《俺のハクスラ異世界冒険記は、ドタバタなのにスローライフ過ぎてストーリーに脈略が乏しいです。》1-13【貧乏そうな村】

俺は紐付きの巾著袋に、ルビーの原石をれると、首に守り袋のように下げた。

これが今一番大切なマジックアイテムだからな。

とにかく大事にしなくてはならない。

【ルビーの原石+3】

魔法の効果は戦闘時の幸運×3だ。

まさに守りである。

今思い出してみても、なんだか戦闘時にとてもとてもとても幸運だったのかも知れない。

プラス3だから「とても」を三回言って見ました。

何せ、ダンジョンっぽい通路で一列に走って來るスケルトンが、重なり合うように転んでくれたり、コボルトが転がした巖にぶつかってくれたりとかあったからね。

幸運に次ぐ幸運だったのかも知れないな。

じゃなければ、現代社會の日本でぬくぬくと平和を堪能していた俺が殺伐としたファンタジーの異世界で、武と武を振り回すような殺傷的な戦闘時に置いてこんなに容易く生き殘れなかったかも知れないしね。

まあ、もしかしなくても、このルビーの原石のおだったのかも知れない。

てか、間違いないだろう。

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何せ都合が良すぎるからだ。

だとすると、なかなか良いを拾ったことになる。

流石は俺様の【ハクスラスキル】だな。

とにかく凄いぜ。

まあ、勝ちは勝ちだ。

どんな勝ちかたでも生き殘ったほうが勝ちである。

マジックアイテムも所有者の実力のって、誰かが昔に言ってたっけな。

誰だか覚えていないけれど──。

確かロードスっぽい島の人たちだったと思う。

それはさて置いてだ。

とりあえず、もう一度ステータス畫面で、々と確認しておこう。

まず、レベルは3まで上がった。

経験値は100までゲット中である。

スキルを覚えて、若干は便利になったが、強くなっているかは不明だ。

はないが、しは強くなっていることを祈ろう。

そして、覚えた便利系のスキルは【アイテム鑑定】と【魔力知】だ。

どちらも冒険には必須だが、強さには関係がないスキルである。

他のスキルと違ってスキルにレベルもないもんね。

あとは【尾行スキルLv1】【潛伏スキルLv1】かな。

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これはこれで冒険中に何かしら役に立つのは間違いないだろう。

何より【バックスタブスキルLv1】と組み合わせれば、不意打ちには抜群の複合スキルである。

そして、戦闘系スキルはこれだ。

【クラブスキルLv2】【ラリアットスキルLv1】【ドロップキックスキルLv1】【前蹴りスキルLv1】

まあ、半分以上のスキルがネタ系のスキルだね……。

俺はもっと派手にバトルがしたいけれど、プロレスがしたいのではない。

俺は冒険がやりたいのだ。

プロレスラーじゃなくて冒険者にりたいのだ。

だから戦闘系スキルも便利系スキルも冒険で役に立つスキルがしいのである。

無理してネタスキルは要らんのですよ……。

まあ、スキルは自分が取った行で習得するみたいだから、真面目に素直に真剣に頑張っていれば、それなりのスキルを習得出來ることだろうさね。

でも、真面目に素直に真剣にってのが難しい……。

俺に出來るだろうか?

まあまあ、それは置いといて。

それと、覚えた魔法は【マジックトーチLv1】だな。

暗い場所やダンジョンでしか役に立たない明かりの魔法だ。

いいや、ここは文明レベルが低いファンタジーの世界っぽいから、簡単にを作れるのは凄いかもしれないぞ。

たぶんこの異世界には電気や電燈なんてないだろう。

おそらく火をつけるのだって火口石を使うのかも知れない。

當然ながらライターどころか、マッチの存在すら怪しいものな。

俺は火口石なんて使ったこともない。

だからこの先に火を炊く際にはライターの偉大さを思い知らされることだろう。

とにかく、この異世界の文明レベルがしでも高いことを祈るしかない。

出來れば、トイレの便座はオシュレットが完備されていると嬉しいのだが……。

流石にそれは無理だな……。

もしかしたら便座すら無い世界かも知れないしね。

その辺は、眼前の村に下りたら、人の営みを観察して見てから結論を出そう。

先ずは世界観を正確に観察して見ないと何も分からんな。

想像だけでは答えが出ないもの。

あと、拾ったマジックアイテムと言えば、ダガー+1だ。

これには【ライト】の魔法が掛かっている。

明かりの魔法だ。

しかし、マジックトーチと効果が被っている。

あまり必要なさそうだから、町にでも行けたら軍資金としてお金に替えようかな。

正直なところ要らないよね。

お金も11Gしかないし。

まあ、ダガー+1を売ったお金で、最低限の裝備や類を整えれば良かろう。

よし、とにかくあの村に下りるぞ!

