《妹と兄、ぷらすあるふぁ》絵本

とある日曜日。あたしはお兄ちゃんと図書館に來ています。

お兄ちゃんもあたしもそれぞれに本を手に取り並んで本を読んでいます。

そんな中あたしはふと、大學生のお兄ちゃんがどんな本を読んでいるのか気になり橫目でお兄ちゃんを見てみました。

その時お兄ちゃんが読んでいた本にあたしは驚きましたが、図書館の中なので「あーにぃ」と聲をかけるのをグッと我慢していました。

「あーにぃ、あーにぃ」

図書館から出てすぐ、あたしは我慢できなくなってお兄ちゃんに聲をかけました。

「どうした、妹よ。何か借りたい本でもあったか?」

珍しくお兄ちゃんが「どうした、妹よ」の後に言葉を付けましたが見當違いなのであたしは首を振ります。

それをみてお兄ちゃんは不思議そうな顔をしたので急いで口を開きます。

「あーにぃが読んでたのって、絵本だったよね?」

そう言うと、お兄ちゃんは「あー…」と、力のない聲を上げます。

「そうだな」

「どうして絵本なの?」

お兄ちゃんは丁度図書館のり口にある案板を見て「これどんな風に見える?」と聞いてきました。

板はあたしの長と同じくらいで書かれてある地図がよく見えます。

「地図がよくみえるよ?」

それが何だというのでしょう?

「そうか、こっちからは外側の枠しか見えない」

それだけいうとお兄ちゃんは歩き始めます。それを追いかけながら「あーにぃどういうこと?」と尋ねますが、お兄ちゃんは答えてくれませんでした。

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