《妖刀使いがチートスキルをもって異世界放浪 ~生まれ持ったチートは最強!!~》69:昇格

俺たちはランク昇格のためにギルドに來ていた。

「ようこそ、セインギルド本部ぇええ!?」

付嬢のの人からは驚きの聲が上がる。

それもしょうがない。俺とティナ、フロン。それとその橫にはレジーナとラースが居たのだから。

ラースは元SSランク冒険者。騎士団長に任命されたことも含め、今でも高い支持をけている。

そしてレジーナだ。そのラースの娘であるレジーナはその騎士団の副団長を務め、何よりそのきれいな姿は男陣からの指示をけるのには十分なものだ。

そんな大二人がギルドに來たのだ。驚かない方がおかしいのだろう。

周りからも驚きの聲が聞こえてくる。

「すまない、この二人のランクアップの手続きを頼む」

ラースは俺とレジーナを指差し、付嬢にそういった。

「は、はい! ギ、ギルドカードをお貸しいただいても?」

「わかった」

「あぁ、頼む」

俺とレジーナはギルドカードを付嬢に渡す。

「し、しばらくお待ちください!」

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付嬢はすごい速さで、奧に進んでいった。

し時間ができたのだが、ラースが、フロンの腰をじっと見ていた。

それに気づいたフロンは俺の後ろに隠れる。

「お父様! フロンが怖がってるではないですか!」

レジーナがラースを非難する。

「いや、すまない。珍しいものをつけているなと」

そう言ってラースが指さしたのはフロンの腰にある黒竜の雙剣だ。

そして次に見たのはティナの武だ。

「それもだな、結構いいであろう? 特にそっちのメイドちゃんのは」

「それはそうだ。それは黒竜の素材で作られたものだからな」

ラースはやはりか、といったような表でうなづいている。

レジーナは驚いているが、取りすほどではない。

「ということは、ティナが持っているのはダンジョンドロップのアイテムか」

レジーナが、ティナの裝備しているアストラレイピアの素を言い當てる。

「そうだ。ダンジョン20階層にいたボスモンスタードロップのアイテムだ」

俺がそういうと、レジーナがぽかんと口を開けた。

ラースはそんなレジーナを見て、笑いをこらえていた。

「ほんと、ユウ殿が規格外とはこういうのが理由か」

半ばため息をつきながらレジーナは肩を落としていた。

「だが、それより気になるのは、ユウ殿のその武だ。あんな武見たことも聞いたこともない」

「その武はSランクと同等、いやそれ以上の能があるな。」

ラースがムラクモとヒサメを見てそう推理した。

「まぁ、その分の俺の代償がでかいがな」

「「代償?」」

ラースとレジーナが同時に聞き返してくる。

「フロン」

「はい」

フロンは俺の意図を察したのか、いつも持ち歩いているナイフを俺に投げてよこした。

俺がそのナイフをけ取ると柄からナイフは黒く染まっていく。

そしてその浸食が白い刀をすべて黒く染めるとボロボロと崩れ、ナイフは跡形もなくなってしまった。

それを見たラースはぽろっと一つの可能を口にした。

「まさか、呪い武か?」

それを聞いたレジーナはラースを見てから、俺に向き直ると俺の方を揺らす。

「そんな危ないもの、すぐに外せ!」

〝危なくない。私はユウを大事にする〟

〝おねぇーさんも君は傷つけないよ〟

レジーナの言い草に、不満そうなムラクモとヒサメ。

「大丈夫だ、代償はこいつら以外の武を持てないことだけだ」

「そ、そうか」

俺が説明するとそっと肩の手をどけた。

「あの~」

いつの間にか戻ってきていた付嬢が俺に呼びかける。

「確認が取れました。レジーナ様Sランク昇格。ユウ・ツキカゲさんもAランク昇格。おめでとうございます」

そして返されたギルドカードにはCランクの文字がAランクという文字に変わっていた。

それを見たラースが提案をした。

「そこの二人もランク昇格戦をしたらどうだ? 絶対こいつと一緒で、そのランク帯の奴等とは違う。足のかし方、重のかし方を見ればわかる」

そんなラースの一言でティナとフロンの模擬戦式のランク昇格試験が行われた。ラースだからできる特別な昇格方法だった。

Cランク冒険者が用意され、それと戦うという簡単なものだった。

「ユウ様、時間がかかりそうなので、先にお戻り下さい」

「ご主人様は気にせず先に戻ってて下さい」

ティナとフロンはそんなことを言ってくる。

「いや、これぐらい……」

「帰りなら私が送っていこう。安全は保証する」

「わ、わかった」

無理やり、追い出されるじで俺はギルドを出た。

そんな俺のあとをラースが付いて來る。

そしてラースは俺の耳元でこう言った。

「あの戦いでお前にはし余裕が見えた。出し惜しみするのはいいが、油斷は命取りだぞ」

そう言って、ラースは王城への道を進む。

やはり、ばれていた様だ。俺が本気を出していないことが。

もちろん、この狀態での本気で戦いはしたが、今の俺にはほかの力がある。

「怖いなあの化けは」

俺がそうぽろっと言葉を零すと後ろから聲が聞こえた。

「おい、聞こえてるぞ! まぁ、ちゃんと忠告したからな。あと、かえ……ちは……をた……だぞ」

最後の方は遠すぎて聞こえなかった。

そしてラースはそのまま前に向き直り行ってしまった。

俺はそれを気にすることなく。ソルロスの宿へと足を進めた。

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