《【コミカライズ配信中】アラフォー冒険者、伝説となる ~SSランクの娘に強化されたらSSSランクになりました~》第268話 再びの葵の蜻蛉
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ついに革命が始まる。その時、ヴォルフはどうする??
最新23話は是非読んでください。
「方片付いたか……」
エミリは周囲を見る。
拳錻(げんぶ)に加え、彼の周りには多くの魔獣の死骸が累々と積み上げられていた。
避難民の匂いに釣られてやってきた魔獣をすべて打ち倒したのだ。
リヴァラスでもらった聖水も振りまいておいたし、しばらく魔獣が襲いかかってくることはないだろう。
エミリは王都の方を伺う。
殘念ながらここからでは王宮の尖塔の先っぽですら見ることはできない。
だが、じることはできる。
巨大な邪悪な気配。
そしてした人間の気配を。
それにエミリは吸い寄せられるように歩き出した。
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◆◇◆◇◆
ヴォルフは悪意と打ち合い続けていた。
かれこれ1時間以上戦っているが、勝敗はまだ著いていなかった。
ヴォルフの技は冴え渡り、その供給される魔力にも淀みがない。
表にも余裕があった。
一方悪意の方はといえば、初めてレミニアの前に現れた時とは違って、表に余裕がなかった。
明らかに焦りをじる。
それが打ち合う剣にも現れ、ヴォルフに押され始めていた。
そのヴォルフは敏に2つの大きな気配が消えたことに気づく。
「どうやら、お前の“隷(しもべ)”は機能しなかったみたいだな」
「ぐっ!」
ヴォルフの指摘に、悪意はさらに顔を歪める。
「所詮、お前個人が作ったものでしかない。り手の潛在能力を超えることはない、人形だ。だが、俺は違う。旅先で出會った人たちの想いを汲んで戦っている。……世界で唯一の存在となり、最強を謳おうなどと考えているお前には負けるわけがない」
ヴォルフは思いっきり振り抜く。
その一撃には手応えがあった。
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吹き飛ばされた悪意は、大鐘を橦木で撞くように大木に激突する。
つぅっと口から鮮を吐くが、悪意は嗤って、手の甲で拭った。
ゆっくりと起き上がり、再びヴォルフに近寄ってくる。
その奇妙な雰囲気を察して、ヴォルフは剣を構え直す。
「なるほど。お前の“隷(しもべ)”たちも強いようだ」
「“隷(しもべ)”じゃない。大事な人や友人たちだ」
「どうでもいい。お前も、そいつら使って我と同等の力を引き出していることは事実……。何か間違ったことを言っているか?」
「お前に説教するのも飽きた。そろそろ決著を著けさせてもら――――う」
突然、ヴォルフは膝を突いた。
「パパッ!!」
「ご主人!!」
ハッと顔を上げたが、遅い。
悪意の蹴りがヴォルフの顔面にささると、そのまま反対方向にあった森に突っ込んだ。
「がはっ!」
苦しそうに父がくのを聞き、レミニアの顔が歪む。
「パパ!!」
「だ、大丈夫だ!」
駆け寄ろうとしたレミニアを手で制する。
噴き出した鼻を手の甲で拭い、立ちはだかる悪意を睨んだ。
一瞬だったが、ヴォルフから力が抜けた。
おそらくリヴァラス本陣の方で何かあったのだろう。
「それにこの気配……」
「その通りだ、偽の英雄。我は完全。一個で自己完結する完全だ。その“隷(しもべ)”もまた完全であって當然だろう」
悪意は哄笑を上げるのだった。
◆◇◆◇◆
「おやまあ……」
クロエが呑気な聲を上げて見上げれば、橫のヒナミは金切り聲を上げた。
「なんじゃと!」
2人が見たのは、黒い鱗の竜――つまり、星竜と名付けられた黒竜であった。
それはつい先ほど、クロエとヒナミが協力して倒したはずだ。
どす黒いを吐いていた星竜は、ゆっくりと起き上がると、超速再生し、元の姿に戻ってしまった。
再び翼を広げ、天へと飛び立つと、上空から炎を吐き出す。
2人は慌てて巖に隠れるが、巖は溶けかかっていた。
いくらも保たないだろう。
「どういうことじゃ?」
「再生能力を持っていたということやね。さすがはストラバールを困らせる困ったちゃんや。あないな化けまで作れるなんて」
