《ロング・ロング・ラブ・ストーリーズ 4度目のさようなら that had occurred during the 172 years》第3章 1983年 プラス20 – 始まりから20年後 〜 2 再會
2 再會
――確か、ポットにお湯がっていたはずだ。
部屋の隅に置かれていた魔法瓶を思い出し、剛志は慌てて聲をあげた。
「お茶を淹れます。だからまず、そこに見える離れまで來てください。大丈夫、大丈夫ですからね……」
そうは言ってみたものの、何が大丈夫なんだと問われれば、剛志に答えなど返せない。
最初、その顔が目にった瞬間、思わず聲をあげそうになった。良かった! だったか……? もしかしたら、その名をぼうとしたのかもしれない。
しかしすぐに、事はそう単純ではないと気がついたのだ。
だから一度は、そのを隠そうとまで考える。
それは、剛志の立つすぐ目の前だった。
さっきまで揺れていた空間に、いきなり細長い扉のようなものが現れた。銀に輝く金屬のようで、そんなものがなんの支えもなくポッカリ宙に浮かんでいる。
ところが次の瞬間だ。それがとつぜん形を変えた。
い扉のようだったそれが、驚くなかれ、一気にまあるく膨らんだのだ。さらに膨らんだところが細長くびて、それが地面に向かって一直線だ。あっという間に地面へと続くスロープとなり、よくよく見れば、階段らしき段差までが見える。
――……ってことは、まさか、誰かが下りてくる?
そんな思いと同時に見上げれば、銀の扉は消え去って、あった形そのままポッカリが空いている。扉だったものが階段へと変化して、消え去った扉の奧から別の空間が姿を見せた。
きっと今にも、そこから何かが下りてくる。そんな恐怖に震え上がって、思わず二、三歩後ろに飛び退いたのだ。するとその時、意味不明の空間から何かがヒョコッと顔を出した。
その瞬間、剛志の驚きは尋常じゃなかった。
電気ショックをけたように、數秒間息が吸えずに吐くこともできない。
だいたい、普通あり得ないのだ。何もない空間を切り裂くようにが開いて、そこから人らしき影が現れる。さらにもし、そんなのが階段を下り始めたら……?
――どうする? このまま離れまで一気に走るか?
そんな一瞬の迷いの中、現れ出た人が階段に足をかけ、ようやくその顔にもが當たる。
その時、自分が狂ってしまったと素直に思った。
あり得ない! あり得ない! あり得ない! と三度念じて、もう一回は聲にして「あり得ない……」と呟いたと思う。目にしているものが信じられず、呆然とその姿に目を向けていた。
そんな狀態の彼に向け、まさに衝撃というべき聲がかかる。
「あの……すみません……」
たったこれだけで、すべての疑念は消え去ってしまった。見間違いでもなんでもない。それは記憶にある聲そのもので、彼を見つめる顔にしたっておんなじだ。
「あの、ここっていったい……あ、火事は? あの、伊藤さん、いえ、背の高い男が、この辺にいませんでしたか?」
混する途切れ途切れの聲が、記憶の奧底にあったまま再び響いた。緩やかなスロープの真ん中辺りに立って、その顔はいくぶん上気したように赤らんで見える。
もう、どうあったって疑いようがなかった。大きな瞳をこぼれんばかりに見開いて、あの頃と変わらぬ姿がそこにはあった。
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