《俺のハクスラ異世界冒険記は、ドタバタなのにスローライフ過ぎてストーリーに脈略が乏しいです。》1-18【勝利の戦利品】
村での戦闘が終わった。
數にして十三匹のコボルトを、全の俺一人で倒した。
村を襲ったコボルトの全部は倒せなかったが、撃破した數的には十分なぐらい退治しただろう。
とにかくコボルトの數が多かったもの。
村人たちは逃げうだけで、誰一人として戦っていなかった。
所詮は剣すら握ったことのない農民なのだろうさ。
まあ、俺も、ショートソードを持って戦うのは初めてだったけれどね。
だってついこの前さ、転生してきたばかりの年ボーイだよ。
向こうの平和な世界では、ただの帰宅部な學生だったのだもの。
なんにしろだ、更に俺のレベルも5にアップしたし、己の強さがコボルト相手なら無雙できる実力だと分かったから良しとする。
それに、今晩の戦闘だけでレベルが二つも上がったのである。
しかし、殘り半數ぐらいのコボルトには逃げられたんだよな。
俺の強さに恐れをなして逃げて行ったのだ。
殘りのコボルトたちに逃げられたのは、數が多すぎて、俺一人では対処しきれなかったからだ。
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蜘蛛の子を散らすように四方八方に逃げられれば俺一人では追いきれない。
できれば殲滅したかったのだが、仕方なかった。
殲滅は、またの機會である。
村の安全を考えればコボルトの殘黨は野放しにして置けない。
必ず殲滅しなければ、また村を襲撃して來る可能が高いだろう。
俺は倒したコボルトの裝備品を奪って集めた。
お約束の追い剝ぎプレイだね。
そこから裝備品の選別をする。
魔力知でマジックアイテムを探して見れば、ショートソードが一本と、クリスタルの破片に、赤いバンダナがって見えた。
どうやらマジックアイテムが三つあるようだ。
それとコボルトの一匹が魔法のスクロールを一枚だけ持っていた。
お金は合計39Gゲットする。
しかし、コボルトから服を剝ぎ取るのは諦めた。
すべて塗れで気持ち悪そうだったからだ。
剣で戦っていたから鮮が飛び散り派手に汚れてしまったのだ。
ショートソードで切りつけたせいで大きなも開いている。
だからとても著れる狀態じゃあない。
仕方ないので俺は、服を諦めて、もうしばらく全スタイルを貫く。
この世界に來てから全が度々続いているから、だいぶ慣れて來ていた。
人間の慣れって怖いよね。
全で過ごしても、ぜんぜん恥ずかしくなくなっているのだ。
むしろこれが正裝だと思い始めているぐらいだ。
俺の恥心も全と共に解放された気分である。
まあ、それは置いといて───。
とりあえず、一段落付いたので、その辺の巖に座ってからマジックアイテムの鑑定を始める。
俺は菓子のおまけ箱を開けるような気分で鑑定作業に取り組んだ。
そして鑑定結果が直ぐに出る。
【ショートソード+1】
攻撃速度が小向上する。
【クリスタルの破片+1】
病気抵抗力が向上する。
【魔法のバンダナ+1】
歌唱力が向上する。
うむ──。
魔法のバンダナは要らない能力だな。
カラオケでも行かないと、歌なんか歌わねえしさ。
大きさが小さくて腰巻きにも使えないしさ。
こんな布切れ一枚じゃあ、俺の偉大なチンチロリンは隠しきれないしね。
はみ出ちゃうよ。
それと効果で『向上』と『小向上』と二種類あるのに気が付いた。
『向上』より『小向上』のほうが、効果的に低いってことなのだろう。
ならば『大向上』とか『超向上』とかがあるのだろうか?
とりあえず魔法のバンダナにクリスタルの破片をくるんで首に巻いた。
これで持ち運ぼう。
俺のりは首にバンダナを巻いて、腰にはベルトから剣の鞘を下げた、全姿の変質者風になっていた。
俺は冷靜に自分のりを眺めて見る。
その時にヒュ~~ッと風が吹く……。
寒いな……。
「んん~~……」
まだまだどの角度から見ても立派な変態のりである。
寧ろ中途半端に何かをに付けたために、変態度を増したじがするのは、俺の気のせいだろうか?
