《妖刀使いがチートスキルをもって異世界放浪 ~生まれ持ったチートは最強!!~》22:夢と昔の思い出
俺は深く沈みきった意識を覚醒させる。
目を開けるとそこは見覚えのある場所だった。
寢ているを起こし周りを見渡す。し右を向くと、そこに目的の人がいた。額から黒い角が2本生えている鬼のの子が、いつもの椅子に腰を掛けていた。
「やぁやぁ、早速また來たんだね」
「まぁ、やむ追えぬ狀況でね」
「できれば來たくないとか言ってたのに」
なんて言いながらニヤニヤしている。ほんとこの世界の住人はニヤニヤする奴が多い。
「そんなにボクに會いたかったのかな?」
人のことおちょくりやがって、なんて思っていると、ある景が頭に浮かんだ。フラッシュバックというやつだ。
俺が見たのは、山の中、俺と一緒に遊んでいるの子、そこまでしか見えなかった。
「どうしたんだい?」
「いやなんでもない」
「で、來たくないって言ってた場所を訪れた理由は?ボクに會いに來たわけじゃないでしょ」
「いや、お前に會いに來たんだよ?」
俺がそういうとし頬を赤く染めた。俺が言っているのは、お前の力が必要だから會いに來た。だけどな?
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「あれ? お前、俺の心読めるんじゃないのかよ」
「あーあれね、あれはボクが呼んだ場合だけだよ。今回、君は自分で來たでしょ?」
ならこれからは俺から來よう、心なんて読まれたくないからな。
「で、用件は? まぁどうせ、あの竜種のことだろうけど」
こいつが知ってるってことはあの忠告はこのことで合ってるっぽいな。
「なんだ、知ってるんなら早い、てか知ってるなら聞くなよ。」
「君はボクにあの竜を殺すために、力を借りに來たのかな?」
え? 殺す? あの竜種を? なんで?
俺の頭の中に疑問が浮かぶ。
そして俺に発言を許さず、話をつづける。
「悪いけど、そんなことのために力は貸さないよ……」
表は暗い、まるでがっかりしてるかのように、俺はまだ何も言ってないのに。
「さぁ、それだけならかえっ「ちょっとまて!」……え?」
俺は何を勘違いしているかわからんばかの妄想を止めるために、話の最中に割ってる。
「お前は何を勘違いしてるか知らんが、俺はあの竜を殺す気はないぞ!」
俺がそういうと、「え?」と言いながらテンパっていた。だが、表は明るいものに変わっていた。
「俺はあの竜を助ける為に、お前の力を借りに來た」
俺が”助ける”と言った瞬間、の暗い表は明るい笑顔に変わった。そしてはいつも座っている椅子から飛び出して俺に抱き著いてきて、こんなこと言うのだ。
「流石、ボクのユウちゃん!そういってくれると思ってたよー」
「ってお前そんなこと言いながらさっき帰れって……あれ?ユウちゃん?」
その呼び方を聞いた瞬間。俺はまたフラッシュバックを起こした。今度は鮮明に。
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山の中、そう。ムラクモが納めれていた祠がある山だ。
その中で、俺と追いかけっこをしているの子、丁度俺が10歳ぐらいだろうか、俺は必死にの子を追いかけていた。そして、場面が切り替わる。
俺は必死にの子を探していた。ある日を境に姿を見せなくなったのだ。
俺はの子を探すために山の中を駆け回る。すると後ろから聲がかけられた。その聲は俺が探し求めていた聲だった。
「ねぇ、そこまで探して、そんなにボクに會いたかったのかな?」
その聲を聞き、後ろを振り向くと、俺の探しているの子がそこにいた。ピンクがのツインテール10歳の俺よりし長の高いが。だがそのは、俺の予想していた言葉とは違う言葉を発した。
