《【書籍化作品】自宅にダンジョンが出來た。》対人戦(3)

田村という男と、レムリア帝國に所屬している軍人たちの話を聞いていると視界に半明のレッドプレートが開くと共にログが流れる。

――スキル「大賢者」が警告をします。

――主、山岸直人が手當てを行った両名の足が壊死するまでの時間を表示します。

――漆原(うるしはら) 稀星(きらら) の足が壊死するまで11分32秒。

――江原(えはら) 萌絵(もえ) の足が壊死するまで13分41秒。

通路を塞いでいる瓦礫の撤去、そして脈複合を含めると時間がほとんど殘されていないことがログからも読み取れる。

今、俺たちが居るホールからダンジョンり口までは歩くと10分近くあるからだ。

――だが、どうする?

相手は合計23人いる。

さらにアサルトライフルやショットガン、さらにはRPGまで擔いでいる専門の軍人だ。

しかも……。

ステータス

名前 カク ドンニョン

職業 軍人 ※レムリア帝國

年齢 29歳

長 188センチ

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重 62キログラム

レベル514

HP5140/HP5140

MP5140/MP5140

力52(+)

敏捷48(+)

腕力56(+)

魔力 0(+)

幸運 4(+)

魅力11(+)

所有ポイント513

スキル「解析LV10」で見たところ他の軍人のレベルが100前後なのに、一人だけレベルが飛び抜けている。

や楠より遙かに高い。

レベルで、能力に補正がつくのならカク ドンニョンという男の能力は、相當高い。

おそらく俺が思っているよりもだ。

対して、俺は戦闘の素人。

一人で、どうにかできるレベルなのか?

……だが――。

俺は、一時的に応急処置をして助けたたちを見る。

倒れているたちを見たことで、忘れようとしていた記憶が一瞬、フラッシュバックする。

その橫顔が……、かつての無力だった俺が助けられなかった妹の橫顔と重なる。

振り切ったはずだ。

自分を納得させたはずだ。

あれは助けることができなかったはずだと……。

なら……、いまは……。

俺はを強く噛みしめながら地面を強く握りしめる。

俺は、いったい何をしている?

あの頃とは違う。

いまの俺には、力がある!

だが――。

自分自に自問自答する。

それと同時に心臓の鼓が早まる。

俺は思わず自分の元に手をおく。

痛いほど鼓が――、心臓が律を繰り返す。

別に、おれが関與していなければ誰が死んでも構わない。

だが、目の前で誰かが理不盡な目に遭うのだけは俺は……、了承できない。

…………迷っている余裕……? そんなものは……ない!

「何だお前? そこで座っていろ」

俺が立ち上がったことに気が付いた兵士の一人が俺に銃口を向けて威圧してくる。

「大賢者、回答しろ」

男の言葉を無視したまま俺は一人言葉を紡ぐ。

それと同時に視界に半明なプレートが拡大される。

――スキル「大賢者」が回答します。何をみですか?

「俺のステータスで敵勢勢力の無力化は可能か?」

――可能です。

――ですが、力を振るえば周囲の人間に認識されます。以前のように誤魔化しは利きません。

――主、山岸直人、貴方は他人のために自らの保を捨てようと考えているのですか?

――力を示せば以前のような生活に戻ることはできないため、推奨はしません。

「何を、獨り言を言っている!」

兵士が苛立った様子で俺の腹を蹴る。

蹴られた俺は地面の上を転がるが、痛みはまったくじないが、口の中に土がってきて苦い。

――だが、HPは1すら減っていない。

「先輩!」

「――大丈夫だ……」

俺の言葉に不快わに見せた兵士が、アサルトライフルの銃口を俺に向けてくる。

「やめてください! 先輩に銃口を向けないで!」

佐々木の悲痛な聲がホールに響き渡ると共に、銃聲が鳴り響く。

俺の目の前で腹を撃たれ膝から崩れ落ちるようにして倒れる佐々木を見て俺は――、何かが切れた。

俺は、ステータス畫面を開く。

ステータス

名前 山岸(やまぎし) 直人(なおと)

年齢 41歳

長 162センチ

重 71キログラム

レベル1(レベル449)

HP 10/10(4490/4490)

HP 10/10(4490/4490)

力17+〔152〕(+) →力120+〔1077〕

敏捷15+〔134〕(+) →敏捷120+〔1077〕

腕力16+〔143〕(+) →腕力141+〔1266〕

魔力 0+〔+0〕(+)

幸運 0(+)

魅力 2(+)

▽所有ポイント 381 → ▽所有ポイント 0

スキル

▽「ロリ王LV1」(+)(ON/●OFF)

▽「JK際LV1」(+)(ON/●OFF)

▽「隠蔽LV10」(●ON/OFF)

▽「#JWOR」

▽「ZH)N」

▽「大賢者」(●ON/OFF)

▽「救急救命LV10」(●ON/OFF)

▽「限界突破LV10」(ON/●OFF)→▽「限界突破LV10」(●ON/OFF)

▽「バーサクモードLV10」(ON/●OFF)→「バーサクモードLV10」(●ON/OFF)

▽所有ポイント 381 →▽所有ポイント 0

「何をしている! そいつは協會と連絡を取るための――」

「――で、ですが……」

「チッ、まあいい。どちらにせよ、ここに居る奴らは日本政府が俺たちの要を呑もうか呑むまいが殺す予定だったからな」

カクの言葉を聞いたダンジョンツアー參加者の人間が、その言葉に悲鳴を上げる。

その中、俺は強化されたを確認しながら立ち上がる。

「大賢者、お前の力を貸せ! 俺を主だと思うなら、最大限のサポートをしてみせろ!!」

…………。

……。

――スキル「大賢者」は、全面的な支援を行います。

――主、山岸直人のを汲み取りスキルの解放を行います。

――スキル「#JWOR」の機能の一部解放を行います。

――特殊戦闘スキル「須佐之男命(スサノオ)」を展開……発します。

――戦闘技能が解放されます。

――対人戦闘技が自的に発します。

スキル「大賢者」のログが流れると同時に周囲の景が一変する。

周りの風景が、數字やグラフで表示されていく。

「こいつ、目の前で人が撃たれて壊れちまったのか。なら、いらねーな!」

兵士は、愉悅な表を浮かべたまま何の反応も示さなくなった俺に対して、佐々木を撃ったアサルトライフルの銃口を俺に向けてくる。

俺は漫然と、兵士へと視線を向ける。

兵士が何をするのかが――、その數秒先の未來が數字で! グラフで! 表示されていく。

そして、それが理解できる。分かってしまう。

兵士は引き金を引く、そんな小さな作まで見えてしまう。

銃弾が飛んでくる角度、弾道、相対的速度、威力を全てを、剎那にも満たない時間でスキル「大賢者」が計算しログに表示する。

そして、それらを特殊戦闘スキル「須佐之男命(スサノオ)」が正確に読み取ると同時に、俺の右手は、銃聲が鳴り響く前に機械のようにく。

そして――、飛んできた銃弾を人差し指と親指でけ止めたあと、俺は指先でポップコーンを潰す覚で銃弾を握り潰した。

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