《悪魔の証明 R2》第51話 037 シロウ・ハイバラ(2)
次の瞬間、掌を広げるレイ。それと同時に、空中へと散布されるアイ・モスキートたち。彼らは両脇から羽を出してパタパタとそれぞれが好き勝手な場所へと飛んでいった。
アイ・モスキートは、屋であればあらゆるところに飛んで行き、プログラムされた通りの箇所を重點的に撮影し、蔵されたソケットから映像報をサーバーへと無線送信する超小型端末だ。複數で連する機能も持っており、狹い範囲であれば、ほぼすべての角度から映像を撮影することができる。
長引く全世界規模の不況で科學も技的停滯を余儀なくされており、二十一世紀初頭と生活様式はほぼ変化がないといわれて久しい中、このひとつ目玉の端末は久々に発明された畫期的な技革新としてマスメディアで腳を浴びている代だ。
レイの手から放たれた彼らは、一見規則のないじでいているように思える。
だが、実は使用者、ここで言えばジョン・スミスになるが、事前に設定した撮影したい容に近い映像を撮るために、部に埋め込まれたマイクロチップの計算能力によりベストな撮影場所を割り出しており、それぞれが使用者の思い通りの場所――適所に向かっている。
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彼らが撮影した映像は、第六研の倉庫にあるサーバーを通してジョン・スミスのノートパソコンに送られてきた後、ジョン・スミスが組んだプログラムで編集され、これまたジョン・スミスが組んだプログラムでネットにストリーミングでリアルタイムに送信される。
要するに、ジョン・スミスが意図した映像がほぼそのままインターネット上に生放送で流されるということだ。
と、完璧な端末のように思えるが、実はアイ・モスキートには仕様上の欠陥がひとつある。
必ず使用者の思い通りに撮影できるがというとそうではなく例外があり、歓聲以外の予期しない騒ぎ、例えば怒號などが起こったときは、意図していないのにも関わらず、どうしてもそちらの方が優先されて撮影されてしまうらしい。
以前、ジョン・スミスが仏頂面をしながら自慢げにアイ・モスキートの仕様を語るという離れ業を目の前で披したことから、俺はこのアイ・モスキートを使った最新ネット放送の仕組みをよく覚えていた。
「うげ……いつ見ても気持ち悪い」
アイ・モスキートの振る舞いをそう評してから、ミリアがペロっと舌を出した。
をし丸めたのでの大きさがさらに強調される。
タイミングを見計らい、俺は今度も鼻を広げた。
彼のの谷間から漂ってくる甘い臭いを、もう一度舐めるかのように嗅ぎ直す。
そして、そのような紆余曲折はありながらも、ようやく國立帝都大學超常現象懐疑論研究所第六研究室主催サイキック・チャレンジは始まった。
「さあ、アリス。用意はいいかしら。肝に命じておいて。このチャレンジは、アイ・モスキートのカメラを通して、全世界にネット放送されている」
控えめに抑えた聲でレイがそう宣言する。
だが、さすがに全世界はオーバーだろう。
聲に出さず、俺は突っ込みをれた。
レイの臺詞によって場が靜まり返る。
そんな中、カタカタという機械音が聞こえてきた。
研究室に配備されているアクセスカウンターによるものだ。
壁にはめ込まれたその黒い端末の表面で、プラスチックの白いパネルが激しく踴っている。
普段パネルは灰で、その中に數字の背景にそれが確認できるのだが、今は數字の増え方が早過ぎてただの白いパネルにしか見えない。
「上昇している數字は、私のサイトへのアクセス數よ。ふふ、なかなか凄い人數でしょ」
と言いながら、レイは薄く笑う。
プレッシャーをかけようとしてサイトへの注目度を伝えたのだろう。
だが、あまりに聲に抑揚がないものだから、その効果の程は定かではない。案の定、アリスはつんとすましたまま微だにしなかった。
「この放送を観ている人たちが、今日のサイキック・チャレンジの証人になってくれるわ。勝ち負けや不正がないかなどを含めた――そう、あらゆる意味でのね。これだけの人數に観られているのだから、私たちは事前にわした契約を守るしかない。それは、いあなたでもわかるわね」
そう問いかけられたアリスは、こくりと頷く。まるで、フランス人形がお辭儀をしているようだった。
同年代のの子たちと比べても群を抜いて可らしい。
これは將來が楽しみな逸材だなと俺はほくそ笑んだ。
そう、とレイの薄いから吐息がれる。次に切れ長の目がさらに細くなった。
「じゃあ、早速なのだけれど――始めましょう」
この呼びかけを合図にして、ふたりは白いテーブルを挾んで対面の位置についた。
長差がかなりあるので、教師が小學生を叱っているようにも見えなくもない。
そして、レイが伏せられたカードを裏返していく。
たちが次々とその姿を現していく様を見た俺は、あれ? と眉をしかめた。
打ち合わせでは確か、カードの中は見せずに実験を行うはずだった。だが、なぜかレイはスタート時點から、それを被験者に知らせている。
何だよ、それ。心臓が止まるほどヤバイことをやったのに……
危険を冒してまで行ったカードの中を事前に調べるという行為が、まったくの徒労に終わってしまったことに俺は深く落膽した。
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