《俺のハクスラ異世界冒険記は、ドタバタなのにスローライフ過ぎてストーリーに脈略が乏しいです。》1-23【コボルトのビッグボス】
俺は木の玉座から立ち上がったコボルトの長を目の當たりにして、し冷靜なを取り戻す。
「デ、デカァ……」
こいつが、ここのボスだろう。
コボルトの群れの親玉だ。
奴の型はマッチョで長は180センチを越えている。
まさにビックボスだな。
俺よりも遙かに長が高いぜ。
てか、俺の長が低いのかな?
今まで気にしていなかったが、前世だと俺の長は160センチぐらいだった。
今を嘗てと比べて見て、その時と変わらない視線の高さにじるから、転生しても長は変わってないのだろう。
畜生……。
今度生まれ変わったら長のイケメンにムクムクって育ってやるって誓ってたのにさ……。
今回の長も前世とほとんど変わらないじゃんかよ。
まあ、更に低くなるよりましか……。
そもそも前世の俺はまだまだ長期だったはずだから、長だってびた可能は高いはずだ。
あれ、今の俺って何歳ぐらいにかな?
心は高校生のままだったんだが……。
そもそも高校生で長ってびるのかな?
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それに、転生した俺は、これからもっと長がびるのであろうか?
長するのだろうか?
もしかしたら、鏡を見たらジジイだったりして……。
まあ、今まで會った人々の反応から、それはないだろう。
ピッチピチのイケメン年ボーイのはずだ。
てか、今回の俺の顔ってイケメンなのかな?
それとも前世のままなのかな?
前世のままならあまり素顔には期待出來ないぞ……。
まあ、村に帰ったら鏡で確認だ。
この世界に來てから鏡で確認していないから、自分の顔がどんな風になっているのか分からないんだよね。
そして俺がそんなことをボケ~~と考えていると、コボルトキングがを張りながら両腕を広げる。
すると雌コボルトたちがコボルトキングにシミターを手渡し、逆の腕に丸いシールドを持たせた。
武の裝著完了だ。
てかよ、そのぐらい自分で取ってこいや!
ハーレムの子にやらせてンじゃあねえぞ、このハレンチコボルト野郎が!!
てかよ、それってパワハラじゃないのかよ!?
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パワハラで訴えられないかな、こいつ!
そしたらコボルト子の弁護は俺が引きけてやるのにさ。
當然ながら弁護士免許なんて持ってないけれどね。
やっぱ、それでもめっちゃむかつくわ!!
このコボルトキングだけは活かしておけねえ!!
嫉妬が燃料となり、俺の怒りが更に燃え上がる。
このコボルトキングの存在そのが燃料の投下だった。
何より羨ましい!
まさかコボルトのようなザコキャラモンスターが俺がじられた憧れのハーレムな理想を葉えているってのが許せない。
絶対に許せないぞ!!
何よりふしだらだ!!
ハーレムなんて不潔よ!!
一匹なのに四匹の雌を可がれるなんて法律違反じゃあねえか!?
なにそれ、この世界では一夫多妻制が許されているのか!?
そんなのありかよ!!
それともコボルトだけなのか!?
それなら俺もコボルトになって人間のの子をの周りにはべらかせるよ!
する、絶対にするわ!
したいわ!
あんなことやこんなことがしたいわ!!
ぁぁぁああああ!!!
いーたーいー!!!
心臓が痛いよーー!!!
呪いがぁぁあああ!!!
また、やってしまった!!
落ち著け!!!
てか、俺が下らない妄想をしてたらコボルトキングが襲い掛かって來た。
ヤバイ!!
今はヤバイぞ!!
ちょっと待ってよ!!
今は呪いで苦しいから待ってよ!!
し休憩させて!
息が整うまで待ってくれ!
でも、やっぱり問答無用だよね!!
てか、このコボルト、やっぱデカくね……?
長1.8メートル以上とかねえか?
すげーマッチョだしさ……。
上半なんて逆三角形で、板なんて座布団のように厚いぞ……。
腕は魔法瓶のように太いし、足はサッカー選手のようにムキムキだ。
こいつ、日頃からトレーニングジムに通ってるよね、きっとさ!
だからモテるのか!?
マジでコボルトらしからぬ立派な型だぜ。
の子にもモテるわけだわ……。
そこがムカつく!
