《【書籍化作品】自宅にダンジョンが出來た。》世界の岐路(10)
「バグ? 何を言って……」
あまりにも私が知っている彼とは口調も、その姿からじる雰囲気も別のようにじてしまう。
「貴方は、本當に……」
「山岸直人、本人か? と、聞きたい訳か?」
続く私の言葉を先読みしていたかのように、目の前の男――、山岸直人さんと思われる人は靜かな視線で私を見てくる。
そこには何のも篭っていないように見えてしまい、思わずたじろいでしまう。
「……はい」
ただ、私が聞きたいこと。
その返事だけは、行う事ができた。
「そうだな。たしかに山岸直人ではあるが……」
何か含みのあるような言い方をしてくる彼に、私は心の中で「何か?」と言う疑問を抱いてしまう。
「(のぞみ)」
どういう答えを返せばいいのか? と、迷ったところで後ろから、山岸鏡花さんが、私の名前を呼んできた。
「振り向かないで。まぁ、どっちにしても、私の聲も姿も屆かないと思うけど……」
「どういうこと?」
そう、私は小さく呟く。
それだけで目の前に立っている山岸直人さんは怪訝な表をする。
たしかに、鏡花さんの言う通り山岸直人さんの妹さんの聲が屆いておらず姿が認識されていないなら、不信ある目で私を見てくるのは理解できた。
「今、目の前にいるのは、お兄ちゃん本人じゃないわ」
お兄ちゃん本人じゃない?
鏡花さんの言葉を聞きながら、まっすぐに瞳を山岸直人さんと思われる人に向けるけど、目の前に立っている人は明らかに本人だと思う。
「何をしている?」
ずっと黙ったままでいた私に、彼は話しかけてくる。
「いえ」
私は小さく答えながらも、口を開く。
「先ほど、バグと言いましたけど、どういう意味ですか?」
「言ったままのことだ。そちらの世界で、存在しているデコイである山岸直人の事だ」
「デコイ?」
私は、その言葉の意味を必死に考える。
たしか……、囮・・模型の意味を現した言葉だったはず。
つまり、私が知っている山岸直人さんは……、人では無いという事になる。
正確には、人の形をした何か――。
そこまで考えたところで、私は頭を左右に振る。
そんな訳がない。
私は否定する。
そんなことが実際にあるわけが……。
私は、山岸直人さんとたくさん會話もしたし助けてもくれた。
それに自立した意思だって持っていたし、そんな彼が、作りモノのはずがない。
「そんなことが……、そんな訳がありません!」
思わずんでしまう。
それは、自分の不安を払拭する意味もあって、思っていたよりも強い口調になってしまった。
「なるほど……。月読、天照」
目の前の山岸先輩が、靜かな聲で、私達と戦っていた月読さんと天照さんの名前を呼ぶ。
「どういうことだ?」
「それは……」
言い淀む天照さん。
対して、月読さんは黙して語らない。
「なるほど……バグではなく何か不都合な事態が起きたということか。そして、それは私に説明できないと? そういうことか」
溜息をつきながら、私へと彼は視線を再度向けてきた。
「――して、デコイの現狀を教えてもらえるか? 仮初の世界の住人よ」
- 連載中351 章
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