《妖刀使いがチートスキルをもって異世界放浪 ~生まれ持ったチートは最強!!~》23:黒い

《意識消失、確認。これよりスキル:憑依。使用します》

「憑依功。これより命令に従います」

そういうのは、ツキカゲ・ユウのに憑依した、エルだった。

今はヘイルが攻撃を引き付けていた。だが、さっきまで近くにいる敵を攻撃していた竜は今度は手當たり次第に周りを攻撃する。その中にはもちろん、近くにいた二人も含む。そんな中、尾・爪・噛み付き・ブレス。様々なものが二人を襲う。元炎帝であるヘイルに炎のブレスは効かない。エルは演算のスキルを用いて、攻撃を予測。的確に攻撃を躱していく。それと同時に解析も忘れない。エルにとって主であるユウの命令は絶対。そのを借りているのだ、傷つけるわけには行けない。

回避をし続け、もう解析も終わりかけていた。約束の5分はもうし。そんな時、ユウのスキルである、空間把握に反応があった。その反応を辿ると、どうやらティナの近くにゴブリンジェネラル3、それと取り巻きが何匹かと戦中。どうやら冒険者の一人を庇ってるみたいだ。それを確認し終わると同時に解析が終了した。

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「解析完了。引き続き命令を実行します」

エルはもう一つの命令を実行するため、ティナのもとへ向かう。

エルの行に驚きの聲をあげる。

「え? ちょっと、ユウ君? どこ行くの?」

そこには取り殘され、一人で黒竜の相手をする事になったヘイルがいた。

エルはそんなことを気にせずティナのもとへと急ぐ。

「目視で確認。命令を実行します。力をお借ります」

〝ユウの命令。しょうがない〟

エルはムラクモの承認を得て、靜かに刀を抜刀した。

ユウのに憑依しているエルは、自分のスキルと同時にユウのスキルも使用できる。

「邪魔です」

抜刀したムラクモで、道を塞ぐゴブリンを薙ぎ払う。雑魚処理は最低限。ただ一直線に、ティナのもとへと走る。その時、ゴブリンジェネラルの剣ががティナめがけて振り下ろされる直前だった。

「ますたーの。傷つけるのは許さない!」

エルは一気に魔力を高める。

「詠唱邪魔です。黙示録を解析。既存スキルを改変。略式詠唱を改変。無詠唱へと進化させます。功。取得します」

そしてエルはスキルを起しを詠唱を行わずに魔法を使用した。

使用したのは拘束型の闇魔法。

『黒影縛鎖』

剣を振り下ろそうとしたゴブリンジェネラルの一の足と剣を持った→腕に鎖が巻き付ききを止める。

エルはきを止めずに、拘束されてない一の首をムラクモの自在のスキルを使用し、的確に切り落とした。もう一ジェネラルは標的をユウ(エル)へと変え、剣を振り下ろす。

それと同時にエルはスキルを発させる。

「妖:影炎かげろう」

したのは妖のスキルだ。振り下ろされた剣はエルを捉えた。だが切られたはずのエルの姿は淡い炎へと姿を変え、ゴブリンジェネラルの腕へと巻き付く。ゴブリンジェネラルはび聲をあげる。しかしそのび聲は、後ろからエルにを刺されたことにより斷末魔へと変わった。

エルが何をしたのか? それは妖特有の幻に炎を組み込み、それを見せて、影移を使い背後に回り、炎に気を取られているうちに、を一刺し、ただそれだけ。そして最後の一は丁度、黒影縛鎖を突破したばかりだった。すぐに影移を使い、そいつの背後へと回る。そっと左手を鎧にれさせて、魔法を発させる。もちろん無詠唱を使用してだ。

『黒炎』

魔法が発する。するとその黒い炎は、ゴブリンジェネラルは鎧もろとも隅々まで、灰も殘さず燃え盡きた。

《意識の覚醒を確認、スキル憑依を解除》

◇◆◇

ゴブリンジェネラルが3、それに取り巻きも、ユウ様は黒竜と対峙中。私が一人で、冒険者を庇いながら戦うのは無理だ。目の前で剣が振り下ろされる。これはもう無理だ。ユウ様の言いつけを守れなかったな……ユウ様に私のすべてを捧げたかった。だがその瞬間、聲が聞こえた。その聲は聞き覚えがあり、今私が一番聞きたい聲だった。