「ガルルッ!」
うわぁ~、振りかぶったシミターが高いわぁ……。
力一杯振り下ろして來た。
防だ!
俺はショートソードを頭上で橫にして、両手でシミターの一撃をけ止めた。
ガギィーーンと鈍い金屬音が廃鉱に響き渡る。
重い!
ズシリと來る!
全に一撃の衝撃がのし掛かる。
すると全の筋が痺れて軋む。
「なんちゅうパワーだ!」
今までのコボルトとは段違いに強いぞコイツ!
何よりパワフルだ。
俺が驚き戸っていると、次の攻撃が飛んで來る。
うわ、橫から盾を振るったパンチが飛んで來た。
盾の端で俺を毆り飛ばす積もりだ。
避けるも防ぐも無理だった。
俺は右肩を丸い盾の端で毆られて、橫にふっ飛んで片膝をついた。
まさか盾で毆って來るなんて……。
普通は盾って防用の裝備だろ。
それを武に使うなよ。
「くそ……」
意表をつかれた……。
まさかコボルト風にダメージを喰らうなんて!
推測が甘かった……。
余裕をかましすぎていた。
コボルトの実力を舐めていた。
コボルトの中には、こんなパワフルでワイルドな野郎も居るんだなと今さら知る。
反省しなくては……。
コイツの強さは、まさにキングだ。
コボルトキングだ。
もう舐めない。
傲らない。
真面目にやるぞ!
「ガルルルルッ!!」
「キャー、キター!!」
コボルトキングが盾を前にして突っ込んで來る。
ダッシュからそのまま盾をブチ當てて押して來る積もりのようだ。
俺はショートソードを前にシールドアタックをけ止めた。
しかし、強い當たりの衝撃にが押されて踏ん張っていた後ろ足が地面をる。
「ぬおぉおぉ!!」
「ガルルガル!!」
俺とコボルトキングの押し合いが始まった。
押すか押されるかの相撲狀態だ。
「ぬぅぅううう!!」
「ガルルルッ!」
俺は堪えた。
だが、押される。
押し返すどころか押されていた。
完全に力負けしていた。
「ガルッ!!」
「うわっ!!」
そして、コボルトキングが気合いをれた一押しで俺を突き飛ばした。
俺のが後方に跳ね飛ばされる。
「ガァルルルル!!」
更に盾を使った當たり。
まるでブルドーザーに牽かれるように俺は壁際まで押されて行った。
「く、くそ……」
「ガルルルルルッ!」
俺は瞬く間に壁際に追い詰められていた。
俺のが巖壁とシールドに挾まれる。
苦しくないがけない。
そこでコボルトキングがシミターを振りかざした。
切っ先で突いて來る気だろう。
振りかぶったシミターの先が俺の顔に向けられている。
顔面串刺しを狙っているのだろう。
冗談じゃあないぞ。
団子のように頭を串刺しにされてなるものか!
「ガルッ!」
「くっ!」
俺はシミターの先で突かれる瞬間に全力を出して、盾の圧から必死に逃れた。
壁と盾の隙間から脇に逃れる。
的を逃したシミターが巖壁に當たって火花を散らしていた。
まず俺は勢を整え直すために走って距離を築く。
「えっさ、えっさ!」
だが、直ぐにコボルトキングは俺を追って來た。
「ガルルルゥ!」
デカブツ野郎の癖に、敏捷なきと的確な判斷である。
俺に勢を整えさせる時間を與えない積もりだ。
「こいつ、戦い慣れしてるぞ!」
「ガルガルガル!!」
そして、コボルトキングは接近と同時にシミターを力任せに何度も振り回して、俺を追い立てる。
縦振り、橫振り、そして袈裟懸け斬りに、逆袈裟斬り。
繰り返されるシミターの撃連打。
俺は逃げるようにシミターの斬撃を避けて回る。
躱して下がり、下がって躱す。
頭を下げたり、を翻したりと回避に専念していた。
防戦一方になっている。
だが、戦ってて俺はじていた。
こいつは力任せ過ぎる。
斬撃は速い、きも軽快だ。
だが、戦が豪快なだけで、技が暴で低い。
攻め手が単純でバリエーションがない。
力任せ過ぎて技がショボい。
そこに俺は付け込んだ。
大振りのシミターの隙間をついて反撃のショートソードを振るった
頭を狙った直後に、今度は足を狙う。
