《妹と兄、ぷらすあるふぁ》名前

今日の夕ご飯は唐揚げです。あたしもお兄ちゃんも好きなので取り合いにならないように初めから取り分けています。

「あーにぃはどうしてあーにぃなの?」

ふと、お兄ちゃんに問いかけます。

「いや、お兄ちゃんはあーにぃじゃない」

新事実です。

「じゃあ、あーにぃは誰なの?」

「渡辺洋一郎という」

お兄ちゃんはさも當然のように言います。あたしびっくりです。何故なら……

「あたしと苗字も違うの?」

あーにぃはお兄ちゃんじゃなかった事件です。ショックです。

「噓だ」

お兄ちゃんが真顔でそう言います。あたしは怒りたくなるのと同時にし安心しました。

「噓吐きはドロボーの始まりなんだよ?」

やっぱり怒りたかったのでそう言います。

「そうだな」

お兄ちゃんはそう言ってあたしの唐揚げを一つヒョイと取ってしまいました。

「あーにぃっ!」

「ま、ドロボーだし」

あたしは頬を膨らませます。

「大人は汚いよっ」

「そうだな」

「あーにぃがお兄ちゃんじゃなかったらよかった。あーにぃは本當にあたしのお兄ちゃんなの?」

「殘念ながらな」

お兄ちゃんはそう言うとスッとあたしのお皿に唐揚げを二つ乗せました。

「むー…あーにぃがお兄ちゃんでも嫌じゃないもん……」

何故かその二つの唐揚げはほかのものより味しかったです。

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