《妹と兄、ぷらすあるふぁ》リアル

「この前ネットで、自分の験を絵で描いている人を見たのよ」

「例えばどういうのですか?」

「ふと気が付いたら、橫斷歩道の白線だけを踏んでいたとかかしらね。

ある程度共を得られそうなことを中心に書いていたわ」

確かに橫斷歩道の白線だけをと言うのは分からなくもないです。

むしろ、分からない人の方がないような気もしますが、ある程度と言う事はねぇね的には分から無い事もあったのでしょう。

「有名な人らしくて、結構な數のコメントを貰えていたんだけど」

「羨ましかったってことか?」

「羨ましいけど、違うわよ」

お兄ちゃんに水を差されて、ねぇねがし怒った聲を出します。

お兄ちゃんは素知らぬ顔で「じゃあ何だ?」と尋ねました。

「コメントの中に、もっとこうした方がリアルだ、みたいなものがあったのよ」

験談なんですよね?」

験談なのによ」

実際に起こった事を書いているはずなのに、リアリティの話をしても仕方がないように思います。

「とは言え、私もコメント見た瞬間に同意しかけたんだけどね。

何と言うか、人間ってモノをし垣間見たわね」

「どういう事ですか?」

「自分が験した事が無いものはリアルじゃない、ってことかしら。

現実に起こっている事でも、自分の理解や験が無ければ、認めない人はいるのよ。

私もそうだったんだって、気が付いたわね」

何だか難しい話になったような気がします。

話し終えたねぇねは、呆れたように笑って「もっとこうした方が面白いってコメントには同意しようがなかったけどね」と付け加えていました。

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