《妖刀使いがチートスキルをもって異世界放浪 ~生まれ持ったチートは最強!!~》59:豪華な見送り
俺はあの後、ティナたちの練習に付き合い、王都へ向かうことを伝えた。
朝になり、俺はリナ、レナ、フィリアに今日で、この町を離れることを話した。
ノワールで向かえば、1日でつける距離だ。宿で払っている余分なお金はフィリアのお金として使ってもらうことに決めた。
フィリアは凄く遠慮したが、それでも一応俺はフィリアの主ということになっているため、これぐらいはしてあげたかった。
するとフィリアは「ありがとうございます。ユウ様」と言って最終的にはけ取ってくれた。
「それじゃあ、お世話になった」
俺は宿の扉に手をかけた。
「また來たらうちの店で泊まってよね」
「しぐらいならサービスしてあげるよ~」
リナとレナはそう言って俺が宿を出るのを見送った。
宿の外に出ると、フィリアがわざわざ外に出てまで、見送りをしてくれた。
「わ、私はユウ様のものですから! 絶対に迎えに來てくださいね? えいっ」
フィリアは俺にそう言うと俺のほっぺにキスをした。
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それを見たティナとフロンは即座に反応するが、フィリアの顔はみるみる真っ赤に染まって、宿に走って戻っていった。
「あぁ、迎えに來るよ」
俺の言葉が聞こえたのか、フィリアは振り返り大きく頷いた。
(エル。できればでいいからフィリアをマーキングな)
《了解です。ますたー》
これで、ある程度遠くでも何かあったらわかるだろう。
「次はフェルのところだな」
「「はい」」
俺はフェルとテクルに別れを告げるためにギルドに向かった。
俺がギルドにつくと、當然のように周りの目を集める。
俺の周りのティナやフロンが可いというのもあるし、嫉妬の目線も多い。それとやっぱりティンケルの騒が一番の原因かな?
「あっ! ユウさん」
付のカウンターで、俺に気づいたフェルが手を振ってくる。
その瞬間周りからの嫉妬の目線が増えた気がする。
「今日はどうされたんですか? またダンジョンですか?」
「いや、今日は別れを言いに來たんだ」
俺がそういうと、フェルの笑顔が消えた。
「え?」
「まぁ、もう會えないってわけじゃないがな」
俺がそう付け足すと、わずかに表が戻るがそれでもまだ暗い。
「それってこの町を出るって頃ですか?」
「まぁそうだな」
その時フェルの橫からもう一人のが會話に加わる。
「あーあなたがあの噂の黒妖鬼様ですか」
「まぁ、そうだがその名前はあんまり好きじゃないんだ。気軽にユウとでも呼んでくれ」
加わってきたにあわわしているフェル。ティナとフロンは傍観することに決めたようだ。
「私の名前はアイナ。フェルの親友よ。で、ユウさんはどこへ行くのかしら?」
「王都の方へな、お呼ばれしたんだ」
「え? 王都にお呼ばれですか? それって先日話してた金髪の人が関係してます?
