《【コミカライズ配信中】アラフォー冒険者、伝説となる ~SSランクの娘に強化されたらSSSランクになりました~》第269話 ブラン・ディッドル
☆★☆★ 11月11日 単行本4巻発売 ☆★☆★
発売まで10日を切りました。
タッ公先生が描く、単行本4巻をよろしくお願いします
TSUTAYA様などでは、タッ公先生書き下ろしの特典がございますので、
是非お近くの書店でご予約ください。
ISBN : 978-4866752525
まさしく天を衝くとはこのことだろう。
その巨人族は見上げるほど大きかった。
「…………!」
アンリは息を呑む。
これまで自分より大きな魔獣を幾度も倒してきた。
自分よりも頭二つ長差がある巨漢とも戦ってきた。
だが、今アンリの目の前に聳えるそれは、魔獣とも巨漢とも違う。
いや、高さが問題などではない。
その見上げるような巨軀以上に、圧倒的な存在そのものにおののいたのだ。
Advertisement
「ブラン……殿…………」
初めて出會ったわけではない。
この作戦が始まる前に、1度だけ挨拶をわしている。
その時も大きいとは思ったが、戦場で見るとまた違う。
ブラン・ディッドル。
五英傑の1人にして、世界的にも珍しい巨人族の生き殘り。
21歳と若いが、なんと6歳の頃から戦場に出て戦ってきたという。
歳こそ今年19歳になるアンリと変わらないが、戦歴ならば遙か上を行く。
そして、その異名は【鉄槌(パイル)】。
得が大きな金鎚であることからも、その異名が付いた意味がわかる。
しかし、未だにアンリはそのブランが戦ったところを見たことがない。
そもそもブランの噂を、これまであまり聞いたことがない。
五英傑は【勇者】ルーハス・セヴァットとともに、どれも曲者揃いだ。
驚異的な膂力を有する【破壊王】イーニャ・ヴォルフォルン。
死者すら治すと言われる【聖】エラルダ・マインカーラ。
五英傑をまとめ上げ、軍略家でもある【軍師】ルネット・リーエルフォン。
いずれも活躍は音に聞く一級品の冒険者たちである。
だが、こんなに大きなブランの名前だけは聞かない。
聞くのは、その【鉄槌(パイル)】という騒な異名だけだ。
「ん? どうしたの、アンリ姫?」
自分のぐらいあるブランの目玉が、アンリを捉えていた。
本人は十分気を遣っているのだろうが、アンリは小さく悲鳴を上げてしまう。
そのリアクションの意図がわからず、ブランは首を傾げた。
気を悪くはしていないようだが、前髪が長すぎて、どうも表が読みにくい。
だから余計、2つの眼が異様に思えてしまう。
「姫……」
察したのかリーマットが聲をかけると、ようやくアンリは気を取り直す。
「すまない。ブラン殿、助太刀謝する」
「おおお、オレもお姫様を助けられて嬉しい。英雄みたいだ」
「英雄みたいとは……。ブラン殿はすでに五英傑という英雄ではありません」
「そそそ、そんなことはない。オレ、英雄じゃない」
ブランは慌てて否定する。
ルネットから紹介された時からこんなじだ。
消極的というか、ブランには自分を過小評価しているところがある。
かなりの戦績を殘しているはずなのに、自信がないというのは、どういうことだろうか?
ブランは首を捻る。
すると、ドッと轟音が響いた。
黒炎を纏った人の鳥が、アンリとブランの間に割ってるように突撃してくる。
蘇雀(すざく)だ。
アンリは戦場であることを忘れたわけではない。
寸前のところで躱す。ブランも同様だ。
2人がいた場所は、黒炎が立ち上り、土を溶かす。
強力な炎はれれば、骨ごと溶かされるだろう。
「そ、そそそ、それよりもどうする、お姫様?」
「どうする、というと?」
「あいつ、空を飛んでる。オレ、飛べない」
「は、はあ……」
「オレ、飛べないけど……。でも――――」
地上では最強……!
ブランの目が再びる。
アンリの背筋がぞくりと震え、また息を呑んでしまった。
口を開く度にどもりがっているのに、そこだけは明確に聞こえたからだ。
「なるほど。つまりブラン殿はこう言いたいのですね。まずあの黒い怪鳥を地上に落とす必要があると」
「そう。後はオレに任せろ」
ブランはを叩く。
ブレストプレートが質な音を立てた。
「あ。でも、1つ訂正」
「他に何かあるのですか?」
「オレ、地上で最強違う」
「え?」
「最強はヴォルフ・ミッドレス。あの人は強い」
「ヴォルフ殿を知っているのですか?」
質問してから、それはそうかと思った。
ヴォルフはルネットの招きで反軍に招かれていると聞いている。
王都からやって來たアンリとは、すれ違いになってしまったが、出會っていてもおかしくないはずだ。
「ヴォルフ殿、すごい。オレ、ファン」
「え? ヴォルフ殿のファン?」
「あの人の噂は々聞いた。それ聞いて、オレ――ファンになった」
五英傑で、【鉄槌(パイル)】と言われているブランが?
一瞬呆けるアンリだったが、すぐ口元を緩めて笑った。
「私と同じですね」
「お姫様もヴォルフ殿のファン?」
「ええ! 大ファンです。だから、私は行かなければなりません。あの人が戦う王都へ……。今度は逃げない」
今度こそ、最後まで見屆けてみせる!
