《妹と兄、ぷらすあるふぁ》カラオケ
今日はお兄ちゃんとカラオケです。実は歌うのが好きなお兄ちゃん。何ヶ月かに一度二人でカラオケに行きます。
「あーにぃ、歌上手だよね」
「伊達に歌好きは名乗ってないからな……と言いたいがそうでもないさ」
お兄ちゃんは言いますが正直あたしには歌の上手下手はよくわかりません。
あたしが上手だといったのは採點をみたからです。あたしが大七十點臺なのに対してお兄ちゃんは八十臺でたまに九十點。
「でもあの歌だけは本當に上手だよ?」
いわゆるお兄ちゃんの十八番。カラオケにくる度に歌……あれ?
「あーにぃ今日は歌わないの?」
「ああ……」
あーにぃはそう言ってをります。
「何かいつもと違うじがしてな」
「違う?」
お兄ちゃんは考えます。
「何となく……だな。うん」
お兄ちゃんにしてはハッキリしません。お兄ちゃん自よくわかっていないみたいです。
「が自分が思った通りかせないとかそんなじだな」
「例えば百メートルを十秒以で走れないとか」そう付け加えてお兄ちゃんは黙ります。
それに関しては何となくわかります。テストになると簡単な足し算間違えてしまうとかそんなじなんだと思います。
「でも、あーにぃのあの歌久しぶりに聴きたかったな」
あたしは呟くとお兄ちゃんは一つため息をついておもむろに曲をれる機械をいじり始めます。
始まったのはお兄ちゃんの十八番。歌が始まってもあたしには何がいつもと違うのかわかりませんでした。
歌が終わり表示された點數は八十九點。
「な」
お兄ちゃんはそう言ってこちらを見ますが、あたしからしたら十分高い點數です。
テレビはCMを流し始めました。
ヤメロ【完】
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