素早いフェイントだ。
次はショートソードで盾を毆った直後にをスピンさせて、背中を見せた剎那に下段の後ろ廻し蹴りで脛を蹴り飛ばした。
更に俺の反撃が続く。
今度は顔面を狙った前蹴りを振り上げた後に、蹴りを回避したコボルトキングに深い踏み込みからの袈裟斬りを打ち込んだ。
コボルトキングは俺の振るうショートソードを必死に躱す。
いつの間にか攻防が逆転していた。
俺が一方的にコボルトキングを攻めている。
剣技と蹴り技の混合攻撃。
そのようなコンボ技が、その後も続いた。
だが、同じフェイントは繰り返さない。
繰り出される技の數々が多彩で複雑だった。
コボルトキングはなんとか大ダメージになるような一撃は防いだり躱したり出來ていたが、細かな蹴り技は食らっていた。
斬撃は當たっていないが、何発かは蹴りがっている。
しかし、蹴り技が大きなダメージになっていないことは俺にも分かっていた。
コボルトキングも、それを分かってて蹴りを食らうのを許しているのだろう。
だが、牽制としては上等である。
今はそれで良い。
蹴り技を挾むのは、ただの牽制だからね。
「そらっ!」
俺はジャンプから空中でを捻るとローリングソバットを放った。
その後ろ蹴りを盾でコボルトキングがけ止めると、その眼前に俺は背後を向けたまま著地する。
しかし、俺はすぐさま振り返らずに向いている方向に全速力で走り出す。
逃げた。
コボルトキングはそう思ったかも知れない。
だが、俺は距離を作って振り返った。
そこで俺は指先を前に向けてコボルトキングを指差す。
するとコボルトキングが盾を眼前に構えて走ってくる。
再びシールドアタックで俺を轢き飛ばす積もりなのだろう。
だが俺は、前に突き出した指先の角度を下にずらした。
同じ技を食らうか、ボケが!
「マジックアロー!!」
俺の指先からの矢が一発放たれる。
まだ一日一回しか撃てない攻撃魔法だが、今が使い時だろう。
狙いは丸いシールドで隠れていない下半。
コボルトキングの脛だ。
右足の脛をマジックアローで撃たれたコボルトキングは、傷みからバランスを崩して片膝を突いてしまう。
コボルトキングに大きな隙が生まれた。
俺の魔法の矢は脛のを突いて骨を掠めながら足を抉ったようだ。
マジックアローの説明にはダメージ小と書かれていたが、思ったよりも結構使える魔法じゃあねえか。
狙いが細かく指定できるところが素晴らしいぜ。
ダメージ小でも人の急所や弱點を狙えばそれなりに使えるのだ。
更に俺の攻撃が続く。
「今度はこっちから行くぞ!」
片膝をついたコボルトキングの眼前に走り戻った俺は強打を狙う。
「ぬぅぉおおおお!!」
助走に乗せてショートソードを大きく橫に振りかぶる。
そこから逆水平に橫一文字の斬打を狙う。
そしてウェポンスマッシュのスキルを乗せて打ち込んだ。
これも覚えたての攻撃スキルである。
「ウェポンスマッシュ!!」
橫振りの剣技が煌めいた。
いつも以上の速度で振るわれるショートソードの斬撃。
煌めく一閃がコボルトキングの口を切り裂いた。
「ガッ……!」
すると上顎と下顎が大きく別れて飛んで行く。
そして、コボルトキングの頭部が離れた場所に落ちた。
これもまた思ったよりも派手に頭を切斷しちゃったぞ。
「なかなかの切れ味だな……。流石は威力と速度が1.25倍だぜ」
俺は技の能力が1.25倍と言う數値以上の効果だと実していた。
速度+威力=破壊力が1.25倍って言う計算式ではないのだろう。
速度1.25×威力1.25=破壊力が約1.5倍なのかも知れない。
そして、大きなコボルトキングのが、失われた頭部の切り口から鮮を噴き上げながら仰向けに倒れ込む。
コボルトキングが絶命した。
頭が切斷されたのだから死んだよね。
なんにしろ、俺の勝ちだぜ!
ひゃっはー!
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