《妹と兄、ぷらすあるふぁ》勉強

あたしのお兄ちゃんは頭が良いです。

とてもいいと言うわけではありませんが、お兄ちゃんが行っている大學はなくともこのあたりでは一番の大學らしいです。

でも、お兄ちゃんでも簡単な問題を間違えます。

「昔、あーにぃが簡単なところで間違えて困っていたことがあったよね」

「ああ、懐かしいな。妹が気が付いたんだっけか。

で、簡単な問題でも慎重に解こうとしていた妹が宿題終わらなくて困ってたな」

「そんなところまで思い出さないでよ」

余計なところまでお兄ちゃんが思い出すので、あたしは照れて頬が赤くなってしまいます。

しかし、気持ちを切り替えてお兄ちゃんとの話を続ける事にしました。

「結局、勉強ってどうやって楽するのかって部分があるよね」

「否定はしないが、肯定も出來ないな」

「うん。楽することにばかり目が行って、問題が何を訊いているのかを理解できなかったら駄目だもんね。

公式だけ覚えて、當てはまりそうなところに當てはめるだけだと、何処かでボロが出ちゃう。

でも、楽するって考えたら、ちょっとずるいなって思っちゃうな」

「妹は良い子だからな」

お兄ちゃんは「良い子」と褒めているような言葉を使いますが、どうにも皮を言われているような気がしてなりません。

ちょっと不満なので「どういう事?」と尋ねてみたら、お兄ちゃんがよどみなく答えます。

「まあ、言葉通りだが。そうだな、よりたくさんの問題を解くために、すでに分かっているところは確認程度にとどめるってじじゃないか?」

言いたいことは分かりますが、お兄ちゃんはあたしの質問には答えていないよなと思いました。

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