《妹と兄、ぷらすあるふぁ》漢字

「桃、ちょっといいかな?」

學校についたあたしを、深刻な顔をした冬ちゃんが待っていました。

とつぜんのことであたしは目を丸くしてします。

「冬ちゃんどうしたの?」

「雪がね……」

「雪ちゃんがどうしたの?」

「勉強してるの」

冬ちゃんが指差した先で、雪ちゃんが勉強をしています。

とても真剣で、別に驚くほどじゃないと思ったのですが、雪ちゃんが勉強していると言うだけで驚くことだと気がつきました。

熱でもあるんじゃないかと雪ちゃんに駆け寄ります。

「おお、桃栗。ちょうどいいところに來た。

もぐらって漢字でどう書くか知ってるか?」

「え、もぐら?」

急なことで頭が働きません。

あたしが答えられないからか、雪ちゃんが得意気な顔をしました。

「実はな」

「土に竜だったよね」

あたしの代わりに冬ちゃんが答え、雪ちゃんが不満そうな顔をします。

「じゃあ、くらげは?」

「海に月」

「イルカ」

「海豚」

冬ちゃんが難なく答えていくのですが、雪ちゃんは、パタンと勉強に使っていたノートを閉じてから、諦めたような顔でどこかにいってしまいました。

    人が読んでいる<妹と兄、ぷらすあるふぁ>
      クローズメッセージ
      あなたも好きかも
      以下のインストール済みアプリから「楽しむ小説」にアクセスできます
      サインアップのための5800コイン、毎日580コイン。
      最もホットな小説を時間内に更新してください! プッシュして読むために購読してください! 大規模な図書館からの正確な推薦!
      2 次にタップします【ホーム画面に追加】
      1クリックしてください