《【書籍化作品】自宅にダンジョンが出來た。》千葉都市モノレール。

「ようやく解放されたな」

俺は、陸上自衛隊 下志津駐屯地のゲートを出てから背びをする。

それにしても、貝塚ダンジョンで陸上自衛隊のヘリに乗せられ輸送された時には、まさか數日に渡る取り調べをけるとは思わなかった。

まぁ、どちらにせよ無罪放免というのは言葉的に微妙だが、自由のになれたのは大きい。

あと気になったのは誓約書を書かされたことくらいだ。

長々と々書かれていたが省略すると貝塚ダンジョンで起きた出來事は一切、他言無用ということ。

それにサインをしない限り帰さないと言われたので俺はすぐにサインをした。

他のダンジョンツアー參加者も、渋々といった表で了承していた者もいた。

だが大半は、目の前で人が撃たれ殺されかけたこともあり、ダンジョンを管理している日本ダンジョン探索者協會と陸上自衛隊に怒りをじていた。

そして自衛隊に謝罪と賠償を求めたが……、後日に日本ダンジョン探索者協會が対応しますと一點張りで、その場での対応はできないようだった。

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まあ、後日でも日本ダンジョン探索者協會が対応をするだけ俺としてはマシだと思ったが……。

たしか銀行とかだと銀行強盜にった強盜に人質にされても何の補償もないと聞いたことがあるからな。

俺は、陸上自衛隊 下志津駐屯地前バス停でバスを待つ間、陸上自衛隊の隊員から返されたスマートフォンの電源ボタンを押す。

だが、何のきもない。

「電源切れか……」

これは、早めに家に帰って充電とメールの確認をした方がいいな。

「バスが來るまで、これだと何分か分からないな」

いつも攜帯電話で時間を測っていた弊害とも言える。

仕方ないな……。

陸上自衛隊 下志津駐屯地に居た時には、自分のステータスやスキル、魔法を見る余裕はなかった。

一応、調べられてもいいように初期値に戻しておいたが、それ以降開ける余裕はなかったから時間を潰すためにチェックするには丁度いいかも知れない。

ステータス

名前 山岸(やまぎし) 直人(なおと)

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年齢 41歳

長 162センチ

重 71キログラム

レベル1(レベル449)

HP 10/10(4490/4490)

HP 10/10(4490/4490)

力17(+)

敏捷15(+)

腕力16(+)

魔力 0(+)

幸運 0(+)

魅力 2(+)

▽所有ポイント 381

「ふむ……」

以前と変わらないステータスだ。

問題は、レベルが上がっていないことだろう。

俺と戦った男は、部下を殺す事で飛躍的にレベルを上げていた。

なのに、俺はレベルがまったく上がっていない。

やはり何か違うのかも知れないな。

スキル「大賢者」も、以前は管轄外などと言っていた。

あとは、スキルが……。

スキル

▽「ロリ王LV1」(+)(ON/●OFF)

▽「JK際LV1」(+)(ON/●OFF)

▽「隠蔽LV10」(●ON/OFF)

▽「ポーカーフェイスLV1」(+)(ON/●OFF)

▽「#JWOR」

▽「ZH)N」

▽「大賢者」(●ON/OFF)

▽「救急救命LV10」(●ON/OFF)

▽「限界突破LV10」(ON/●OFF)

▽「バーサクモードLV10」(ON/●OFF)