「心しておる場合か。対策を講じねば、いつか妾らがやられるのじゃぞ」
「そないなこと言われても、うちも姫さんも斬ることしか能がないやろ?」
「そなた、はっきり言うな」
「しゃーない。うちは王都育ちやない。掃きだめ育ちや。言葉ぐらいキツくなるよって」
「一理あるというか、それしかないか」
ヒナミは巖から出て、炎を斬る。
再びクロエとともに、星竜という名前とは裏腹に真っ黒な腹を抱えた竜を睨むのだった。
◆◇◆◇◆
クロエたちが起こっていることは、エミリの方でも起こっていた。
エミリは再生した拳錻(げんぶ)をあっさりとバラバラにしたが、その場から復活をしてしまう。
「これで12回目。どうやら不死というのが現実味を帯びて來たでござるな」
次に13回目の斬撃を食らわせる。
拳錻(げんぶ)はまたバラバラになったが、回數が加わる度に、エミリの顔が疲労で歪んでいく。
まだ使い慣れない『リュウガ』のおかげで、の負擔が大きい。その重さ故に切れているところもあるのだが、振り続けることが難しくなってきた。
「さて、どうするか? 先に本をやっつけねばならないか。あまりヴォルフ殿の戦いに水を差すようなマネはしたくないのでござるけど」
思案しながら、斬撃はついに14回目を迎えるのだった。
◆◇◆◇◆
クロエとヒナミ、そしてエミリが戦う戦場から東。
聖樹リヴァラスの付近にも、悪意が解き放った“隷(しもべ)”の魔の手がびていた。
現れたのは、黒い炎を噴き出す怪鳥だ。
その周りを複數の冒険者が囲みと戦っている。
いや、空を飛び回る怪鳥を見上げているものがほとんどであった。
すでに戦場は炎に包まれ真っ赤――いや、黒く染まっている。
呪いかけられたような炎が、確実に人の神に作用し、避難民たちの心を絶に染め上げていた。
その中で勇敢に戦う騎士たちの姿があった。
「姫様、今です!!」
第六階梯の拘束系魔法を使って、蘇雀(すざく)と名前を付けられた怪鳥を縛り上げたのは、辺境の騎士団『葵の蜻蛉(ブルー・ブライ)』の魔法使いダラスであった。
瞬間、空から現れたのは、見目麗しい姫騎士だ。
その背中には魔法で作られた白い翼が付いている。一羽ばたきしながら速度を上げて、怪鳥に襲いかかった。
「はあああああああああああああ!!」
今まで握っていた杖から再び細の剣に戻したアンリは、蘇雀(すざく)と名付けられた怪鳥に向かって斬撃を落とす。
だが、その前に蘇雀(すざく)を縛っていた拘束系魔法が解かれた。
次の瞬間、アンリと錯するような形になる。
一旦アンリは地面に下りたが、蘇雀(すざく)は元気に空を飛び回っていた。
「くそ! 淺かったか!」
「すみません、姫。私の魔法が甘いばかりに」
「いや、ダラスのせいではない。やはり強いな……」
「心してる場合ですか、姫様。相手は化けの上に、空を飛び回ってるンです。私たちが手に負える相手では……」
「それでもやるんだ」
リーマットが暗に退卻を忠告するが、アンリの意志は固かった。
よく見ると、ブレストプレートの上から切り裂かれて、鮮が滲んでいる。
ダラスは慌てて、回復魔法を主に押し當てた。
「我々は辺境の騎士団『葵の蜻蛉(ブルー・ブライ)』だ。今退けば、名が泣こうというもの」
リーマットはお手上げとばかりに肩を竦める。
とはいえ、主が逃げないのであれば、彼も逃げるつもりはない。
「正直、決め手がないですねぇ。単純に方法というか、戦力が足りてないんですよ、我々は」
冷靜に分析してみせる。
「なら、オレが手伝おう」
不意に大きな影がアンリたちを覆う。
その影の登場に、蘇雀(すざく)も警戒して見せた。
恐る恐る振り返るアンリ。
そこに立っていたのは、山のように大きな巨人族だった。
「「「で、でけぇぇえええええええええ!!」」」
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表紙はエミリですよ。すっごく格好良く描いていただきました(タッ公先生、すごい!)
表紙だけでも買う価値がありますが、中もすごいので是非!
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