《【完結】「死んでみろ」と言われたので死にました。【書籍化・コミカライズ】》60
「ナタリー、殿下と公爵様がお忙しそうだなんて、殘念だったわねぇ」
「なっ!?なにも殘念じゃないだろう、お二人がお忙しいのは仕方ないさ…!」
「もう…あなたったら」
「は、はは…」
両親の話に、ナタリーは想笑いをしていた。そして、思い出すのは剣舞祭の終わったあとのことだった。
◆◇◆
というのも、剣舞祭が終わったのち。お父様にバレる前に、ユリウスの外套はぎ。ミーナに渡して、綺麗にするように命じた。
(あら…もしかして、閣下の服は二著目に…?)
保管している服が著実に増えているような。
そんな疑問が頭を駆け巡るものの。その思考は――両親が、ナタリーに聲をかけたことによって止まり。両親に連れられるがまま…陛下に挨拶を言いに行った際、エドワードとユリウスも王城にいて。
二人がナタリーに気が付くと。ナタリーのもとに來て、エドワードは宰相のこと、そして剣舞祭の処理があること。そしてユリウスは、ド派手にをかしたために…フランツに呼び出しをけていることを伝えてくれたのだった。
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そのため、いつかの「ディナーを一緒に食べる」約束は流れてしまっていて。二人とも申し訳なさそうにしていた。しかし、ナタリーとしても二人の用事を優先してもらうことが第一だったので。
「お気になさらずに…お二人とも、剣舞祭では素敵でしたわ」
「ふふっ、ありがとう」
「……楽しめたのなら、良かった」
「でも、ディナーが行けなくなってしまうなんて…はぁ」
「……」
そうして、エドワードが「ディナー」という発言を殘し。別れを言ってから――場を離れ、ユリウスもまた同じように…呼び出されている所へ向かっていく。
そして地獄耳なお父様が、「いったいどういうことなんだ…!」と。冒頭の両親の話へと戻っていくのであった。帰りの馬車の中、ナタリーは両親の話を聞きながら。想笑いを浮かべるのに、盡力していたのは…両親にはだ。
◆◇◆
にぎやかな剣舞祭から帰宅した――その翌日。
昨日、忙しそうにしていたエドワードが、突然…ペティグリュー家に現れた。それも、馬車などではなく。魔法によってナタリーの屋敷まで來ていて。
「ま、まあ。エドワード様…どうなされたのでしょうか?」
「ナタリー…、その…公爵にも報せを送ったんだが…」
「…?」
たまたま朝食を終えたナタリーが通りがかった時に、鉢合わせたので。驚きながらも、彼を迎える準備をしようとく。ミーナもまた、「旦那様と奧様にご報告せねばっ!」と焦った様子で走っていった。
(でも、いったい…しかもしお顔が悪いような…?)
ナタリーはエドワードが屋敷に來る理由など見當がつかず。周囲の使用人たちとともに…彼を見守ることになる。すると、エドワードはどこか焦った様子で。
「急を要するから…禮儀などは、気にしないでもらえると助かる」
「は、はい…?」
「昨日不正を働いた者は…宰相から武をもらいけていたことが分かったんだ」
「え…」
エドワードの言葉を聞き、ナタリーは目を見開く。そして、開いた口が塞がらないまま…彼の言葉の続きを聞けば。
「剣舞祭が始まる直前まで、宰相はいていたんだ…それも王城付近まで來るほどに」
「そ、それは…」
「…良くないことだが、検知の結果が出てね。奴の足取りが見えてきたんだ」
エドワードの表は暗く重い。そんな彼の様子から、この話が厳しい現実のものだと痛いほどわかって。ナタリーは息を呑み、エドワードを見つめれば。
「昨日――宰相は…王城付近から、ペティグリュー領に來ている」
「……っ!?」
「だから、ナタリー、それと家の者の避難を――」
「その必要はありませんよぉ?」
「え?」
エドワードの聲に被さるように聞こえてきた聲に。思わず、ナタリーが顔を向ければ。そこには、ペティグリュー家の執事が立っていた。しかも気づけば、ナタリーとエドワードの近くまでやってきていて。
「…!貴様っ」
エドワードが、危険を察知しこうとしたその一瞬先に。目の前の執事は素早くき、ナタリーとエドワードの腕を摑んだ。
「いやぁ…追われるのって…こんなに不愉快…なんですねぇ?」
どろりと執事の顔が歪み――崩れていく。崩れた顔の先には、不敵に笑う宰相の顔があって。
「く…っ」
「ナ、ナタリーッ!」
エドワードがき、この場にたどり著いたお父様が自分を呼ぶ聲を出した――その瞬間。
「お、おとうさ…」
ナタリーの聲が全て発せられる前に。ナタリーの視界は既視がある歪みに襲われ、魔法の風が宰相と二人を覆いつくした。なにかの力で押さえつけられる衝撃によって…ナタリーは思わず瞳を閉じ。
そのまま意識を保つことができず――気絶してしまう。
そうしたナタリーの変化などをお構いなしに。宰相は二人の腕を摑みながら、目にもとまらぬ速さで魔法を展開する。
そして風が周りを覆いつくし、橫毆りの風が吹き荒れたと思った瞬間…彼らの姿は消えてしまうのだった。
突然のでき事に、屋敷の者たちは呆然とするばかりで。
「お、お嬢さまぁーーっ!」
事の次第にいち早く気づいたミーナの悲鳴が。屋敷に響き渡ったのであった。
◆◇◆
「…うっ」
「ナ、ナタリー!大丈夫かい?」
「エドワード様…だ、大丈夫ですわ」
再び意識が浮上し、目をぱちりと開けば。自分が倒れこむように、寢ていたことがわかった。そして、慌てて駆けよってくるエドワードの姿が見え。ナタリーは、よろよろとを起した。
目にが戻り、あたりをキョロキョロと見渡せば。うっそうと暗い空間で、石造りの部屋だということが分かる。そして宰相の姿はなく――不安ながらも、し安心して。エドワードに、「ここは…」と疑問を言えば。
「…先ほどあたりを、し見たんだが。どうやら…」
「は、はい」
「ここは、ファングレー公爵家のカタコンベ…地下墓地のようだ」
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