《妹と兄、ぷらすあるふぁ》注意書き

「姫、なあ姫」

「……姫ってあたし?」

「他に誰がいるんだ?」

もう慣れたと思っていた雪ちゃんの呼び方ですが、さすがに桃がっていないのは想定外です。

あと、姫と言うのも言われて恥ずかしいものがあります。

「姫はお風呂るだろ?」

「勿論るけど、どうしたの?」

浴剤ってあるだろ? でも駄目だったんだよ」

「どういう事?」

浴剤が駄目ってどういう事なんでしょう?

困ったので月ちゃんに助けを求めます。気が付いた月ちゃんが嬉々としてやってきました。

「桃さんどうしたんですか?」

「雪ちゃんが、浴剤が駄目だって言っているんだけど、どういう事かわかる?」

「炭酸ガス系の浴剤ってあるじゃないですか。

小雪は湯船につかりながら、溶けるまで遊ぶのが好きみたいなんですが、注意書きに『溶けきってから浴してください』って書いてあったみたいなんですよ」

「死ぬのか? 注意書きを無視したら死ぬのか?」

なぜか必死な雪ちゃんに「死なないと思うよ」と返します。

雪ちゃんは、ぽかんとして「じゃあなんで注意書きがあるんだ」と言います。

注意書きってそんなに切羽詰ったでしたっけ?

「たぶん、クレームれなかったら、好きにしていいんじゃないかな?

自己責任の範囲だと思うから」

「何だ、気にしなくて良いのか」

「良いってわけじゃないけど……」

元気になった雪ちゃんにこれ以上何も言えませんでした。

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