《妹と兄、ぷらすあるふぁ》してしまう

晝休み、今日の五時間目に小テストがあると言う事で、雪ちゃんが月ちゃんに勉強を教えてもらっていました。

雪ちゃんが進んで教わっている姿を見るのは珍しいですが、今まで小テストの點數が悪かった雪ちゃんは、今日のテストでも悪い點を取ったら放課後に補習があるんです。

「雪ちゃん、進んでる?」

「おお、桃。月が酷いんだ」

「私は教えてあげてるだけでしょ? もう教えないよ?」

月ちゃんの気持ちは分かりますが、雪ちゃんがあたしの名前を普通に呼んだのはそれくらい切羽詰っていると言う事なんでしょう。

逃げ出したいって気持ちも分かります。

「月ちゃん、雪ちゃんは大丈夫そう?」

「そうですね。半々……でしょうか。ようやくこの公式の使い方を分かってくれたんです」

「分かったんだ。分かったんだから、もういいと思わないか?」

「でも、次の公式まで覚えないと小テストは厳しいと思うよ?」

雪ちゃんの為を思って本當のことを言ったのですが、雪ちゃんの耳にはっていないみたいです。

「この公式を覚えてしまったから、次の公式を覚えないといけないんだろ?

どうしてなんだろう。どうしてボクは公式を覚えてしまったのだろう。

覚えても待っていたのは、次の公式だと言うのに」

「何の為って、小テストの為でしょ? 今日の放課後補習けたいの?」

月ちゃんの宣告に、雪ちゃんがピタッと文句を言うのを止めました。

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