《妹と兄、ぷらすあるふぁ》七夕

今日は年に一度の七夕の日です。小學校では短冊にお願い事を書き、先生が何処からか持ってきた笹にそれを吊しました。

お願いと言っても笹に吊して皆に見られるかもしれないので、一番の願い事は書いていません。

だから、二番目のお願いとして『背が高くなりたい』と書いたら、男子にからかわれました。

それをみた、友達に「ちっちゃくて可いから今のままでいいよ」とフォローされましたが、フォローになっていませんでした。

家に帰って今は素麺を茹でています。なんでも、七夕の日には素麺らしいです。

理由は解りませんが、だんだん暑くなってきたので素麺も悪くない気がします。

素麺が茹で上がり、それを冷まして氷を乗せて、テーブルに持って行った所でお兄ちゃんを呼びます。

「あーにぃは何かお願い事とかあるの?」

素麺を食べながらふとお兄ちゃんに尋ねます。

お兄ちゃんはし考えてから

「別に思いつかないな」

と言います。あたしはそんなものかと、思いながら素麺を啜りました。

食事も終わりお兄ちゃんと外に出て行きます。今年は晴れるとのことで、天の川をみることはできなくても雰囲気だけでもと言うことで空をみながらと言うことだったのですが、

「曇ってるな」

「うん、曇ってるね」

空は暗く雲があるかも怪しいですが、星が見えないということは曇っているのでしょう。

それでも折角外に出たと言うことで、夜の町を歩きます。

まだ真夜中という時間ではありませんが、通る車の數もなくひっそりとした町はいつもとは違いしワクワクしました。

さて帰ろうかとなったとき、空をみるとちらほらと星がっているのが見えました。

「あーにぃ、星が……」

と言ったところで「ふわ〜…」と欠が出てしまいます。

「だいぶ晴れてきたな。でも、眠いだろ」

お兄ちゃんがそう言って笑います。あたしは首を振って否定しますが、途中でもう一度欠をしてしまい説得力はありませんでした。

晴れた空に名殘惜しさをじながら家に帰る道。あたしは半分眠ったかのように歩いていましたが、

「願いね。今の生活で十分すぎるからな……」

お兄ちゃんは何かつぶやいているようでした。

何とも言えない気持ちを表現するのは難しい(本編無関係)

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