《【完結】「死んでみろ」と言われたので死にました。【書籍化・コミカライズ】》35
「…おは大丈夫ですか?」
「ああ、騎士団の稽古として…木を切ることは良くするからな」
ユリウスが言うには、木を切る程度のことは些細なことらしく。しかし、ナタリー的には…そんな蕓當ができないので、心するばかりなのだが。ただ、どうやら慣れている行だったためか――ユリウスは苦しくなさそうだった。
を無理に使ったわけではないと分かり、ナタリーはホッとする。
「そうでしたのね…初めて見ましたが、すごいと思いましたわ」
「そ、そうか…」
ナタリーがそう褒めると…ちょうど顔がかったのだろうか――彼は口元に手を近づけ。咳払いをするかのように、隠してしまう。そんな彼の様子に、何か調が悪いのだろうか、と目を向けるのと同時に。
「あら~~~!本當に!すごいわっ!」
「ほ、ほんとうに切っていたのか…」
將と旦那さんが、店から顔を出し。びっくりした聲がこちらに屆き――男の子をはじめ、ユリウスもナタリーもそちらに気を持っていかれたのだった――。
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◆◇◆
ユリウスの剣技が終わったのち。
ちょうどミルクティーも飲み終わったということで、店から出ることになった。その時に、將と旦那さんから「木を切ってくれたお禮に、お代はサービスで」と言われて。
「扱いにずっと困ってたからねえ…本當に、ありがとうございます」
「しばかりの謝になってしまうけども、またいらしてくださいね」
はじめは、「いやそんな大したことは…」とユリウスが遠慮をしていたのだが。店を切り盛りする二人からそう、話され――ユリウスもナタリーも素直に気持ちをけ取ることにした。
「おにーちゃん!…おれ、おにーちゃんみたいに、強くてかっこよくなる…っ!」
溫かい三人家族に見送られる形で、店を後にする際に。男の子からの言葉が聞こえて、ナタリーはユリウスの方を見る。すると彼は、優しい微笑みを向け…男の子の頭をでた。
そしてナタリーとユリウスは、家族に謝と別れを告げ。街にある道へ戻っていくのだった。
◆◇◆
「…閣下、どこか気になっている場所はありますか」
道なりに歩きながら、ユリウスに店や街の特徴を話した。夕暮れまでには、もうし時間がある中で――ユリウスの意向を聞くべく、聲をかければ。
「そう…だな。ご令嬢…君が行きたい場所に著いていく…でもいいだろうか」
「…え?」
「あ、いや。その…俺のことは考えず。君の…その」
屋敷から出る前に、お母様との話が聞こえていたのかもしれない。それか、ナタリーのことを思ってなのか。どちらにせよ、ユリウスはナタリーに案してくれたことのお禮を言い。
「もし、他の護衛…いや、この街で護衛も要らないというのなら――俺は先に戻ったほうがいいだろうか」とさえ、話してきて。
そんな腰の低い態度の彼を無下にするのは――と、罪悪も生まれ。例え、気まずい思いがあろうとも…。一回案役として、引きけたからには最後までしよう、とナタリーは決意する。
「…では、ペティグリューの景を一できる高臺がございますの。そこへ行ってもいいでしょうか」
「あ、ああ。もちろん」
街の高臺――そこはい頃から、よく両親に連れてこられ…また観スポットとしても評判がいい場所だ。久しぶりに街を歩いていると、懐かしさもあって行きたくなったのと…案する場所として、間違いはないだろうとも思って。
そして、ユリウスからも了解を得たので。そこへ彼を案するべく。「こちらの道を通りますの――」と、聲をかけながら進んだ。その時。
「…すみません、お、お尋ねしたいことがありましてぇ」
しわがれた聲が聞こえてきて。ナタリーはその方を向けば、そこには領民たちと似た服を著た――老いた男が見えた。どうやら、ナタリーの方に近づいてくる様子から、道を聞きたいのかもしれない。
