《妖刀使いがチートスキルをもって異世界放浪 ~生まれ持ったチートは最強!!~》53:氷の世界

俺は今11階層に來ている。

ただ、言うなら相手がいまいち足りない。

スケルトンなどは、集団行している。ここら辺をソロで潛っているのなんて俺ぐらいだろう。

天星ノ瞳ラノスがある俺は道に迷ったり、魔などに囲まれることもほとんどない。

「さて、ここにいつまでもいても、あれだしな。さっさと進むか」

俺は天星ノ瞳で道を探りながら、さっそうと道を進んでいく。

すると前方に敵の反応があった。スケルトン6程度だ。

俺は走って接近する。俺の足音に気づき、こちらを向くスケルトンたち。俺はムラクモの柄へと手をかける。

『飛炎・迦土』

勢いよく抜刀されたムラクモの刀から炎の斬撃が飛び出す。

スケルトン一に當たるとそれは拡散し、周りのスケルトン共々焼き盡くす。

遠距離攻撃もできる俺は、集団戦闘になかなか引っかからない。遠くから殲滅できるし、近寄ってきても対応可能だ。

俺は魔法剣士の類なのだろうか。

俺が姿霧氷雨シギリヒサメを使っていない理由は、単純に周りに人が多いからだ。

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天星ノ瞳に映る反応は俺の青と魔などの敵意ある者の赤、それと冒険者などの中立の緑だ。

今はその緑が多いから使えないのだ。こんな狹い中で、あんな氷だらけにしてしまったらどうしようもないからな。

そんなことを気にしながらもどんどんと階層を進んでいく。11.12.13.14.15と1階層ずつ確実に。

そして16層にってからだろうか、ムラクモの一撃で倒せない相手が出てきた。

例えば今、俺の目の前にいる蜘蛛型の魔とかだ。

『視影ノ瞳ミカゲ』

弐瞳を使い俺に見えてくるのは相手のステータスだ。

『アーマー・スパイダー

 :なし

狀態 :健康

スキル:理裝甲 

 :毒耐 理耐

そう、こいつは理に強い。ムラクモでも1撃では削り切れない。3撃ぐらいは必要になるだろう。だが、対処法は簡単だ。

地』『黒炎』

俺はアーマー・スパイダーの糸を躱し接近すると、その外殻へと手をれさせ魔法を放った。

単純な魔法ぐらいは普通に躱されてしまうから、接近して確実に仕留める。ただこれだけだ。闇魔法には理系や神関與系が多いため、こういう相手には不向きだ。

まぁ、一撃で倒せないだけで、今までとそう差しさわりはない。俺は気にすることなくまたどんどんと階層を下っていく。

16.17.18.19と降りて、今は19階層。前の5階層から10階層に行っただけで驚かれていたから、これを知ったらフェルとかは、どんな反応をするだろうか。

さすがにここまで來ると、冒険者の數も減ってくる。周りをちらほら見るが、Cランク以上のパーティばかりだ。

そいつらは俺を見ると二つの反応を見せる。俺のことを知ってるやつは、あまり近寄ってこないし、距離を置く。俺のことを知らない奴等は、俺を哀れな目で見るか、帰るように促してくる。

つまりここは一人でいるような場所じゃないってことだ。まぁ、知ってるが

俺は忠告されてもそれを聞くことなく進んでいく。魔を狩る時もほかの奴らが戦っていないものを狙う。面倒ごとは嫌いだから。

そして俺は20階層の最後の門へとたどり著いた。

ダンジョンのボス部屋は一つのグループがると、外からは開かない。

そして俺は一人で、その門を開いた。

門の中に居たのは、一言で言えば蛇。報を付け加えるなら、首が2本ある。

『視影ノ瞳ミカゲ』

視影ノ瞳を使い、俺の目に映されたステータスはこうだ。

『ツイン・サーペント

 :なし

狀態 :健康

スキル:理裝甲 毒吐息 麻痺吐息 並列思考

 :理耐 毒耐 麻痺耐

デバフを使うタイプのめんどくさい敵のようだ。

今の俺は一人、どっちかに引っかかれば狀況はひどくなるだろう。

そして俺として嬉しいことは、ここが1グループしかれない、つまり今この空間にいるのは俺だけ、ということだ。

「ようやくお前が使えるな」

俺はそう言いながら、姿霧氷雨を抜刀する。

抜刀された刀は、黒く染まった氷のようだった。

(エル。あいつの解析、できればエルが並列思考を取れるようにしてくれ)

《了解です。ますたー》

〝私は?〟

(今回はお休みだ)

〝ん〟

俺は刀を構えなおし、ツイン・サーペントと向き合う。

ツイン・サーペントはアーマー・スパイダーと同じく理耐が高い。ちょっとめんどくさい相手だが、それでちょうどいい。

「シャアァァァ」

先に均衡を破ったのはツイン・サーペントだった。咆哮をあげ、俺に向かって麻痺吐息を吐いてくる。

『月詠ノ瞳ツクヨミ』

俺は視界のツイン・サーペントの後ろ側へと転移する。

そしてそのまま後ろ側から斬りつける。

ガキン

と、そんな音と共に刀が弾かれる。それでも、ツイン・サーペントの鱗には十分な切り傷が付いていた。

「やっぱりいな」

後ろ向きのまま、尾を振り下ろしてくるそれを、バックステップで回避し、そのまま距離を取る。

俺は刀を鞘へは仕舞わず、刀に指を添え居合の構えを取る。

『雪花一閃セッカイッセン』

から放たれるは、氷屬の斬撃。その橫の一閃はツイン・サーペントの尾を容易く切り落とした。

ツイン・サーペントは咆哮をあげ、俺から距離を取る。

「魔法の屬が加わるとここまで変わるのか」

さっきの斬撃は理3割、魔法7割ってところだ。

次は、ユニークスキルだ。

『欠け放て!』

俺の言葉と共に姿霧氷雨の刀は3割を殘し、砕け散った。

砕けた刀は3つの刃へと姿を変え、ツイン・サーペントへと向かって飛んでいく。

その3本の刃はツイン・サーペントのを確実に傷つけていく。

ツイン・サーペントは攻撃を避けられないまま、ただ聲をあげる。

それと同時に、どこからか小さい蛇型の魔が湧いて出てくる。それらは俺に向かってくるが、

それは俺が詠唱を唱え終わるには十分だった。

『白く暗き世界を我は求。の理は我に有り。其の全てを零に帰せ! 氷の世界ニブルヘイム』

俺は短くなった姿霧氷雨の刀を地面へと突き刺す。

その瞬間。刀の切っ先を中心にして、俺以外のすべてが凍った。

出てきた小さい蛇もツイン・サーペントも壁も地面もすべて。

そこはまるで、氷の世界だった。

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