いや、気のせいではないだろう。
まあ、なりの件はどうにもならないのだから諦めるか。
考えても何も解決しないしね。
続いてステータス畫面を開いて新スキルを覚えていないかチェックする。
流石にレベル二個分も上がっているのだ、三つも新スキルを覚えていた。
やったね♡
どれどれ、どんな新スキルかな?
【ショートソードスキルLv2】
短剣の戦闘力が上がる。
【ハンドアックススキルLv1】
手斧の戦闘力が上がる。
【ハンドアックス投擲スキルLv1】
手斧を投擲した際の命中率と威力が上がる。
おお、ショートソードスキルが一気にLv2じゃんかよ。
流石はコボルト13匹も倒して二つもレベルが上がっただけはあるな。
あと【バックスタブスキルLv1】と【前蹴りスキルLv1】が両方ともLv2に上がってるぞ。
それと次はなんだろう?
新スキルのようだが───。
【ウェポンスマッシュスキルLv1】
すべての武で強打力と攻撃速度が1.25倍された一撃を放てるようになる。一日に撃てる回數は、スキルレベル分だけ撃てる。
んー、これは世に言う必殺技ってやつだろうか?
でも攻撃力と攻撃速度が一度に上がるらしいから、使える技なのは間違いないだろうさ。
今はLv1だから一日一発しか撃てないけれど、どんどん戦闘時に使っていけば、レベルも上がって回數も増えて行くだろう。
まあ、いざって時にまで取っとかずにガンガン使って行こうかな。
これは勿振るような技ではないのだろうさ。
さて、最後は魔法のスクロールだ。
どんな魔法が記載されているのか楽しみだな。
「アイテム鑑定!」
【魔法マジックアローのスクロール】
羊皮紙を広げた狀態で魔法名を読めば魔法が取得できる。使用しない場合は羊皮紙を閉じた狀態で保管しましょう。
マジックアローですか~。
初期の攻撃魔法ですね。
でも、ついに攻撃魔法が來たぜ。
あ、でも効果は習得しないと、分からないみたいだな。
では、早速ながら習得します。
スクロールを広げて──。
「マジックアロー習得!」
すると羊皮紙が青白く燃え上がって灰になる。
俺は速攻でステータス畫面から説明文書を読んでみた。
【魔法マジックアローLv1】
攻撃力は小。屬。程距離15メートルの飛翔魔法。一日に撃てる回數は、魔法レベル分だけ撃てる。
あー、攻撃力が小なのか。
でも、使えるだろう。
今後はもう、斧とか投げなくても済みそうだぞ。
距離を取っての牽制はマジックアローからろっと。
これもウェポンスマッシュと同じで、今は一日一発しか撃てないけれどありがたい。
とにかくどんどん使ってどんどんレベルを上げて行こうかな。
數が撃てれば、それなりの戦力になるだろうさ。
さてさて、こんなものかな。
そして、辺りを見回せば、生き殘った村人たちが俺のことを、から遠目に見ていた。
まだ、コボルトの襲撃直後だから怯えているな。
見慣れない俺すら怯えた目で見てやがる。
いや、全だから不審者だと思っているのかな……。
ぬむむ、後者のほうが可能は高そうだ。
いやん、まいっちんぐ~♡
それよりも、どうしよっかな。
どう村人とコンタクトを取ったら良いものやら。
俺、フレンドリーなコミニュケーションとか苦手なんだよね。
何せ人見知りするタイプだからさ。
そんな風に俺が悩んでいると、あの鼻垂れ小僧が駆け寄って來た。
そして、小さな聲で言った。
「あ、ありがとう……」
お禮かな?
俺はキョトンとしながら言葉を返した。
「どういたしまして──」
俺がそう返すと、鼻垂れ小僧が俺の下半にハグして來た。
丁度、鼻垂れ小僧の顔面が、俺の間部分に押し付けられる。
いやん、クリティカルヒットだぜ……。
しかも、鼻垂れ小僧は泣きながら顔をグリグリしてくる。
止めてもらいたかったが、今回だけは許してやろう。
村が襲われて怖かったのだろうさ。
今は好きなだけ、泣かしてやるよ。
俺は鼻垂れ小僧に好きなだけ、ではなく間を貸してやった。
しかし、ほんの數分で俺の間は涙と鼻で卑猥なぐらいベトベトでジュルジュルになったのである。
いやん、本當にまいっちんぐであった……。
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