しかし、これほど老いているということは一度くらい見かけたこともありそうだが…ナタリーは初めて見る顔だった。戦爭後に引っ越してきたのかもしれない。
「え、ええ。どうかしましたか?」
「いやぁ、領主さまのお屋敷はどこにあるのか…ご、ご存知でしょうかぁ」
「お父様の…?失禮ですが、何かご用事でも」
ナタリーが「お父様」と言ったのに対して。目の前の老人は、おおげさなくらいに驚き。「おや~、領主さまのお嬢様でしたかぁ…これは無禮を…」と申し訳なさそうにしながらも、ナタリーの方へ歩みを止めない。
それは、ナタリーが一歩下がると…彼もまた一歩近づいてくるのだ。
(異國の禮儀なのかしら…それにしても)
人を見かけで判斷してはいけない、と思いながらも…正直、この老人に不気味さをじる。
「領主さまにご挨拶を、と思いましてねぇ…最近、ここに來たばっかりですからぁ」
「そ、そうでしたの…」
「いや、いやぁ、今日は本當についてましたぁ…聞いてはいたので場所はなんとなく、思い出せそうなのですが…」
彼が言う行は…領主に挨拶をしたい程、律儀な領民ゆえなのだろうか。それとも実は父の客人なのか…。
そう考え事をしていれば。
気づけばだいぶ近い距離になっていて――ナタリーの目の前で止まったかと思うと。
「ああ!そうでしたぁ。お嬢様にも、ご挨拶を…」
突然、大きな聲を出して。ナタリーの手を摑んでこようとした――その瞬間。
「…ご老人。こちらの國の禮儀を知らないのかもしれないが――ご令嬢に、無禮だ」
逞しいユリウスの手が、老人の腕を遮るように摑んだ。それによって、ナタリーはられずに済んで。老人は、ユリウスに気が付いてなかったのか。
摑んできた彼を見て、「ひ、ひぃっ」と何かを恐れるような聲を出す。
そして、ユリウスの顔を確認すると――目を大きく開けた。
そのまま素早く、謝罪を言い…ナタリーとユリウスから距離を取ろうとする。そのきに対して、ユリウスは特に邪魔はせず。老人の腕を解放した。
「いやぁ、歳をとると…うっかりが多くて、あ、ああ~場所をなんとなく、思い出してきましたよぉ」
急にそんなことを言った老人は、挨拶も告げず――すぐさま足早に歩きだして。まるで、二人から逃げるように…違う方向へと立ち去った。
「…怪我は、ない…な?」
「え、ええ」
「あの老人のから、魔力をしじて――間にった…もし、彼と話すつもりだったら…すまなかった」
「ま、まあ。そうでしたのね。いえ…むしろ戸っていましたから…その」
ユリウスは、老人が去った後。眉間に力をれながら――ナタリーのを案じてくる。その言葉に、「ありがとうございます」と聲をかけて。一息をつけば。
ナタリーは、自分の鼓が速くなっていたことに気づく――おそらく、それは老人に対して無意識に不安をじて…張していたからなのだろう。
しかし、そんな時ユリウスが間にってくれたおかげで、どこか安心していた自分がいて。
――安心していた自分…?
(閣下が近くにいたら、嫌になる…でしょう?)
ナタリーは、自分に喝をれるようにをきゅっと引き結ぶ。
そんなナタリーの様子に、勘違いしたのか。ユリウスが、「何か魔法をけて調が悪いだろうか。今日はもう屋敷に…」と提案してきて。
「いえ、魔法をけた覚はありませんから…大丈夫ですわ」
「そうか…」
「それと、まだ時間はありますから。高臺へ行きましょう…案しますわ」
「え、その、本當に大丈夫な――」
「大丈夫ですわっ!」
ユリウスに気遣われてばかりなんて、どこか癪で。彼に守られてばかりな自分も嫌になってきてしまう始末で。
だから案をこなすことが、彼に対して返せる…誠実な態度であり――ナタリーの気持ちをい立てる抵抗に繋がると。
そう思って。ナタリーは強気に、聲を出して――道案を続ける。そんなナタリーに、ユリウスはたじろいでいるのか。「そ、そうか…頼む」と言葉を返すだけだった――。
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