俺はコボルトたちの死に手を合わせて拝むと、腰巻きの両脇に彼らから奪い取ったショートソード二本を刺してから歩き出す。

山を下った。

目指すは麓の貧乏そうな村である。

そして、あっという間に村の前に到著したぞ。

村の規模は、かなり小さい。

山の上から見ていて分かってたけれど、家の數は十軒程度だった。

村のり口には、門もなければ防壁もない。

だから警備も居ない。

どこからでも村にはれたから、俺は正面から堂々とって行った。

すると村人と思われる人々が何人かかに暮らしている風景が目にる。

見るからに寂れた村だったが、村の住人は呑気なものだった。

村人と思われる老人たちが、家畜の羊と一緒に日向ぼっこをしていたり、子供たちが棒を振り回してチャンバラをして小五月蝿く遊んでいたりする。

それに、あちらこちらに痩せた鶏が闊歩していた。

羊以上の大型な家畜は居ないようである。

その風景を見回して、俺はなんとも平和そうな村だと思った。

村人たちはコボルトたちに狙われていたことにすら気付いてないのだろう。

貧乏でもかなところから、もしかしたらこれがこの異世界の平均的な文化レベルなのかも知れないと思う。

まあ、コボルトなんてモンスターが闊歩している恐ろしい異世界なのだ、文化水準が低くても不思議ではないだろうさ。

さて、これからどうしたものか……。

とりあえず、宿屋でも探そうかな。

ファンタジーで冒険の始まりと言えば宿屋だ。

この世界も宿屋と酒場はセットだろう。

昔の西洋だと、一階がバーで二階がホテルって作りはポピュラーなのだ。

現代でも海外では珍しくない話である。

まあ、冒険者が宿屋を訪ねる。

そこを拠點に冒険を繰り広げる。

それが基本だね。

冒険者の冒険が宿屋から始まるのは、當然のお約束である。

でも、宿屋を探すのは面倒臭いから人に訊こう。

とりあえず、チャンバラをやってる三人のキッズに話し掛けて訊いて見た。

「なあ、坊やたち。この村には宿屋はないかい?」

キッズたちはチャンバラをやめて俺の周りに掛けよって來た。

形は末な男の子たちばかりである。

とにかく貧乏そうで頭も悪そうだ。

それに汚い。

風呂なんて何日もっていないようで埃っぽかった。

現代でも毎日お風呂にるのは日本人ぐらいだって聞いたことがあるから、この異世界でもそうなのだろう。

とにかくだ。

三人の坊主たちは、っからの天然系田舎ボーイズに窺えた。

ズボンしか穿いていない子。

頭に十円ハゲが出來ている子。

鼻水を垂らしている子。

どの子も埃っぽくて汚らしいし、マヌケ顔だった。

やはりこの村は貧乏なんだなと思える。

あれ、貧乏=マヌケって、かなりの差別だな。

これは心の中で訂正しておこう、すみません……。

そして、上半の小僧が俺に質問をしてきた。

「なんで、おにーちゃんは、靴があべこべなの?」

最初に質問をしたのは俺なのだが、相手が子供なので仕方なく俺は質問に答えてやる。

俺は自分の足元をチラリと一瞥してから答えた。

「俺にも々とあったんだよ……」

俺は青い空を見上げながら言った。

ガキどもは不思議そうに俺の顔を見上げている。

なんにしろ、追い剝ぎしたスケルトンがこれしか履いていなかったなんて恥ずかしくて言えない。

更に鼻垂れ坊主が訊いてきた。

「なんでお兄ちゃんのズボンは、おが開いてるの?」

俺はズボンのに指をれておをかいた。

「これはこうやっておいところを直ぐにかけるようにだよ」

「お兄ちゃん、蟯蟲持ちなの?」

「ちゃうわ!」

俺はツッコミがてら鼻垂れ坊主の頭を平手で叩いた。

すると子供たちがドッと笑い出す。

良く分からんがツボにはまったらしい。

すると、子供たちが笑い合う中で、俺の後方からの聲が飛んで來る。

「あんたたち、いつまで遊んでるの。仕事を手伝いなさい!」

若いの聲だった。

聲からして可い。

俺が振り返ると、そこには16歳ぐらいのスレンダーなが立っていた。

しかもだ。

切れ長の大きな瞳で、顎先がシャープで細い。

ピュアなも可かった。

黒髪のポニーテールで白いワンピース姿のである。

ちょっと怒ってるような表がいなせで可かった。

一目みて俺は思った。

「一目惚れ!」

そう、完全に一目惚れをしてしまったのだ。

は俺の純粋無垢な心をプリティーな笑顔で盜んで行ったのですよ。

笑って見えたのは俺の錯覚なんだけどね。

とにかく、なんにしろだ。

ここに來て、やっとヒロインの登場である。

だが、次の瞬間───。

「きぃぃぁぁああああ!!!」

俺は思わず想像してしまったのだ。

と結ばれて、淡くて切なくハードな一晩をネチョネチョと大膽にベッドの中でグチョングチョンに朝まで丹念に徹底的に過ごすアダルトで初夜な妄想を──。

そりゃあ、當然ですがな……。

その後の結果は、糞神の呪いにを押さえながら仰け反って苦しんでいた。

俺は地面に倒れて転げ回る。

その口から心臓が飛び出して來そうなぐらい痛かったのだ。

まさか自分の脳連結が、一目惚れイコール卑猥な煩悩に直結しているとは本人ですら思わなかったからである。

不覚である。

俺は死にそうなぐらいの痛みに気を失ってしまった。

前世を合わせれば何度目か分からないほどの初に、俺は無慘にも散るように失神してしまったのだ。

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