《TSカリスマライフ! ―カリスマスキルを貰ったので、新しい私は好きに生きることにする。―》第11話 九重先生が見てる

この頃、視線をじる。

とは言っても學校外ではなく學校なので不審者では無いはずです。

そしてそれは生徒でもない。

「……」

ちらっと後ろを見ると私にバレていないと思っているのか、それとも見られてもいいというのか、九重先生が壁から顔を出してこちらを見ています。

先生の格的に多分バレてないと思ってるんだろうなぁ。

まぁ生徒観察か何かだろうし、気にせず教室に戻りますか。

「……姿勢も綺麗だし、所作も優雅。メモメモ……」

學生皆が毎日楽しみにしているお晝休みがやってきました。

小學校なのでお晝ご飯は給食です!

今日はきなパン! きなパンです! ご飯とお菓子の間にあるようなきなパンがお晝ご飯として出てくるなんて、幸せ過ぎやしませんか!

「きなこパンあまらへんかな~」

「きょうはお休みの人いないから難しいと思うよ」

「あいもきなこパンすきいっぱい食べたいなぁ」

湖月ちゃんとちゃんと共にお盆にお皿を載せて並び、給食當番の生徒からおかずやご飯をよそってもらう。

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の子だと笑顔でよそってくれて大変癒しになるのだけれど、男の子の場合は何故かこちらを警戒するような目か、逆に羨するようなキラキラした目をしてきます。

以前やったように男の子への注意喚起はよくやっているので、目の敵にされるのは分かるのですが何故キラキラした目で見つめてくるやつがいるのでしょうか。

もしも小學生からマゾ質を目覚めさせてしまったのだとしたら、私は大きな罪を背負うことになりそう……。

ま、まぁ男子だから気にしないけどね。

頑張って元の道へと戻ってしい。

「……」

「どうしたんちかちゃん?」

「いや、何でもないよ」

それにしても、また九重先生から視線がじます。

他の子供たちにも注意を払っているようですが今日一番ジロジロ見られているのは私でしょう。

……もしかして嫌われてしまった?

九重先生みたいな可に嫌われてしまったら、ショックで學校に行けなくなるよ!

とネガティブな発想も出てきてしまったので、ご飯の後の休憩時間に直接先生に話を聞きにいくことにしました。

あ、きなパンはとても味しかったです!

「先生、最近私のことをよく見てませんか?」

給食當番の生徒が食やら鍋やらを戻し、教室に帰ってきたところを見計らって隨伴していた九重先生に聲を掛けました。

私が後ろにいることに気付かなかったのか、先生は飛び上がるように驚きます。

湖月ちゃんがよく見てる新喜劇みたいだね。

「うぇ!? な、なんのことでしょー?」

「朝も廊下で見てましたよね?」

「い、いやー、なんのことかなー?」

「……」

を睨むわけにはいかないので、逆に満面の笑みをり付けたままでプレッシャーを與えていく。

覚えておきなさい。の笑みは時として何よりも怖い兇へと変貌するんだよ!

先生の額には冷や汗が垂れており目は泳ぎ放題です。

そうして私が見詰める事數秒、先生は目にも留まらぬ速さで頭を下げました。

「ごめんなさいっ! 見てました!」

「やっぱり。まぁそれはいいんですけど、理由はなんでしょうか? 私に用事ですか?」

「ううん、違うんです。ちょっと千佳ちゃんを見習おうと思って」

「私を見習う?」

確かに先生より神年齢は上だけれど、小學一年生を參考にする先生か……。

ちょっとランドセルを背負ってもらおうかな?

駄目だ、想像するだけで破壊力が高すぎる!

でも一枚その寫真を撮らせてしい!

……今度お願いしてみよう。

「千佳ちゃんはクラスの皆とも仲がいいですし、他の先生もすごく褒めてます。やんちゃな子たちにもしっかり注意してくれているので、私も千佳ちゃんみたいになりたいなと!」

この人、小學生に本気で言っているようです。

まぁ褒められることは嫌いじゃないし、ちょっと照れるくらいだけど、そこまで真剣に考えてくれているのなら私も先生に協力してあげたい。

よし! 私がこの小學校という戦場での立ち回りを教えてしんぜよう!

「分かりました。でしたら私に出來る事全てを先生にお教えしましょう」

「ほ、本當ですか! ありがとうございます先生!」

「いや先生は九重先生の方だよ」

九重先生のプライドが無さ過ぎて逆に怖い。

でも、これだけ生徒たちの為に真剣になれるのは九重先生の徳でしょう。

私も先生の真摯な想いに応えなければ!

その後私と先生で何度も話し合った結果、頻繁に先生の元に通う私を見たクラスメイトたちが『千佳ちゃん甘えん坊説』をクラスに広げることになるのですが、それは私のプライドにかけて記憶から抹消しました。

クラスの皆が、というかい年齢の皆が移り気でよかったと安心する私でした。

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