《俺のハクスラ異世界冒険記は、ドタバタなのにスローライフ過ぎてストーリーに脈略が乏しいです。》2-11【ツートップ】
俺は忍ばなくてはならなかったのに、鳴子に引っ掛かりカランコロンとけたたましく騒音をならしてしまう。
それが目覚まし時計の代わりとなって、ゴブリンたちを全員起こしてしまった。
なんとも間抜けである。
それにしてもゴブリンの癖に鳴子とかってズルくないか。
蠻族なんだから蠻族らしく寢相悪く寢てろってじである。
防犯がキッチリしているゴブリンの塒ってありですかってじだぜ。
まあ、そんなこんなで目を覚ましたゴブリンたちが、寢ぼけ眼で何事かと辺りを見回しながら狀況把握に闘していた。
不味いなぁ……。
壁に寄りかかりながら寢ていたホブゴブリンも目を覚ましてしまう。
ホブゴブリンが目を覚ました直後に俺と目が合った。
「ホブ……?」
「よう……」
そして、ホブゴブリンが素早く橫に置いてあった戦斧に手をばす。
俺はゴブリンたちを無視してホブゴブリンに向かって手に持っていたショートスピアを全力で投げつけた。
空する投げ槍。
しかし、投擲したショートスピアは躱された。
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ホブゴブリンの後ろの壁に槍先が突き刺さって止まる。
それを見てゴブリンたちがやっと侵者の存在を把握したようだった。
俺に向かって威嚇の聲を上げながら立ち上がる。
畜生!!
頭を取るのに失敗したぞ。
あそこでホブゴブリンだけでも狩れていたら、この先が楽だったのにな。
俺はそそくさと後退した。
って來た壁のから外に飛び出して走る。
それから10メートルほど距離を取ると踵を返す。
そして背中に背負っていたショートボウを構えて片膝をついた。
矢筒から矢を一本引っこ抜いて弦を引く。
狙いは俺が出てきた壁のだ。
やがてゴブリンが一匹びながら壁のから飛び出してきた。
それに合わせて俺は矢を放つ。
そして矢はゴブリンの顔面をぬいた。
華麗に眉間のド真ん中を貫いたのだ。
「どうだ、命中だぜ!」
俺は直ぐに矢筒から次の矢を取り出して弦を引いた。
次に備える。
更にゴブリンが壁のから飛び出してきた。
次々と三匹もだ。
俺は矢を放つと弓を捨ててショートソードを鞘から抜くと近接戦に備える。
放った矢はゴブリンの肩に命中したが致命傷ではなかった。
それでもぬかれたゴブリンは転んで肩を押さえながらジタバタともがいている。
しかし、殘りの二匹が俺に向かって走って來た。
二匹のゴブリンは木製の棒を振りかざしている。
「「キョェエエエ!!」」
「なんとも末な武だな。棒かよ」
俺は襲い來る一匹目のゴブリンの攻撃をショートソードでけ流すと、後ろに居た二匹目のゴブリンを切りつけた。
一振りで顔面を深く切り裂く。
それは致命傷であった。
そして振り返ると同時に橫振りの一撃を一匹目のゴブリンに打ち込んだ。
ゴブリンは俺の一打を棒でけ止めたが俺のほうが力で勝る。
木の棒を弾き飛ばして二打目で袈裟斬りに切り伏せた。
俺が二匹のゴブリンを倒している間に、更なるゴブリンが二匹と、ホブゴブリンが壁のから次々に出てきていた。
ホブゴブリンが肩をぬかれ悶えて居たゴブリンの頭を踏みつけて殺してしまう。
ウザったかったのかな?
それを見ていたゴブリン二匹が、狂気の奇聲を上げながら、こちらに向かって走って來る。
怒るなよ。
仲間を踏み殺したのはお前らのボスだぞ。
俺に當たるな。
俺は迫り來るゴブリン二匹に対して腰から投擲用ダガーを一本取り出して投げつけた。
投げられたダガーは一匹のゴブリンのに突き刺さり命を奪う。
そして更にショートソードを力強く振り下ろして、殘りのゴブリンの頭をカウンターでカチ割った。
そこでやっと気づいた。
ホブゴブリンの接近を……。
ゴブリン二匹に気を引かれてホブゴブリンの移を見逃していたのだ。
「こいつ、デカイ癖に案外と機敏だぞ!」
ホブゴブリンは大きな戦斧を振り回す。
その強打をショートソードでけ止めた俺のが後方に飛ばされた。
「クソッ!」
凄いパワーだった。
完全に力では勝てない。
「ならば!」
力で勝てないなら知恵と勇気とスピードとユーモアで勝てばいいのだ!
