《妹と兄、ぷらすあるふぁ》あっさりと

「こう、家ってものが無いと広いのに、ものが多いと狹くなるわよね」

「何當たり前のことを言っているんだ?」

「ふと思っただけよ。そろそろ新生が引っ越してくる時期じゃない」

「もうししたらだろうけどな。はやい人で三月末くらいじゃないか?」

そう言えばもうすぐ中學校も卒業式だなと思いつつ、二人の話を聞いています。

ねぇねも引っ越してきたんだなと思って、尋ねてみる事にしました。

「ねぇねも引っ越してきたばかりの方が広かったって思いますか?」

「広かったわね。ものが無くなって改めてこんなにこの部屋広かったんだって思ったわ」

「ねぇねの家ってワンルームなんでしたっけ?」

「ワンルームね。一部屋しかないけど、二~三人くらい手足をばせるくらいの広さがあったのに、結局布団を一枚敷く分の広さになっていたのよ。

やっぱり、簞笥とか本棚は場所取るわ」

普段からおいてあるので気にしていませんでしたが、うちのリビングだとソファとテーブルが無ければもっと広くなるかもしれません。

さて、こんな話をしてねぇねが帰るとなった時です。

玄関で靴を履いたねぇねがふと思い出したように話し出しました。

「そう言えば、一応今日でここに來るの最後になると思うから」

「突然だな」

「明後日引っ越すのよ。家に帰っても、もう最低限のしかなくて寂しいわ」

だから、部屋の話をしていたのかとも思いましたが、問題はそこではありません。

あたしが何かを言おうとして、言えないでいたら、ねぇねが「じゃあ、妹ちゃん。またね」と手を振って出て行ってしまいました。

ねぇねはこれで離という事になります。

でも、たぶん卒業式の日には帰ってくるような気がします。

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