな計畫を立てていた。

そこには父親の姿もあった。

父親はA級ヒーローの影井介だった。

世間では知らない人がいない程に有名だった。年はそんな父が大好きだった。

小學校に行けば、いつも友達とヒーローごっこで遊び、父の様なヒーローになる。

そう思っていた。

だが、突然父親が姿を消した。

一週間が過ぎ、二週間が過ぎ、気が付いたら一か月が過ぎていた。

母親はあらゆる場所に連絡をして、父親の行方を捜した。

そんな彼に返って來る言葉は、いつも同じだった「分からない」

近くで見ていた年には、母親の悲しそうな瞳。

それが棘のある言葉よりも痛い。

自分の前ではいつもの様に笑っている母親の姿が辛かった。

しばらく経つと、母親の瞳は前の様に明るくき通っていた。

「お母さん、卒業式では恥ずかしいから泣き過ぎないでよ？」

「大丈夫！母さん卒業式に向けて、イメージトレーニングしておいたから！」

「何だよそれ！なんで僕より卒業式にガチなんだよ」

「えへへへ」

二人は料理を作りながら、他ない話をしていた。

————卒業式から數時間後

グツグツと鍋にっているシチューが音を立てる。

臺所の機の上には、作り途中のケーキが置いてある。

チョコで作られた板には「おめでとう」の文字が書いてある。

それは、小學校卒業を祝う為に母親が用意しただった。

「ハァ・・・ハァ・・・ハァ」

「良くやったね！これで君も影井の個が使えるようになるよ」

「さっきの話は本當なの！」

「あぁ、君が殺した母は自分の旦那を殺して、君を自分の言う事を聞く道にしようとしていたんだ」

「でも殺さなくても良かったんじゃ・・・」

「このは君を騙していた。君の大好きだった父親を殺したんだ」

「父さんを・・・」

「そうさ？君のお父さんは、こんな卑怯なに殺されたんだ。君が仇を取ったんだ！

お父さんが信用していたのに、裏切ったを！

お父さんはきっと天國で君の事を誇りに思っているよ」

「父さんを騙したお前が悪いんだ」

「君にこれを渡しておくよ？困った事があったら、僕の所に來ると良い。

君と同じ境遇の子供も多いから心配はいらないよ」

「一緒に・・・一緒ついて行っちゃダメかな？」

「あぁ、良いとも一緒に行こう僕たちの家「シムラクルム」にね」

年は黒い服裝の後に立った。

男は右手を前に出して、左右にスライドさせながら言う。

「ゲート」

すると二人の目の前に重厚ある扉が現れた。

高い音を立てながら、ひとりでに開いた。開くと黒い狀なモノが一面に広がっている。

男はポケットから攜帯を取り出すと、誰かに電話をし始めた。

「タエニア、今から戻る」

後から見上げる様に、男が電話をしている姿を見守る年。

「あぁ、前にもやって貰ったディレクシオンで、この家族が引っ越すまでやっておいてくれ」

男は電話をしながら歩き出した。扉の中にスタスタと歩いてって行った。

年も急いで追い掛けるが、扉の前で足が止まる。

見た事も無いが目の前にある。手でしれてみると、ヌルっとしたが伝わって來た。

そのまるで、片栗を水で溶かし、若干手に抵抗をじるぐらいのに似ていた。

扉の前でれずにモジモジとしていた時。突然、男の腕が中からびて來た。

「うわぁ！」

年は無理やり引きずり込まれた。

中にると特に変わった事はない。し先にはが見え、年にもあそこが出口なのだと理解が出來た。

出てくると、そこは豪華に裝飾された部屋だった。

「ボス、戻りました」

「あぁ」

黒服の男が頭を下げて挨拶をしているのを見て、不思議にじた。

ボスと言われる男は、お世辭にも強そう。そう思える雰囲気をじられなかった。

すると１人のが年に近づいて來た。

「アナタの部屋を紹介するわね？」

そういうと年は、豪華に裝飾された部屋を出て行った。

「あのガキ、なんて名前にしようか？」

窓の近くで煙草を吹かしていたが話始めた。

「必要か？俺の噓に騙されて、自分の母親を殺す様なガキに」

黒服の男も窓の方に歩きながら、煙草に火をつけた。

「ボスはなにか、ありますか？」

窓枠に腰を掛け乍ら話し掛ける。

「・・・・・・・・・」

「って、また通信切ってるし」

「またか！今回は何処に行っているんだ？」

「さぁ？誰にも言わないで行くじゃん」

ボスと呼ばれる男はある場所に來ていた。

「さぁ、仕事しますかね」