《妹と兄、ぷらすあるふぁ》コイントス

「ペン回しってありますよね」

「そうだね」

「えっと、私気に障ること言ってしまいましたか?」

ペン回しの話題を出したせいで、冬ちゃんがし不機嫌になってしまいました。

月ちゃんは冬ちゃんがペン回しできなかった過去を知らないので、仕方ないと思いますが。

こっそり月ちゃんに教えてあげると、慌てたように話を進め始めました。

「そう言うので、何となく練習したってありますよね」

「&を書く練習とか?」

「そう言うのです」

冬ちゃんの機嫌が直って、月ちゃんが安心したように息を吐きます。

冬ちゃんが不機嫌になると言うのも珍しいので、月ちゃんの気持ちも何となくわかります。

「ト音記號とかも難しいよね」

「そうですね。でも、私コイントスが上手くできないんですよね」

「コイントスって、コインをはじいて裏か表かってヤツ?」

「はい、何と言うか上げた後に上手く取れないんですよね。

その代り、妙に低空でコインを回せるんですよ」

「どういう事?」

尋ねてみると、月ちゃんが十円玉を財布から取り出しました。

よく見るように親指でコインを真上に飛ばすのですが、ちゃんと回転しながら一センチくらいだけ上がって機の上に落ちました。

ぴょこんってじで可じです。

「ねえ、月。確かにすごいかもしれないけど……」

「全く使い道ないんですよね。どっちかと言えば、半回転だけさせるっていう方が役に立つんですけど、使う機會なんてほとんどないです」

月ちゃんは乾いた笑顔を見せました。

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