▽所有ポイント 381

スキルは、とくに変わった部分はないな。

そして、「#JWOR」と「ZH)N」もクリックしてもまったく反応しない。

さらに――、魔法欄からは草薙剣(くさなぎのつるぎ)が消えている。

「駄目だな……」

ここ數日、大賢者に語り掛けていたがまったく反応はなかった。

やはり一度、自宅に戻って検証をするのが近道なのかもしれない。

LV500になれば魔法が覚えられると言っていたからな。

まずはLV500を目標にレベルあげをするとしよう。

四街道駅前の停留所にバスが到著したあと、駅で切符を購しホームへと降りる階段を降りていくと、一つの看板が目にった。

そこにはサンタとソリが描かれている。

「……そうか。そろそろクリスマスか……」

なるほどな……。

どうりで寒いわけだ。

別にクリスマスだからといって、一緒に過ごす相手がいないから寒いわけではない。

――斷じてない。

俺は、ホームにってきた列車に乗り込む。

そして、數分後に到著した都賀駅で電車から降りる。

「ふむ……」

いつもは過疎っている都賀駅に、男のカップルがやけに多いように思える。

もしや……。

「すみません」

「どうかしましたか?」

さすがサービス神の高いJR東日本の職員。

ゼロ円スマイルで俺の問いかけに答えてくる。

警察とは大違いだ。

しは、JR職員の爪の垢でも煎じて飲めば市民にされる警察になれるだろうに……、本當に殘念だ。

ちなみに決して、JR西日本の職員のサービスが悪いと言っているわけではない。

JR西日本にはJR西日本なりに良い所もあるかも知れないからな。

俺は住んだことは無いから知らないが――。

「今日って何日でしょうか?」

「ああ、今日は24日です」

「そうですか。ありがとうございます」

職員は、一瞬カレンダーの方を見て即答してくれた。

さすが社會人。

仕事を持たない無職になると曜日覚が狂うのは、ある意味宿命だったりするからな……、俺とか……。

「さて――」

――全てのヒントは揃った。

四街道駅で見たクリスマスの看板。

いつも過疎っている都賀駅で見かけた何人もの手を繋いだ幸せそうなカップルたち。

さらに言えば、12月24日という特殊な曜日。

全てがある一つの答えを指している。

「今日は。クリスマスイブだったのか……」

どうやら、陸上自衛隊 下志津駐屯地で取り調べをけている間にクリスマスになっていたようだ。

そうなれば、俺の目的というのも己ずとしれたモノとなる。

さっそく俺は都賀駅から出たあと、モノレール都賀駅に乗り換えるために外を歩く。

その際に、俺の大好きな食事処――、なか元が見えた。

一瞬、小腹が空いていたこともあり、なか元のカツ丼を3人前くらい食べようと思ったが我慢する。

今日の目的は、もう決まったのだ。

モノレール都賀駅に向かおうとしたところでやけにタクシーが多いことに気がつく。

やはりクリスマスイブだからだろうか?

まぁ、男ってのは見栄を張りたがる種族だからな。

の前では、タクシーをハイヤー代わりに使う奴がいてもおかしくはない。

モノレール都賀駅の階段を上がり切符売り場に向かう。

「さて――、ん?」

切符売り場の橫に大きな看板が掲げられている。

看板に目を向けた。

そこには、信じられないことが書かれている。

看板には、【モノレール桜木駅からモノレール小倉臺駅の間は運休しております。復舊には數か月を予定しております。ご利用のお客様にはまことに申し訳ありません】と、書かれていた。

「……ふむ。どういうことだ? 何か事故でも起きたのか? スマートフォンが使えないから理由がまったく分からないな。そもそもモノレール駅というのは地震にも強くどんな時でも運休しないというのが売りでサービスをしていたんじゃないのか?」

――まったく。

これだから、千葉都市モノレールは赤字続きだと言われる所以になってしまう。

しは自分が言った言葉くらい守ってほしいものだ。

これだと、強い風が吹いただけで止まる京葉線と大差がないぞ?

「やれやれ、困ったものだな」

、お金は掛かるかもしれないがタクシーで帰るしかないな。

今度からは自転車で千城臺から都賀まで往復するとなると溜息しかでない。

タクシー乗り場に向かう。

「なるほど、タクシーが多かったのはクリスマスイブではなくモノレールが不通だったのが原因だったのか……」

々と千葉都市モノレールも迷をかけてくれるものだ。

運用くらいきちんとするのは社會人としては當然の行為だぞ?

「どちらまで?」

タクシーに乗り込むと運転手が目的地を聞いてくる。

流れる景を見ながら俺はふと思いつく。

そうだな……、タクシーの運転手に聞いてみるとしよう。

「モノレール千城臺駅――、ラパーク千城臺までお願いできますか?」

「わかりました」

すぐにタクシーは走り出す。

「すみません。千葉都市モノレールの都賀から千城臺駅まではモノレールは停まっていますがいつから?」

「ああ、それですか! お客さん、ニュースは見ていないんですか?」

――ん? 何のことだ?

とうとう千葉都市モノレールは赤字のために倒産でもしたのか?

まぁ、あまり失禮な聞き方はできないな。

「いえ、院していたもので……」

適當に答えておけばいいだろう。

「そうですか。じつは、貝塚ダンジョン知っていますか?」

「ええ、まあ……」

貝塚ダンジョンが問題で俺は陸上自衛隊 下志津駐屯地に滯在していたからな。

「じつはですよ」

「はい」

「貝塚ダンジョンの方角から緑が飛んできて、モノレール桜木駅からモノレール小倉臺駅の間の路線を破壊したんですよ」

「――え?」

「私も詳しいことは知りませんが――、ほら見えてきましたよ。すごいものです。まるで何かに綺麗に切斷されたかのようにモノレールの路線が切り取られてしまっているんですよ。幸い赤信號中で車が走っていなかったので怪我人は出ませんでしたが、資金繰りが大変だということで復舊までには時間が掛かるそうですよ? タクシー會社としては喜ばしいことですけどね」

「…………な、なるほど……。緑が……」

「千葉都市モノレールを管理している會社も資金繰りが厳しいのに、住民のために必死に銀行と渉して資金を集めているとニュースでやっていましてね。でも赤字の千葉都市モノレールに資金を出してくれる銀行があるかどうか……」

「そ、そうですか……」

つまり、千葉都市モノレールが麻痺しているのは俺が放った草薙剣(くさなぎのつるぎ)が影響しているということか……。

さすが千葉都市モノレール。

一日でも早い復舊をしてほしいものだ。

「そういえば、千葉都市モノレールを運用している會社は、寄付金も募っているそうですよ」

「なるほど……」

誰だよ、千葉都市モノレールは京葉線と同じくらい使えないとか言ってた奴は……。

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