アンリは深く心に誓う。
構えを見て、ブランは笑った。
「なら、ブランも一緒に行こう」
「いいのですか?」
「オレもあの人が戦うところを見てみたい」
今度ははっきりとわかった。
ブランは笑っているのだ。
それに応じるように、アンリもまた笑う。
「なら一緒に行きましょう。ヴォルフ様の元へ。やるぞ、リーマット、ダラス」
アンリは勇ましく部下に聲をかける。
「やれやれ、どういう共闘なのだか」
「いや、これこそがアンリ姫ですよ」
リーマットは頭を掻く一方、ダラスもまた口を開けて笑う。
こうして【鉄槌(パイル)】ブラン・ディッドルと、『葵の蜻蛉(ブルー・ブライ)』の即席パーティーは結されたのだった。
昨日、COMICメテオのサイトでコミカライズ12話(後編)が更新されております。
無料で読めますので、4巻を買う參考にしてくださいね。
【書籍化】白の平民魔法使い【第十部前編更新開始】
魔法使い。 それは魔法を駆使して戦い、守り、救う超越者。 だが、魔法使いの世界は才能が物を言う。長く続く魔法の歴史は才能ある一族だけを拾い上げ、今では魔法使いは貴族のみとなった。 ここマナリル國でもそれが常識。 マナリル國有數の教育機関であるベラルタ魔法學院には今年も優秀な魔法使いの卵が集まっている。 そう、一人を除いては。 一際目を引く素樸な少年。 煌びやかな世界とは無縁の田舎者。 そこにいたのは學院唯一の平民だった。 "魔法使いになりたい" 魔法になりきれない魔法の使い手による夢を葉える物語が今始まる。 ※この度KADOKAWA様から書籍化する事となりました!11月13日発売です! ♢ 第五部完結しました! 第一部『色の無い魔法使い』完結。 第二部『二人の平民』完結。 第三部『初雪のフォークロア』完結。 第四部『天泣の雷光』完結。 第五部『忘卻のオプタティオ』完結 第六部『灰姫はここにいる』完結。 第七部『氷解のミュトロギア』完結。 第八部『翡翠色のエフティヒア』完結。 第九部『呪われた魔法使いとお姫様』完結。 第十部前編『星生のトロイメライ』更新準備中……。 第十部後編『???』 王道ファンタジー、だと思います。
8 156ヤメロ【完】
他人との不必要な関わりや人混みが苦手ということもあり、俺はアウトドア全般が昔から好きではなかった。 そんな俺の唯一の趣味といえば、自宅でのんびりとホラー映畫を鑑賞すること。 いくら趣味だとはいえ、やはり人が密集する映畫館には行きたくはない。それぐらい、外に出るのが好きではなかったりする。 だが、ある映畫と偶然出會ったことでそんな日常にも変化が訪れた。 その映畫の魅力にすっかりとハマッてしまった俺は、今では新作が出る度に映畫館へと足繁く通っている。 その名も『スナッフフィルム』 一部では、【本當の殺人映像】だなんて噂もある。 そんな噂をされる程に上手く出來たPOV方式のこの映畫は、これまで観てきたホラー映畫の中でも一番臨場感があり、俺に最高の刺激とエンタメを與えてくれるのだ。 そして今日も俺は、『スナッフフィルム』を観る為に映畫館の扉を開くーー。 ↓YouTubeにて、朗読中 https://m.youtube.com/channel/UCWypoBYNIICXZdBmfZHNe6Q/playlists ※ 表紙はフリーアイコンを使用しています 2020年4月27日 執筆完結作品
8 97気付いたら赤ん坊になって異世界に転生していた主人公。そこで彼は、この世のものとは思えないほど美しい少女と出會う。既に主人公のことが大好きな彼女から魔術やこの世界のことを學び、大量のチートを駆使して、異世界を舞臺に無雙する! ついでに化け物に襲われていたお姫様を助けたり、ケモミミ奴隷幼女を買ったりして著々とハーレムを築いていく。そんなお話です。 ※この作品は『小説家になろう』様でも掲載しています。
8 593人の勇者と俺の物語
ある世界で倒されかけた魔神、勇者の最後の一撃が次元を砕き別世界への扉を開いてしまう。 魔神が逃げ込んだ別世界へ勇者も追うが時空の狹間でピンチが訪れてしまう。 それを救うのが一ノ瀬(イチノセ) 渉(ワタル)、3人の少女と出會い、仲間を得て、 魔神を倒す旅へ出る。 2作目の投稿となります。よろしくお願いします!
8 71俺の大好きなアイドルが妹だった?!(仮)
ストック準備中 日本、いや世界中に愛されるアイドルがいた。その名もMain。リーダーのあいを含む3人ユニット。 そんな人気アイドルのあいが何と俺の妹だった?! ただのメガネ妹が自分の大好きなアイドルだと知った主人公、坴(りく)の日常ストーリー。
8 136獣少女と共同生活!?
ある日、朝倉 誠は仕事帰りの電車で寢てしまい、とある田舎に來てしまう。 次の電車まで暇つぶしに山へ散歩に行くと、そこにはウサギのコスプレをした少女がいた。 彼女から帰る場所がなくなったと聞いた誠は、自分の家に招待。そして暫くの間、一緒に過ごすことに。 果たして、彼女との生活がどのようなものになるのか? ※作者からの一言 この作品は初投稿で、まだ不慣れなところがあります。ご了承下さい。 また、投稿間隔は気まぐれですが、金曜日に投稿出來るように努力します。毎週ではないですが……。 1話あたりの文字數が1,000〜2,000文字と少ないですが、ご了承下さい。 リクエストなども隨時受け付けています。全ては不可能ですが、面白そうなものは採用させて頂く予定です。 また、小説投稿サイト「ハーメルン」でも投稿しているので、そちらも宜しくお願いします。
8 160