《妖刀使いがチートスキルをもって異世界放浪 ~生まれ持ったチートは最強!!~》92:狩りの時間

俺たちは巫の里に著くとすぐに、ソルさん家に案された。

の里は山の頂上付近に位置する。

そこは村のように家が何軒か建っている。

「まぁ、汚い家だがとりあえず適當に座ってくれ」

俺たちは言われるがままに家の中にある椅子に座る。

「単刀直に聞く。お前なにもんだ?」

ソルは俺を指さしそう言った。

ソルの目にはそう確信をもって言える何かがあるのだろう。

「俺はもう人種じゃない」

俺の言葉にソルは分かっていた風に頷く。

やはりどこかで気づく移転があったのだろう。

「もうってのはどういうことだ?」

「それはユウ様が、元人種ってことですよ」

俺が答える前に、ティナが補足で説明する。

「は? ユウ様? お前らどういう関係だ!」

突っ込むところそこじゃねーよ。

と言っても普通に主と従者? 友達以上人未満? まぁ前者が答えるのには適切だろう。

すると、なぜか聞かれたティナの顔が赤くなる。

「おいおい、本當にまさか!?」

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「いや、ただの主と従者だ」

俺はソルにそう言い切る。

「ふぅ、てっきり人かと、って主と従者も相當じゃねーか?」

「父ちゃん、それはいいから早く話を進めて!」

ソルが頭を悩ませていると、カルがソルに催促する。どうやらこの二人は親子のようだ。

「っち、後でゆっくり聞くからな。それじゃあ本題にるぜ。ティナここに戻ってきた理由は? 神託をけて、オルディナに向かったんじゃないのか?」

「はい、向かいました。その道中に盜賊に襲われ、ユウ様に助けてもらったんです」

「てことは? そいつが神託に出てきた、運命の相手ってやつか?」

「はい。私はそう思ってます」

ソルは、納得したように頷き。カルはなぜか敵意の眼差しで俺を見る。

「じゃあ、次の質問だ。この里には何をしに來た」

「それは、俺が答えるよ。俺たちがここに寄った理由は、ティナがこの里を気にしてたってのもあるが、俺の目的はここの祭壇だ」

そう、この巫の里には祭壇がある。

ティナからも話を聞いていて、神託をけたのもそこだと。

俺はその神託を授けた奴に心當たりがある。というかあいつしか考えられない。

俺はそれが気になった。天星ノ瞳ラノスで、祭壇が、この里の反対側にあることは確認している。

「祭壇だと? 祭壇に何の用だ?」

「まぁ、行かなきゃいけないって気がするだけだ」

「そ、そうか。とりあえずはお前らがここに來た理由は分かった。長には知らせるが構わないな?」

「あぁ、問題ない」

ソルは立上がり、出かける準備をする。

「今日はここに泊まってきな、部屋は好きに使ってくれて構わない」

それだけ言い殘すと、ソルは家を出て行った。

「ティナ」

俺は橫にいるティナに聲をかける。

「はい?」

「懐かしい、故郷だろ。隙に回ってきてもいいぞ」

「え?」

「そうですよ、ティナさん。せっかくの故郷ですよ。知り合いとかいるでしょう? あってきたらいいじゃないですか」

フロンが、ティナの背中を押す。

「おい、そこのちび」

俺はティナに気づかれないようにカルを呼ぶ。

「ちびじゃねぇー、俺にはカルって名前があんだよ」

「じゃあ、カル。俺たちはちょっと外に出る。ティナのこと任せてもいいか?」

俺は夜まで時間があるので、下でちょっとした魔狩りでもやるつもりだ。

ティナには思う存分、故郷を楽しんでもらいたいからな。俺たちのことを気にしてもらっては困る。

「ふん、お前なんかに言われなくてもわかってるよ!」

俺は「そうか」と返して、ティナ達と外に出る。

そのあと、ティナはカルに連れられ、里の中心へ向かった。

「じゃあ、俺たちは山の下の森で、魔狩りと行くか」

「「はい」」

俺たちは里を出て、すぐの斜面をり降りた。

普通に降りるのも面倒だからな。ちなみにノワールはティナを上空から見てもらっている。何かあった時用に。

「さて、今日は俺も戦闘に參加するが、支援中心で行く。基本はお前たちメインだ」

俺の言葉に二人が頷く。

「エル。魔導化」

《了解しました。スキル:魔導化を発します》

『変形モード:魔法士マギア』『喚こい。黙示録アポカリプス』

俺は黒霧のコートをローブへと変える。

そして俺の手には一冊の魔導書が出現する。

俺の変化に驚く二人。確かにこの二人には見せていなかった。

「ほんといつ見ても、私のご主人様は規格外」

「そうね、ティンケルから助けてくれた時、私もそう思ったわは、ホントに主様は」

フロンとフィリアからの俺の評価は相変わらずのようだ。

「それじゃとりあえず。魔のいるところまで走るぞ。夜までには上に戻らなきゃだからな」

俺は天星ノ瞳ラノスを発させ、魔の位置に向けて走りだす。

二人は俺の言葉に頷き、俺のあとを付いて來る。

俺たちが著いた先には、熊型の魔が4と子供が2

子供でも、人を見れば襲い掛かり普通に死ぬこともある。

(やるぞ)

俺は意思疎通で、二人に合図を送る。

『我らが求は風の加護 汝 我らに疾風なりたる風をもたらせ 飛天速ヒテンソク』

俺を含めた3人の足に風が纏わりつく。

俺が唱えた魔法は、支援型の速度上昇魔法。

俺が魔法を発すると同時に、フロンは黒竜の雙剣を両手に持ち、熊に迫る。

フィリアは木の上まで登ると、弓を構える。

『雷よ 汝我に纏いて 雷と化せ! 雷ライシンコウ』

フロンは雷を纏い、一層速度を上げて熊の首を容赦なく切り落とす。

『慧弓よ 3本番えて 我が敵を穿て 貫いて! ルサールカ』

フィリアは木の上から、矢を番え熊に向かってた。

その矢は大人の熊1と子供の熊1の額に、もう一本は他の大人熊の足へと命中した。

足に命中して、崩れた熊の首は即座にフロンによって切り落とされる。

それを見て、大人熊は子供熊を連れて逃げようとする。

『炎の霊よ 汝我が敵の行く道を防ぐ壁となれ』

すると、その熊の前に炎の壁が出現する。

フィリアの霊魔法だ。

『闇よ 汝が敵を拘束する鎖となれ 黒影縛鎖』

俺はすかさず、熊の足を鎖で縛る。

そしてきが取れなくなった熊はフロンによって命を絶たれた。

「まぁ十分だろ」

俺は棺に熊を回収する。

まだ時間はある。

「もうし狩ってから帰るぞ」

結局俺たちは夜になるぎりぎりまで狩りを続け、巫の里に戻った。

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