俺は片手を突きだし魔法をぶ。
「マジックア──」
魔法の名をぼうとした剎那だった。
俺に炎の飛礫が飛んできた。
「あちっあちっ!」
すげー熱い!
不意を突かれた俺は、思わず言葉を詰まらせた。
俺の魔法は不発する。
魔法を唱えている場合じゃあなかった。
俺のローブが燃えている。
かなり熱いじゃんか!
火をはらう俺に、ホブゴブリンの戦斧が力強く振られた。
橫振りのフルスイングである。
「うわっ!」
また俺は、ショートソードで重い斧をけ止めると、パワーでごと弾かれる。
バランスを崩した俺は地面をゴロンゴロンと転がった。
転がりながら距離を作ったのだ。
ついでに転がったことでローブの炎が消えていた。
ラッキーである。
「それよりも!」
直ぐに俺は顔を上げて周囲を見回した。
何故に炎が!?
どこからだ!?
俺は立ち上がりながら、何が起きたか把握に気を配った。
すると直ぐに炎の正を見つける。
壁のの中に、赤い鳥の羽で飾りたてたゴブリンが、もう一匹居るのだ。
アイツが炎を飛ばして來たんだろう。
手には禍々しい木の杖を持っている。
それすなわち、アイツはシャーマンだ。
ゴブリンシャーマンだろう。
だとするとボスはホブゴブリンじゃあないぞ。
あっちだ。
知恵の高いほうが、ゴブリン業界ではボスに座る。
だからゴブリンシャーマンのほうがボスだろう。
「不味いな……」
ちょっと不利かも知れない。
パワーキャラに攻撃魔法の掩護撃。
その組み合わせが厄介だ。
俺に考える暇を與えないかのように、ホブゴブリンが攻めて來た。
ドシドシと重いを揺すりながら走り迫る。
俺は咄嗟にショートソードを地面に突き刺した。
そしてスコップで土を掘るかのように地面を堀上げる。
「うらっ!」
そのまま地面の土をホブゴブリンの顔面に投げつけた。
土を飛ばしての目眩ましだ。
うむ、我ながら卑怯だな。
てへぺろ。
俺は顔の土をはらうホブゴブリンを後回しにして、ゴブリンシャーマンに向かって走り出す。
自分にターゲットを変えたと分かったゴブリンシャーマンが俺に炎の魔法を放ってきた。
先程と同じ炎の飛礫だ。
俺はローブで顔を隠して炎の飛礫を我慢する。
熱いが我慢出來ない火力でもない。
これをレジスト功と呼ぶのかな?
そして俺は、ゴブリンシャーマンに接近して必殺技を狙う。
「ウェポンスマッシュ!」
ダメージ1.25倍の一撃がゴブリンシャーマンのを逆袈裟斬りに捕えた。
ザクリっと言うがショートソードから伝わってくる。
「斬ったぜ!!」
ゴブリンシャーマンの裂けたから大量の飛沫が飛び散り俺を汚す。
確実に肋骨を裂いたがあった。
すると───。
【おめでとうございます。レベル8になりました!】
よし、レベルアップだ!
それとレベルアップのメッセージからゴブリンシャーマンが絶命したと分かった。
俺は腰に手をばしながら振り返る。
それと同時に投擲用ダガーを下手で投げつけた。
間違いなくホブゴブリンが迫っていると分かっていたからだ。
投げたダガーはホブゴブリンのお腹に突き刺さった。
「ホブっ!」
だが、決まり手ではない。
ダメージが淺い。
お腹を押さえて痛みに苦しむホブゴブリンが頭をさげたので俺は大きくジャンプして兜割りを繰り出した。
全重をのせた大振りの一撃が、ホブゴブリンの右肩口にめり込んだ。
しかし、鎖骨を砕いたがショートソードの刀は途中で止まる。
まだ決まらない!
「マジックアロー!!」
至近距離からの攻撃魔法がホブゴブリンの顔面に決まる。
魔法の矢がホブゴブリンの片目を抉った。
「ホブゥゥウウウ!!」
痛みに仰け反るホブゴブリンのからショートソードの刀が抜ける。
そして俺は、抜けたショートソードを両手で確りと握ると、ホブゴブリンのを下から突き上げた。
切っ先がズブズブとの奧に向かって突き刺さる。
「これで決まりだ!」
そして、の傷口から鮮が吹き出し、また俺のが汚された。
俺は頭からホブゴブリンの鮮を大量に浴びてしまったのだ。
「きちゃないよ~~!!」
もう、ドロドロで最悪である。
 
- 連載中172 章
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