《妹と兄、ぷらすあるふぁ》名前

あたしのお兄ちゃんは素直じゃないです。

あたしが好きな唐揚げをくれるだけの為に、噓をついてあたしを怒らせるくらいには素直じゃないです。

「あーにぃって素直じゃないよね」

「自分でも嫌って思うほど素直だと思うけどな」

「でも、昔自分の事適當な名前で呼んだよね?」

お兄ちゃんも覚えていると思ったのですが、そうではないらしくお兄ちゃんが要領を得ない反応を見せます。

もしかしてあたしの思い違いだったかなと思って「渡辺洋一郎って言ってたよね?」と口にしてみたら、思い出したように「ああ」とお兄ちゃんが反応しました。

「そんな事もあったな」

「渡辺洋一郎って誰なの?」

「別に誰ってわけじゃないな。何となく思いついた。

と、言うかあの時、お兄ちゃんの名前ちゃんと覚えていたのか?」

「覚えてたよ。秋人だよね?」

「本當は渡辺洋一郎と言う」

また適當な事を言うお兄ちゃんに、今度は騙されまいと頬を膨らませます。

今は唐揚げが無いので簡単に許してあげません。

「冗談は置いといて、妹の方が素直じゃないと思うけどな」

「そんな事ないもん」

「でも、あの時普通に唐揚げあげようとしてもけ取ってくれなかったろ?」

それとこれとは違うと思うのですが、上手く言い返す言葉が思い浮かびませんでした。

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