《TSカリスマライフ! ―カリスマスキルを貰ったので、新しい私は好きに生きることにする。―》第8話 ちゃんとおままごと

「起立、禮」

「ありがとーございました!」

夏休み前、最後の授業が終わりました。

私の學校では日直は日替わり當番制で、授業前後の挨拶は日直が擔當しています。

それで今日は私が日直だったわけだけど、他の人がしたときと違って皆のきが俊敏なんだよね。

これまでもクラスの子に優しくしてあげたり、勉強を教えてあげたり、偶に危ないことをしたら注意したりしていたんだけど、もしかして私教みたいな立場に収まってしまったかも?

同じ生徒なんだけどなぁ……。

あ、勉強を教えるときとか、注意するときは大九重先生と一緒にやっています。

私が先生の仕事を奪うわけにもいかないし、これで先生の実力もドンドン上がっていくからね!

學してから四ヶ月くらい、初めて會ったときよりも九重先生は教師としての風格が出ているようにじます。

これからはクラスだけでなく全校生徒からも大人気の先生へとレベルアップしていくことでしょう。

先生は、私が育てた!

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「ちかちゃん、あいちゃん、夏休みはいっぱい遊ぼな~」

「うん! ちかちゃんもこづきちゃんも、いつでも電話してね」

「こっちもいつでも掛けてきていいからね。それで今日は晝までだったけど、早速遊んじゃう?」

「わ、わたしは大丈夫だよ!」

「あ~ごめんな~。うちはちょっとお母さんとお買いやから?」

「そっかー、じゃあ遊べないね」

「明日やったら大丈夫やから。今日は二人で遊んどいて~」

「わたしも明日遊べるよ!」

「じゃあ明日の予定を先に決めておこうか。朝から遊ぶ?」

私たちは早速夏休みの予定を決めました。

とは言っても今日と明日の分だけだけどね。

その日その日にいつ遊べるか聞けばいいし、其々の家に電話一本ですぐ遊ぶ約束出來るから大丈夫でしょう。

という事で今日は湖月ちゃんと別れてからちゃんとも一旦別れて、お晝ご飯を食べてから公園に集合する事になり、家でメグちゃんとれ合ってから公園へと赴きました。

「ちかちゃん! こっちだよ!」

「ごめんね、待った?」

「ううん、大丈夫だよ」

さすがに今來たところだよ、とは言ってくれまいか。

私たちは公園に集まっている子供たちを眺めて、遊ぶ場所があるか確認していきます。

「何して遊ぶ?」

「うーん、おままごと?」

「いいね、遊び道は持ってきたから……あっちの木でやろっか」

ちゃんと手を繋いで、公園の中央にある大きな木のへ移しました。

ここなら他の子供たちの遊びとも競合しないだろうし、日に當たり過ぎる事も無い。

もう夏だから調にも気を配らないとね。

二人共水筒を持ってきているから、私がこまめに水分補給を促しましょう。

「じゃああいがお母さん役で、ちかちゃんがお父さん役でいい?」

そんな上目遣いで言われたら何でも許しちゃうぞ。

「いいよ。それじゃあ朝起きたところからやろっか」

「うん。私は朝ご飯の用意するね」

そういって落ち葉を並べていくちゃん。

どうやら落ち葉がお皿らしく、その上に並べられていくのは小石や砂たち。

……あ、観察している場合じゃない。

ちゃんがこちらを不安そうな目で見ているではありませんか。

千佳、お父さんにりきるんだ!

……うちのお父さんが參考でいいのだろうか?

ずっと親馬鹿な面しか見ていないから、ドラマとかでやってるお父さんみたいにりきろう。

「こほん。おはよう、

まだ小學一年生だから、低い聲が出せないのは仕方ありません。

なので今出せる聲で一番かっこよく出してみました。

……あれ? 反応がないぞ?

不思議に思った私はちゃんをじっと見る。

ポカンとした顔で固まっています。

うむ、今日も可いなちゃんは。

いや、本當に大丈夫かこれ。

もしかして熱とか?

とりあえず私のおでことちゃんのおでこをくっ付けて確認してみようか。

「うーん、溫は異常なし?」

「ッッッッ!!!」

途端顔が真っ赤になったちゃんは手で顔を覆い隠しました。

あら、嫌われてしまった?

と不安に思いましたが、どうやら照れているみたいです。

こちらを橫目でチラチラ見るちゃん可い。

「ち、ちかちゃん、かっこいいね」

「うん、ありがとう、

十分かけて回復したちゃんに褒められたので、調子に乗ってお父さんスタイルで返します。

「ッッッッ!!!!」

そうしてちゃんはまた真っ赤になりました。

ごめん、そんなにかっこよかったとは思ってなかった。

「大丈夫? ちゃん」

「う、うん、ちかちゃんのお、おっと、お父さん役がかっこよかったから」

「ふふふ、ありがとう。続き、やれる?」

「うん、がんばるよ」

うむ、頑張ってくれ。

私たちは未だに朝食にありつけていないのだから。

因みにその日、私たちが朝食にありつく事はありませんでした。

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