『黒影縛鎖』

目の前のゴブリンジェネラルの足と腕が鎖に固定され、きが止まる。聲が聞こえた方を向く、そこには私の大好きな主がいた。取り巻きはすでに倒され、殘りのゴブリンジェネラル3は瞬殺された。そして私は何度目かわからない惚れ直しをした。

_________________________________________

「ふぅ、やっと戻ってこれた」

そういうと、突然の前からの衝撃に押し倒される。その衝撃の正は、俺を力強く抱きしめるのはティナだった。

「ユウ様!怖かったです。死んでしまうかと思いました」

泣きながら、さらに力を込めて抱きしめる。

俺はすぐにエルに狀況説明を頼んだ。今起きている狀況に理解が追い付いていないのだ。

エルの説明を聞きある程度のことはわかったが、エルのことはにしてある。つまり俺がこれをやったことにして、ここを凌ぎ切らなければいけないのだ。

「ティナが無事でよかったよ」

俺は考えこういいながら、ティナの頭をでた。すると、抱き著いていた力緩まった。そしてティナはこういった。

「ユウ様は私を何度惚れ直させれば気が済むんですか?」

惚れ直す? えっとちょっと待て、なんのことだ。

予想外の言葉に、俺の頭は理解が追い付かなかった。だから直接聞こうとした。

「惚れ直すって、なんのこ……んっ??」

俺の言葉が最後まで言い切る前に、ティナによって口を塞がれてしまった。目の前には超至近距離のティナの顔。

つまり? これは? キス? 俺の頭が今の狀況をやっと理解した。それから數秒後そっとが離れた。

「えっと……」

「もう後悔はしたくないので」

後悔? 狀況を理解したはずの頭がまた理解できなくなっていた。

《…………》

〝…………〟

“…………”

に三人の無言という名の刃が刺さる。しれっと、ヨリヒメが混じってるが、今は気にしない。

「ティナ、なん……」

「さ、さぁ早くこんな戦いは終わらせましょう?」

ティナは真っ赤な顔を橫に向けた。俺の話を途中で區切り、強引に話を切り替えた。

あっ逃げた。まぁいいか。よくないけど。

俺は夢の中から持ち帰った黒いマフラーを首に巻直した。

今はあの中手の方を優先だ。

「そうだな、さっさとあれを開放して終わらせようか」

(エル、あれから何分立った?)

《…………》

(おーいエルさーん)

《6分半です》

ちょっとむすっとしたような聲が返ってきた。どうやらご機嫌斜めのようだ。

1分半オーバーか、どやされるなこれは。もう一人の冒険者には伯爵のもとに戻ってもらった。けがはティナが直していた。そのティナはというと、どうやら俺に付いて來るらしい。

俺がティナをつれ、黒竜の場所に戻ると。案の定ヘイルにどやされる。

「ちょっとユウ君!2分オーバーだよ!!」

よく見ると鎧もボロボロになっており、魔力もあまり殘ってないようだ。

「それぐらいなら大丈夫だ。あとは任せろ」

「それ退職した冒険者に言うことかい?」

狀態で知能は低くてもさすがSランクモンスター、倒せ!だったら無理かもな。

「ティナ、ヘイルを頼む」

「わかりました」

ティアに任せれば、ヘイルは大丈夫だろう。ちなみに回復のスキルはコピれませんでした。

そしてヘイルが離れたことにより、黒竜は標的をヘイルから俺に変えた。

俺は、夢の中で新しい力を手にれた。それを今使う!

「さぁ、行くぞヨリヒメ」

“しょうがない。僕の力を貸してあげるよ”

『纏まとえ。ヨリヒメ! 黒鬼ノこっきのころも』

それと同時に、ユウの魔力が隠蔽しきれずにコートかられ出す。その魔力はユウの周りに纏い、ユウの纏う魔力は可視化できるようになっていた。その黒い魔力の塊を。

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