《妹と兄、ぷらすあるふぁ》理解者
何度も言うようですが、お兄ちゃんは大學生です。つまり、そろそろどんな仕事に就くのか考えないといけません。
「あーにぃは卒業したらどうするの?」
「ニートだな」
お兄ちゃんは適當なじでそう答えます。だからあたしはほっぺたを膨らませて怒ってるぞアピールをします。
すると、お兄ちゃんは頭をかきながら「冗談だ」と言いました。
「學校の先生だな」
し照れながらお兄ちゃんはいいます。
予想外の答えに驚いてしまいましたが、意外にしっかりしているお兄ちゃんです。実はぴったりなのかもしれません。
そんな風に考えていると、お兄ちゃんが不思議そうな顔をしていました。
「あーにぃどうしたの?」
「いや、笑ったり馬鹿にしたりしないんだな…と」
拍子抜けとばかりにそんなことを言うお兄ちゃん。學校で笑われたり馬鹿にされたりしたのかもしれません。
その人達の気持ちもわかりますが、お兄ちゃんを見る目がないです。
「あーにぃ教えるの上手だしぴったりだと思うよ?」
実際にやってみたら人気の先生になると思います。
真っ直ぐお兄ちゃんをみていると、お兄ちゃんは目をそらしぽつりと
「そうか、これが幸せって奴か」
「あーにぃ何かいった?」
「いや、何も」
実は聞こえていましたが、あたしだけの寶にしておこうと思います。
【書籍化】宮廷魔導師、追放される ~無能だと追い出された最巧の魔導師は、部下を引き連れて冒険者クランを始めるようです~【コミカライズ】
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