フェルが言っている金髪はレジーナのことだろう。
「そうだな、あの人は王都の副騎士団長らしいぞ」
俺がさらに報を付け足してやると、フェルは固まってしまい。アイナはため息をしていた。
「副騎士団長に呼ばれるとかほんと、聞いていた通りの規格外みたいね」
「こっちに戻ってこられる予定は?」
フェルは恐る恐る俺に聞いて來る。フィリアのこともあるし、ダンジョンについてもまだ不完全燃焼だ。また來たいとは思っている。
「まぁ、予定は決まってないから斷定はできないがまた來る予定だ」
俺がそう答えると、フェルが嬉しそうな表をする。さっきまでの暗い表ではなかった。
すると、アイナがフェルの肩を持ち、しゃがみ込むように後ろを向く。
そして、ひそひそ話した後、意を決したようにフェルが立ち上がる。
周りの目はこちらを向いている。俺とフェルそれにアイナのことが気になるようだ。
フェルは俺にこっちに來るように手招きする。
俺が近づいていくと、フェルは俯いていく。
俺がカウンターぎりぎりまで近づくと、耳を貸すように指示してくる。俺はしカウンターに乗り出し耳をフェルの方へ近づける。
すると、フェルは俺の耳に口を近づける。息が吹きかかりしこそばゆい。
そしてフェルは息を吸いこう言った。
「私、ユウさんの事が好きです」と
俺には訳が分からなかった。俺はそこまでフェルと何かがあったわけでもない。
だが、俺が耳にしたフェルの言葉はまごうことなき告白だった。
「気づいたら、ユウさんのことを目で追ってました。他のの子と一緒にいるところを見るだけで、が苦しくなります。私を頼ってくれるユウさんをとても可く思います。ダンジョンからは絶対に無事に帰ってきてほしいと思ってしまいます。これは付嬢としての私を超えた。ただ一人ののフェルとしてのです。答えは求めてません。ティナさんたちに勝てるとは思えませんから。ただ私が思いを伝えたかっただけです」
そして、フェルは耳から、口を離す直前。俺の頬にキスをした。
それは注目していた、冒険者。アイナやティナ、フロンまで、全員にそれは見えていた。
「これが私の気持ちです」
そういって、フェルはニコッと笑った。
すると周りからは男どもの絶、からの歓喜の聲。ティナとフロンからは嫉妬の眼差し。それが全部俺に伝わってくる。
アイナはまさかここまでするとは思ってなかったらしく。
「よくやった!」
と、口にしていた。
そして俺の顔は赤く染まっていた。
俺はいったい何人の事を抱えればいいんだ?
「こんな私ですが、これからも普通にお接してくれると嬉しいです」
「いや、それはいいんだが、俺が前と同じ対応を取れるかわからないな」
俺がそういうと、フェルは肩を落とす。
いつの間にか、周りの騒ぎは小さくなっていた。
「そう……ですよね」
「いや、俺がフェルのことを意識してしまいそうだ」
俺がそういうと「え?」とした表をするフェル。もちろんフェルだけではない。ティナ、フロンからの驚きの視線。ムラクモ、ヨリヒメ、エル、ヒサメからの無言の威圧。
それをじながらも俺はこう答える。
「フェルの気持ちは今はけ取れない。それはフェルに限ってじゃない。今のところ俺は全員にこういって斷ってるんだ。今は自分のしたいことに力を、時間を使いたい。だから、それが終わったら、その……待ってくれとは言えないが……」
俺が言葉に迷うと、フェルが反応する。
「いえ、待ってます! それがいつになろうと私は待ってます。だからまた來てください」
「そうか、ありがとう。絶対また來るよ」
俺がそういうと、後ろでアイナが親指を立てる。
それを見た俺はギルドを後にした。もちろんギルドを出るときは嫉妬の嵐。
俺はそれを無視してテクルの工房へと向かった。
「おう、ユウか。なんだかギルドの方が騒がしかったが何かあったのか?」
テクルがそういうと、後ろでティナとフロンがむすぅーっとした表をする。
「まぁいろいろな」
「お前も大変だな」
そう言ってテクルは俺の肩をたたく。
「それで今日はどうしたんだ?」
「今日で俺はこの町を出る」
「おっ、それは急だなどうしてだ?」
「王都に呼ばれてるんだ」
俺はそのままテクルにある程度の報を伝えた。
そして俺は本題にる。
「今頼んでる魔の換金額はお前とフェルそれと、ミラルの宿で分けてくれ。追加で魔を置いてくから」
「はぁ? 今でさえ多いのにさらに魔を置いて、しかもその金を俺等で分けろって? 馬鹿じゃねーのか?」
まぁ確かにそうだろうな。
「そうだろうな、けど今は特にお金を必要としてない。まぁ、また俺が町に戻ってきたら飯でも奢ってくれ、それと贔屓もしてくれ」
「図々しいなおい」
「それぐらいはいいだろ。まぁ、また來る。いつになるかはわからんが、その時はまた大量の仕事を頼んでやるよ」
「おう。まかせとけ」
俺はそう言い殘して、工房を出た。まぁ、飯をおごってもらうときはノワールやムラクモ、ヒサメにも人化してもらって盛大にやろうか。
「あとは、アルのところだな」
俺はそのままアルの店へと足を進めた。
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