《妹と兄、ぷらすあるふぁ》空腹
學校帰り、今日は納得いかないことがあってあたしはし怒っています。
それで、家にはいるときにドアを雑に開けてしまったせいでしょうか、部屋でランドセルを下ろしてリビングに向かうとお兄ちゃんに「今日はどうかしたのか、妹よ」と聲をかけられました。
「今日、學校でね……」
だから、せめてお兄ちゃんに聞いてもらおうと話し始めます。
「授業中に先生に『ちゃんと勉強しろよ』って言われたから、晝休みに勉強してたんだけど」
そこまで言って一度息継ぎします。思いの外に早口になってしまったので、ついでに落ち著いて
「そしたら今度は『子供は外で遊びなさい』って怒られたの」
今思うと怒られたと言うよりも注意されたじでしたが、問題はそこではないのです。
言い終わってお兄ちゃんを見ると、クスクスと笑っていました。
だから頬を膨らませて怒ると笑ったまま「悪い悪い」と平謝りします。
「何か微笑ましくてな」
「微笑ましい?」
思わぬ返しに怒っているのを忘れてあたしは首を傾げます。
「妹は最高のスパイスってなんだと思う?」
急にそんなことを問われ更に首を傾げるとお兄ちゃんが口を開きます。
「答えは空腹だ」
「空腹?」
あたしにはもうお兄ちゃんが何を言いたいかわかりません。
「結局その人の狀況次第ってことだ」
「つまりどういうことなの?あーにぃ」
「どういことだろうな」
お兄ちゃんはそう言うともう何も言ってくれませんでした。
その時のやらなんやら次第で、人の考えなんて簡単に変わったりするものです。
相反するように見えるAもBも正しいとき、人は割とどうにもできなかったりする気がします。
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