《【完結】「お前の嫉妬に耐えられない」と婚約破棄された令嬢の醫療革命〜宮廷醫療魔師に推薦されて、何故か王國の次期騎士団長様に守られる生活が始まりました〜【書籍化】》8.ウィンのその後(ざまぁ)

サクラと婚約を破棄したウィンは、その後も馴染であるモミジの面倒を見続けていた。

その後も、モミジは事ある毎にウィンの家を訪ねていた。

軽く転んだ、めまいがする、がだるいといったどれも命に関わるような癥狀ではないのにも関わらず、モミジは大袈裟に騒ぎ立てた。

「モミジ、これなら大丈夫だからもう家に帰ってくれないか?」

「ウィン様は私を見捨てるんですか!!」

流石のウィンもこの頻度では他の仕事に手がつけられなくなってしまっていた。

モミジを帰らせようとすると、この通りまた大騒ぎするから帰ってくれとも気安く言えたりはしない。

「はぁ、やっと帰ってくれた……」

ウィンはリビングのソファーにを預けると、天井を眺めた。

サクラと婚約を破棄してから、モミジがうちに來る頻度が急激に上がった気がする。

今では、ほぼ毎日何かしらの理由をつけてウィンの家に來るようになっていた。

「これじゃあ、仕事にならないよな……」

ウィンの仕事は溜まって行く一方であった。

今までは、流石のモミジもサクラという婚約者がいる手前、しは遠慮しているところがあったのだろう。

しかし、今はウィンに婚約者は居ない。

モミジにとっては何の気兼ねもなくウィンの家にり浸ることができるという訳である。

「サクラ……」

ウィンはふとサクラのことを懐かしむように思い始めた。

本當に大切なものは失ってからではないと分からないとはよく言ったもんだと思う。

今になってサクラの大切さがに染みてわかるようになってきた。

心にぽっかりと大きなが空いてしまったようなじがする。

しかし、今更サクラの大切さに気づいても遅いのである。

「サクラは宮廷魔師に推薦されたんだったな……」

ウィンはボソッと呟いた。

宮廷魔師に推薦されるというのは大変名譽なことなのである。

國の中から數十人ほどしか宮廷に仕える魔師は居ない。

そのひとりにサクラは選ばれたのだ。

「遠い存在になってしまったな」

元はといえば自分の婚約者であった彼が今や一國の宮廷魔師なのである。

もし、サクラともう一度やり直せるなら。

そんな淡い期待をに抱くが、そんな自分勝手な想いが通じるわけがなかった。

「ウィンさまーー!!」

今日もモミジの聲がウィンの屋敷にこだまする。

「モミジまたか」

今日はどんな癥狀でうちを訪ねてきたのだろうか。

考えるだけでも頭が痛くなってきた。

モミジは本當の妹のように思っている。

だから、いつも親に看病したり話を聞いたりしてきた。

しかし、それにも限度というものがある。

「ウィンさま、見てください! 服が汚れてしまいました」

もはや、の不調ですら無くなった。

「それで、俺は何をしたらいいんだ?」

めてください!」

モミジは満面の笑みを浮かべて言った。

「はぁ」

聞こえないくらいの小さなため息を吐くと、ウィンはモミジを家に上げた。

「サクラ……」

サクラと婚約を破棄してしまったこと、やはり間違いだったかもしれない。

ようやくそう思える日が來てしまった。

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