「けどね、しばらくは會えないの。早く會いたかったら、ボクにふさわしい男になって迎えに來てよ」
そういうとの子は俺の前から姿を消した。そのの子の名前は……
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「ヨリヒメ?」
俺は小さな聲で呼んでみた。そう今まで忘れていたことを今思い出したのだ。
俺の呼ぶ聲を聞いた瞬間。目の前のは顔をあげた。目にたくさんの涙を蓄えて。泣きながら俺にこういうのだ。
「やっと……やっと思い出してくれた。ユウちゃん!」
さっきより力を込めて抱きしめてくる。あの時見たヨリヒメの似た目はあの頃とほとんど変わっていない、長も髪型も、ただ角が生えているか、生えていないかの違いだ。
「ごめんな、今ちょっといろいろ混してて、説明頼めるか?」
「ぐすん、もうしょうがないな」
そういうと泣きながらも、今の狀況を説明してくれた。
それは昔のを思い出した、俺からしたら、衝撃的な事実だった。
「えーっと? つまり? あなた様は、鬼種で、しかも黒鬼だと、あの時はからだの限界だったと、それで今まで俺の中にいた……と?」
まさか、子供の頃、気にしていたの子がまさかの人外で、しかも見えなくなったと思ったら、俺の中にいたと?
驚くべき事実だが、今はそっちじゃない。
「で、ヨリヒメは力を貸してくれるのか?」
「……まぁ思い出してくれたし、ボクにふさわしい男には屆いてないけど、候補として認めよう、うん!」
俺の頼みに、ヨリヒメは小聲でぼそぼそつぶやき、何かを決めたように頷いた。
「ん? どうかしたか」
「い、いや、なんでもないよ」
「で? どうなんだ?」
ちょっと、慌てるヨリヒメがとても可かったが、今は時間が心配だ。では5分以上たってるんだが、ヘイルは大丈夫だろうか。ティナも心配だ。まぁエルに任せているから大丈夫だとは思うが、できることなら早く戻りたい。
「しょうがない、殺すためじゃなくて、助けるためだからね力を貸すよ……早くボクにふさわしい人になってね」
とりあえず力は貸してくれるみたいだ。最後の方は聲が小さくて聞こえなかったが、まぁ、良しとしよう。
「じゃあ、はいこれ」
そういって渡されたのはかつて、俺がヨリヒメに渡したマフラーだった。
「ごめんね、せっかく貰ったなのに、ボクの依り代にしたら黒く染まっちゃった」
渡したときは白かった、そのマフラーは黒く染まっていた。
「いいよ、それでも依り代に使うぐらい大切にしてくれてたんだろ?」
俺はその黒く染まったマフラーをけ取り、それを首に巻く。なんとなくだが、ヨリヒメが一層近くにいるようにじた。
「そのマフラーを付けると、現実でも僕と話ができるよ!」
あぁ、また脳會話が増えるのか……ティナにも意思疎通のスキル譲渡する予定だしな。
「なにさ、その顔。僕と話すのがそんなに嫌なのかい?」
「嫌そうじゃないぞ? むしろ話せるのは嬉しい。これからよろしく頼む」
きっと俺はめんどくさそうな、表をしていたのだろう。ヨリヒメが不満そうに俺に聞いて來る。
俺は決してヨリヒメと話したくないわけじゃない、どちらかというと話したいのだ。だからヨリヒメの不満を打ち消すために、その言葉を否定した。
「そっか、ならいいんだ。フフフ」
ヨリヒメは俺の言葉を聞くと嬉しそうに微笑んだ。その顔はとても可くとてもおしかった。きっとこのが俺の初なんだろうなーと。
ただいまはそんな傷に浸っている時間はない。
「じゃあ、そろそろ戻るよ。あっちも心配だし」
「うん。ユウちゃん頑張って、そしてあの竜を、助けてあげて……」
「ああ、任せろ」
ヨリヒメの最後の言葉を聞き、そして、俺は目覚めるように意識をに戻した。
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