《妹と兄、ぷらすあるふぁ》赤信號

目の前には白と黒のしましま。空の方に頭をあげると赤い背景に“立ち止まっている”人が描かれた機械があります。

あたしは今お兄ちゃんと信號待ちです。

「ねぇ、あーにぃ」

ふと気になることがあってお兄ちゃんに尋ねます。お兄ちゃんはし面倒臭そうに眠たそうな顔を此方に向け

「ん? どうした妹よ」

と、あたしに話しかけます。

「どうして車がきてないのに、赤信號だと止まらないといけないの?」

先ほどから車が通らないしましまを見ながらあたしは頭を捻ります。

「世間の為だな」

お兄ちゃんは迷わずそう答えました。

「じゃああーにぃ、誰もみていなかったらわたっていいの?」

あたしはもう一度お兄ちゃんに問いかけます。お兄ちゃんは右手を顎の下にもって行って考えます。

「何故赤信號で止まらないといけないのか、ただ誰かのつくったルールに縛られているだけじゃないか、しっかり考えた上で渡っていいと思えばわたればいい」

……お兄ちゃんは偶に難しい事を言います。そうしている間に信號が青に変わりました。歩き出そうとするお兄ちゃんを引き止めて尋ねます。

「青信號で止まったりはしないの?」

「しないな」

お兄ちゃんは直ぐに答えてくれました。

「どうして?」

「偉い人が青信號の時は渡っていいって言ってたからな」

「そっかー」

いつの間にか信號は赤に戻っていました。

    人が読んでいる<妹と兄、ぷらすあるふぁ>
      クローズメッセージ
      あなたも好きかも
      以下のインストール済みアプリから「楽しむ小説」にアクセスできます
      サインアップのための5800コイン、毎日580コイン。
      最もホットな小説を時間内に更新してください! プッシュして読むために購読してください! 大規模な図書館からの正確な推薦!
      2 次にタップします【ホーム画面に追加】
      1クリックしてください