《妖刀使いがチートスキルをもって異世界放浪 ~生まれ持ったチートは最強!!~》120:慈悲

俺たちは朝起きると日課をこなし、晝過ぎに王城へと出向いた。

相変わらずの兵士の多さで、門番に止められかけたが、俺の顔を覚えていたのか、それとも話が通っていたのかは知らないが、サッと通された。

ちなみにノワールはシーンが離さなかったので、宿へと置いてきた。

「あっ、剣馬鹿」

通路の差地點で目にったのは勇者1の一同だった。ティナやフロンたちの視界にも映り、二人そろってめんどくさそうな顔をした。俺は普段からローブでフードを深くかぶっているため、現狀角を他人に見られることは無い。今このことを知っているのは迷宮都市の連中とソルロスの宿の將を含めた4人だけだ。

「剣馬鹿……不知火は」

「知らない。どこかに行ったよ」

「そっか……」

前みたいにテンションが高くウザ絡みをしてくるような元気はないようだ。よほどショックなんだろう。後ろの二人も気分が落ちているのが目に見てわかる。

俺が王都に來た理由はここ王城で行われる會議とやらに呼ばれたためだ。今回の異常さに流石に危機じたらしい。

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「お前らもこの後の會議に參加するんだろ?」

「あ、當たり前だ。なんてったって俺たちは勇者だからな」

明らかな強がり、ステータスが見える俺にはこいつらが、あれからどれだけ修行をして、強くなったのかが見える。仲間を取り戻すために必死なんだ。俺と同じように……

「なら役に立てよ、勇者1。この後の會議、話をしっかり聞け。不知火の手掛かりについても報告対象だ」

俺はそのまま勇者1達を通り過ぎて、會議室へと足を進めた。

《ますたーにしては優しい聲かけじゃないですか?》

(なんだ、エル起きてたのか?)

《半時ほど前から。どうしたんですか? 頭冷やしますか?》

(うるさい、俺は冷靜だ。ただ、必死に努力してるやつに何もないのは悲しいことだと思っただけだ)

そんな會話をわしていると、フィリアが言葉を投げてきた。

「確かに私の眼にもあの人たちの魔力量が上がっているのが見えましたわ。だからですか?報告対象にない不知火さんの報を話すは?」

「そんなところだ」

後ろからティナがさっきとは打って変わって嬉しそうな顔をして話しかけてくる。

「流石ご主人様です。優しいです」

「ティナ、あの人たち見てめんどくさそうな顔してたくせに」

「え、だってそれは、フロンちゃんもでしょ?」

フロンとティナの責任の押し付け合いが始まり、それを見てフィーが苦笑い。俺は無視して足を進めていった。

《ますたー酷いことをしますね》

(しらん)

ここ、どこ? 黒い雲、たくさんの人影。黒くて見えない。周りが見えない。

でも、懐かしい。とても懐かしい。でも寂しい。

「おかえりとは言いたくなったよ」

聲が聞こえたほうへ顔を向けると、自分の見知った人を見つけることが出來た。だが、それは二度と會いたくない相手だった。

「なんであんたが!」

気づいたときには周りは見えるようになっていた。灰の空、黒い巖とごつごつした地面。ところどころ大きながあり、巖は刃の様に尖っていた。それは見覚えがあるどころか、自分の生まれた地だ気づくのに時間はいらなかった。

周りにいた人影は人ではなく黒い鬼だった。そう、ここはヨリヒメの生まれた地ありヨリヒメを捨てた地であった。

「ボクはどうしてここに、それにユウちゃんは⁉」

「あの生は普通にいつも通りを過ごしているよ、ホントはここに呼ぶつもりだったんだが何者かに邪魔されてね、出來なかった。だからお前だけを呼んだのさ」

「なんで今更! 僕に何の用があるの!」

ヨリヒメはどうしていいかわからない気持ちを怒りに変え、んでいた。

「確かに俺たちが君にしたことは最低なことだ。知っている。だが他の奴らを恨むのはやめてくれ、決定し実行したのは俺だ」

「じゃあほっといてよ。何で頬おりだしたのかも何も教えてくれないくせに、僕に何も教えてくれなかったくせに」

怒りがだんだんと悲しみに変わり、ヨリヒメのびは涙へと変わった。そして、右手を握りしめ、黒鬼ノを右手に纏い毆りつける。

だが、その拳はヨリヒメと同じ黒いオーラを纏った掌で、やすやすとけ止められた。明らかに同等以上の力で封じられたのだ。

「だからだ。お前には力がまだ足りない。そして、お前は力をした」

そうだ。あの時ユウちゃんをムラクモちゃんを守り切れなかった自分の力のなさを呪った。ボクには力がいる。せめて、ボクの周りにいる人たちを守れるだけの力を。

「それがここにお前を呼んだ理由だ。今まで何もしてやれなかった分。俺がお前に力の使い方を教えてやる。お前の力の練り方にはまだ無駄があるからな。それぐらいさせてくれ、親の務めだ」

ヨリヒメは拳から力が抜け、そのまま初めての親の溫もりと安心をじて泣きじゃくった。

ようやくヨリヒメが落ち著いたころ、その目からは決意がにじみ出ていた。絶対にし遂げると言わんばありの気持ちが伝わってくる。

「お父さん。ボクに力の使い方を教えて」

「あぁ、任せろ」

ヨリヒメの父が涙を流したのはヨリヒメ以外の全員が気付いていた。

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