《妖刀使いがチートスキルをもって異世界放浪 ~生まれ持ったチートは最強!!~》122.お尋ね
あれから數週間。會議を終えてからそれぞれが、それぞれの目的を目指し準備を進めていた。その者たちかしたのはユウであり、あの場にいた全員がその提案を呑んだからこそ、いたのである。
「ユウ様、本當によろしいのですか?」
「ティナは心配だな。大丈夫だよ」
ティナが心配するのもわかる。なにせ俺が提案した容、方法は俺が一番負擔が多く危険だからだ。提案した側として自分が一番危険な目に合う、それは當然だろう。まぁ、それだけの目的が俺にはあるってことだからしかたがない。
「それにしても結構遠いもんだな」
「まぁ普通、人の足でこの速度を走ってここまで來る方がおかしいのですが。普通、馬車で何週間もかけて著く場所なんですよ? でもなんだかこの覚に慣れて來てしまいました」
はぁ、とため息を吐きながら、ティナは自分も人外へ向かっているという自覚が芽生えてきてしまっていた。
俺たちは今、巫の里へと足を向けてる。目的はクロノスとの會話である。
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唐突にただ「來い」とだけ念話が流れたからだ。普通に念話をすればいいと思うが、それは神ならではの理由があるのだろう。知らんが、すっぽかすわけにもいかないからこうしているのである。
巫の里に向かっているのは俺とティナ、ヒサメの三人だけだ。まぁ言ってしまえば必 要最低限な人數だ。
前と同じように森の、魔を狩りながら進んでいる。ティナは里へのお土産として道中で果実なども集めていた。
「そういえば、今頃フロンたちはオルディナの町に向かっているんですよね」
「あぁ、そのはずだ。もうそろそろつく頃じゃないか?」
フロン達には、クルス伯爵とヘイルたちへの頼みごとを代わりに伝えてほしいとお願いした。離れて行することに駄々をこねたフロンとフィーだったが、ノワールが森で暴れたことについての謝罪を伯爵たちに伝えたいというと、さっきまで子供の様に駄々をこねていた二人は、母本能か何かをくすぐられたのか、自らノワールの為にオルディナの町へと行くと言い出したのだ。本當のことを言えば俺も伯爵たちに會いに行きたかったんだが、あの神バカのせいで予定が狂ったのだ。
まぁ、あのメンツなら大丈夫だと思うが、萬が一の時には意思疎通で念話が飛んでくるはずだ。
で、連絡の取れていなかったもう一人の黒鬼バカからは
「もうしだけ時間を頂戴。すぐ戻るから!」
急いでいるようだったが、聲は明るく、楽しそうだったから戻ってくるまでは放っておこうと思う。俺が怒らなくてもどうせ心配なティナが怒るだろうからな。まぁ、だから俺が怒らないわけじゃないけどな。
そんな俺の視線をじたのかティナが俺を見て首を傾げていた。
〝ねぇ暴れたりなーい。というかおねぇさんの前でいちゃつくのやめてよー。襲っちゃうぞ〟
(してない。いきなり騒なこと言うな)
〝むぅ~〟
なぜか嫉妬をしているヒサメのことは放っておいて、俺とティナは再び里へと向けて走り出した。
俺たちは速度を上げ、巫の里へと向かった。
「だ、誰か俺にこの狀況を説明してくれ……」
門を守る兵その指揮を任されていたその者の質問に、その場にいるものは誰一人として答えられなかった。
沈黙が続く中、その均衡を破ったのはの聲だった。
「すいません。主の命でここに使いとしてきました。クルス伯爵を呼んでいただけますか?」
伯爵の名前が出ての口から出たことに兵士たちは一層警戒を高め、手に持つ武を構えはじめる。目の前にいるのはたった今伯爵の名前を口にしたと、ハーフエルフのだった。
たかが二人、それだけなら兵士がここまで警戒するはずがない。兵士たちが最も警戒している対象、それはの橫に並び、顎をでられ気持ちよさそうにしている黒竜だった。
「それだけじゃ兵士の皆さんが余計に警戒しちゃうでしょうが」
「必要最低限を話したつもりなんです」
「それがいけないのよ」
そんな兵士たちの警戒も虛しく、目の前で會話が進んでいく。
「これは一どう言う狀況だ? ってそいつは……」
固まる兵士たちをかき分け、の前に現れたのは長い赤髪、腰には長剣。それはの探している人の一人だった。
「もしかして貴方がヘイルさんですか?」
「ん? あぁ、そうだが。お前たちは一」
ヘイルは黒竜を見た時から違和をじながらも警戒を解いていた。それは目の前の黒竜を見たことがあり、その黒竜からも、目の前の二人からも全くと言っていい程に殺気をじなかったからだ。
「私たちは主であるユウ・ツキカゲの命によってここオルディナの町に使いとして來ました。フィリア・といいます。
「同じくフロン・フィールです。この街のギルドマスターであるヘイルさんとクルス伯爵にユウ様からのお願いを伝えに來ました」
ヘイルは黒竜をでるの言葉に嫌な予を覚えながらも、それに応じない選択肢がないことをわかっていた。兵士たちの警戒を解き、フロンと名乗るに黒竜を別の場所で待たせることを條件にだした。だが、黒竜は首を振りそれを拒否した。従魔になれば人の言葉を理解できるようになることがある。それを知っているヘイルでもまさか、そんな反応をされるとは思わなかった。
「すいません。それに関しては承諾できません。それはユウ様の命に関係なく、この子の意思なんです。どうかお許しを」
「でもその図で、街の中を歩くのは街の者たちを怖がらせてしまう」
「それに関してはご心配なく。ノワールんで」
フロンが黒竜をでながらそう言うと、竜のサイズだった黒竜はの腕の中に収まる程度のサイズまでんでしまった。
そんなことを目の前で見た兵士は目を見開いた。ただ一人、ヘイルだけはため息をついていた。
さぁ、これでいいでしょう? と言わんばかりのフロンのドヤ顔を見たヘイルは、肩を落としながら二人を街の中へと案した。
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