《【書籍化】『ライフでけてライフで毆る』これぞ私の必勝法》再闘 勇者VS悪魔
いつも応援、本當にありがとうございます。
第1巻、2023年1月20日発売です。
(更新五分後修正 発売日間違えた。10日です……)
(前話)
ついに、奴らが現れた。
◆◆◆◆◆◆◆◆
名前:オーガ
LV:46
狀態:警戒
◆◆◆◆◆◆◆◆
四対の目が、こちらをしっかりと抜いてくる。
そっか。レベル46。
向こうも、あの時のままでは無いということだね?
けれど、こっちだってそれは変わっていない。
◆◆◆◆◆◆◆◆
名前:ユキ
職業:聖
レベル:50
HP:17441
MP:0
◆◆◆◆◆◆◆◆
むしろ、より強くなったのはこちらだ。
今なら、守護結界もあるしね。
「ふふ。この前のようには行かないから」
【充填】を継続。
彼我の距離は、充分にある。
ゆっくりと近付いてくるオーガたち。
警戒しているんだろう。
けれど。
「私にそれは悪手って。習わなかったっけ!?」
40秒、50秒なんてあっという間。
お互いに発見し、ジリジリと距離を詰めあっている間に。
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私のからはもうすでに淡いが溢れ出していた。
いい加減に、マズさに気付いたか。
司祭の服をしたオーガが杖を掲げ、何らかの詠唱を始める。防魔法かな?
そして、私に攻撃をさせまいと一気に駆けだすサムライオーガ。
パラディンだっけ。重裝備の彼は、大きな盾を構え何かを溜めている。
「全部、遅いんだよね」
かざした掌から、家屋の一つや二つ飲み込んでしまえるようなビームがぶっぱなされる。
荒れ狂うの奔流。
絶対不可避と思われたそれは、突如として彼らの前に現れた球狀の薄いによって全て飲み込まれた。
私から見えたところによると、恐らくやったのはドルイド。
詠唱を途中で止めて、何か咄嗟に杖を振ったかのように見える。
大きな一手は防いだ。
ならば次はこちらの手番。
そう言わんばかりに、彼らから気炎が上がる。
私はそれをけて、ポーションを飲むと敢えて用の杖を仕舞った。
「……【GAMAN】」
武のアクティブ狀態が解除されたことで、守護結界が一時的に消滅する。
つまり、私のを護るものは何も無い。
まず、斜めの斬撃が飛んできた。
回避する間もなく、直撃。大きくよろめかされる。
追撃は、真空の刃。
荒れ狂う暴風がわたしのを包み、切り裂いていく。
「くっ……」
「グルォォォォ!!」
突如として、空から轟音。
いくつかの流星が、私に降り注ぐ。
魔法名で言えば、隕石落下(メテオフォール)。
私にとって、因縁の魔法だろう。
だけど、これじゃまだまだアレには及ばないかな。
強い衝撃に膝をつきそうになるけれど、それはわたしのちっぽけプライドが許さない。
この程度の魔法で膝を付くなんて、親友(カナ)に顔向けできないからね!
きっと前を睨む私。
薄するほどの距離にまで詰めてきていたサムライと、目が合った。
彼の瞳に浮かんでいたのは、決意か、それとも恐怖か。
斜めに、橫に、斜めに、縦に。
五月雨のような斬撃が、私を切り刻む。
下がった彼とれ替わりのように飛んできた追撃の火球にを包まれながら、HPを確認する。
流石に、6割以上は持っていかれたか。
素晴らしいコンビネーション。とんでもない火力だね。
けれど、それはすなわち──
「お返し、だぁっ──!!」
【解放】
反撃を警戒し散開しようとした彼ら4人を包み込むように、突如として魔法陣が浮かび上がる。
即時に展開された結界が、その場からの移を封じた。
その瞬間。全てを焼き盡くすが空から降り注ぐ。
しささえじさせる極の柱が、襲いかかった。
「ふふっ。の裁きからは、逃れられないんだよ?」
いや、こんな演出知らんけど。
今この場で突っ込むのは野暮というものだろう。
そもそも。
「まだ、終わらないんでしょう」
即座に、杖を展開。【充填】を開始する。
が晴れた先には、果たして四人の姿が殘されていた。
ところどころ裝備などに汚れはあるものの、ダメージ自は全てカットされたか。
大きな盾を掲げた姿勢でいるパラディンだけがボロボロな様子を見るに、彼が何かしたかな。
でも、
そこまでは、読めてるから。
生きた心地がしなかったか、それともあまりの反撃に衝撃をけたか。
せっかく耐えきった彼らがそれをしっかりと認識するのには、10秒程度は要した。
その時間は、重い。
ドルイドがパラディンに寄り添い、彼のからだを淡いで包む。
あ、あれ回復魔法じゃん。いいな。
サムライと魔師の方は、しでも私を削っておこうという判斷に出たか。
彼の元から連続で火球が飛んできて、それらが全て私に著弾する。
サムライさんも。しかし彼は何故か寄ってこず、遠距離攻撃に徹するようだ。
幾本かの斬撃が私のを切り裂き、守護結界を削っていく。
當然だけど、そんなもので私の結界は揺るがない。
まぁ、さっきまで大技を連打したばかりだ。
あれで倒しきれず痛い反撃を貰った時點で、今は軽い牽制程度で私の力を削りつつ、立て直すための時間を繋ぐつもりなのだろう。
あの連打を食らっても、私の力はまだ5000ほど殘っていた。
相手も、護りの切り札を2つ使った(多分)上で、まだまだ余力は充分。
だから今は、お互いに、立て直すための時間。
──その認識が、大間違いだ。
HPを見る。
殘り數パーセント。
これはもちろん、徐々に減り続けている。
そう。私は、ここで、決める。
充填完了まで、間もなく。
私は大きく息を吸った。
呼応するように、先頭のサムライオーガが息を吸う。
前回の、焼き直し?
──否。
「させないよ。【聖の瞳】」
強い意志を込めて、彼を睨みつける。
狙い通り。侍の彼はきを止めた。
ならば。
止められないよね?
「【がおーーっ!!!!!!!】」
渾の雄びが、空気を震わせる。
侍も、騎士も、士も、司祭も。
全員のきが、固まった。
「……これで、終わり」
【発】
柱のような線が、オーガたちに迫る。
けれど、もう彼らに防ぐ手段は存在しない。
なすすべもなく飲み込まれ、
そしてが去った後には、何も殘されていなかった。
『特殊部隊『大鬼(オーガ)の希(ホープ)』との戦闘に勝利しました』
わたしの、勝ちだ。
ユキ『バトロワで使えなかった切り札やっと使えたぁー!!』
□
これが、3章におけるメイン戦闘でした。自分なりに、満足な死闘を書けたと思っております。
□
ここが2年ぶりの勝負どころなのかもしれないと気合いの連続投稿。
ランキングに乗せてくださっている皆様のおかげです。ありがとう。
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